歯の豆知識-新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

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診療時間:月~金 9:30~19:00(火曜は18:00まで、土曜は17:00まで)

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歯の豆知識

アンチエイジングのためにも歯科を受診しましょう

歯は食生活や運動機能、コミュニケーションと生活のあらゆる場面に関わります。

歯に自信がないと笑顔にもなれないですよね。咬み合わせが悪いと、顔や姿勢にも歪みが出てきます。

美や若さなど、口元にはその人の生き方が出ます。特に女性は閉経後、唾液分泌が低下し口腔内の環境が急激に悪化します。

それに対応するには、口のアンチエイジングに取り組むことが大切です。50代以降の口元3大危機は口臭、乾燥(ドライマウス)、歯周病です。

それぞれについて説明すると、
変化1.
更年期は女性ホルモンが減少する時期です。唾液腺は女性ホルモンの影響を受けるため、この年代では唾液の量が減り、口の渇きや味覚の低下、ものが飲み込みにくいなどの症状を訴える人も。。。

唾液の減少により、自浄作用が低下します。また、50代は歯周病が進行してくる年代で歯茎が下がるなどして、噛み合わせにも影響が出てきます。

変化2.
口臭の原因の9割は口の中にあります。
使った後の歯ブラシや歯間ブラシが臭う場合は口の中に異常が起きているサイン。悪臭が感じられるようならば、歯肉炎歯周炎がかなり進行している可能性があります。
また、何年も歯科医院に受診していない場合、歯の詰め物や被せ物が劣化し、腐敗臭を放っている場合もあります。放っておかずに受診しましょう。

変化3.
歯周病は、口の中の細菌が攻撃力を増し、体の中の抵抗力が下がり、生活習慣などが複雑に絡み合って進行します。

50代では、仕事や親の介護、更年期症状などでストレスが多い世代。
ストレスフルな生活の中で免疫力が落ちてくると、口の中の悪玉菌が暴れだします。しっかり歯を磨いていても、口腔内環境が悪化する場合もあることを知っておいてください。

これらの症状に、いち早く気づくためにも、歯科医院で定期健診に罹りましょうね。

虫歯の痛みに対する処置について

虫歯の痛みは、いきなり激しい痛みに襲われるわけではないです。

最初は、冷たいものや甘いもの、すっぱいものを食べた時に『歯がしみる』などの一過性の痛みが表れます。

歯の神経がある歯髄は象牙質の下に存在します。その象牙質は象牙細管と呼ばれる歯髄と繋がっている部分があります。その象牙細管が、いわばバイパスのようになり、それを伝って刺激が加わるのです。

もし、食べ物などで歯がしみる場合は、歯髄内に血液が充満する『歯髄充血』と言われる状態なので、何もしなくても歯が痛いという自発痛はありません。でも、それが象牙細管から細菌が侵入したり、虫歯が歯髄にまで及んだりして歯髄が細菌感染を起こすと自発痛が表れる『歯髄炎』に進行するのですね。

歯痛は治療で取り除けるが、虫歯が歯髄にまで達してしまうと神経を取る『根管治療』というものを行います。そして、消毒が図られたら、元々神経のあった部位にゴム質の材料で塞ぎます。

ただし、一度、細菌感染してしまった根管を完全に無菌化することは困難です。

場合によっては、細菌が根の先にまで達し、根尖が化膿してしまう状態であるので『根尖性歯周炎』と呼ばれるものになります。そうなると、この場合も自発痛や咬合痛が出るようになります。

こうなると、根管が完全に感染しているものの処置となるのでで『感染根管処置』という再根管治療を要するものとなるのですね。

このように、根の治療を要するまで、虫歯を放置するのはリスクがありますね。できるだけ、そうならないように定期健診を大切にしていただき、虫歯の予防を第一に考えていただけたらと思います。

誤嚥性肺炎に繋がりやすい片咀嚼について

よく患者さんから「右の奥歯がないから左でばかり噛んでいた。」という話を聞きます。通常、私たちが食事をするときは右か左かのどちらか一方で数回噛み、食べ物が舌の上を移動して、その反対側で噛み、左右交互に噛む側を交換しながらものを食べます。

もし、片側のはが何らかの原因で無くなってしまった場合は、左右両側でバランスよく食べることができなくなります。噛める側だけで噛む「片咀嚼」という状態になります。

そうなると、口の中で様々な障害が出てきます。片側の歯ばかりで噛んでいると、噛み砕いた食物は舌の上にうまく運ばれずに頬側の空間に食べ物が溜まりやすくなります。いわば、食べたものがなかなか飲み込めずにいつまでも残り、口の中は不潔になります。その結果、噛める側でも虫歯や歯周病が進行しやすくなり、特に高齢者でこのような状態が長く続けば誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。

また噛み合わせのズレによる頭痛や肩こりなどもよく知られています。

片咀嚼を予防するには両側の歯で噛めるよう口の中の治療を受けることが大切です。片側の奥歯が抜けている場合はそこに入れ歯入れて左右両側で噛めるような状態にします。

かかりつけの歯科医師と相談して片咀嚼がないように治療を受け、お口を健康な状態に保つことが大切ですね。

浅い睡眠、ストレスは就寝中の歯ぎしり、喰いしばりを悪化させます

強い力で歯を傷つけたり、歯が折れる原因にもなる歯ぎしりや喰いしばりは、無意識に行うものなので自覚しづらいです。睡眠中の歯ぎしりを家族や同僚に指摘されて初めて気づくということが多いですが、ほかにもサインはあります。

「歯が短くなった、欠けた、咬み合わせ面に光沢があるというのは、歯ぎしりで歯がすり減った証拠です。」と、ある教授は言います。きちんと歯のケアをしているのに、被せ物が壊れやすい、朝起きた時に顎が疲れている。頬の内側の粘膜に歯形がついているという場合も、歯ぎしりが疑われます。

また、親が歯ぎしりをしている人は、そうでない人より歯ぎしりをする確率が高くなるそうです。では、その対策はというと、歯ぎしりの7~8割は眠りが浅いときに起こるので、睡眠の質をよくすることで改善されることもあります。

寝酒や喫煙、カフェイン摂取は、覚醒作用があるので控えたほうが良いでしょう。
ストレスの多い人は、リラックスを心がけてください。
また、睡眠中にスプリント(ナイトガード)を使う手もあります。

当院でもこのナイトガードを製作される方は多いです。

もし、夜間の歯ぎしりで気になる方は、かかりつけの歯科医院に相談しましょうね。

被せ物、入れ歯などの補綴物は定期健診を。。。

患者さんの情報を漏れなく聞き入れるために食事について聞くことがあります。食べにくいものや好きな食べ物、さらに入れ歯を入れている方と入れていない方に噛んだ場合の違いを聞いたりすることがあります。

歯科医師は多くの患者さんに出会い、治療が終わっても5年、10年、20年と長い付き合いをさせていただきます。

そして、その良い状態を維持していただくために、自身で行うセルフケアが十分かどうか、虫歯や歯周病になっていないか、咬み合わせの状態に問題はないか、被せた物や入れ歯が壊れていないかなどを定期的に来院していただき、患者さんとともに点検します。

体も加齢とともに変化し、病気になると口の中も含めて全身的な疾患のリスクが高くなります。

また、歯を喪失した原因は治療後もリスクとして残るので、治療後の機能を維持するためには、患者さん自身の努力と私たち歯科医療従事者との二人三脚が必要となります。

口腔ケアで要介護者の大病を防ぎましょう

近年、歯の数と口の中の健康が脳卒中や肺炎などの発症と関りが深いとされ、「口腔ケア」の大切さが注目されています。

ここでは要介護者の家庭でケアする際のポイントをお伝えします。

・粘膜の汚れも。。。

口腔ケアというと歯磨きを思い浮かべることが多いですが、あくまで歯磨きはケアの一部です。歯以外に頬の内側、舌の上下、口蓋などの粘膜に張り付いた汚れも取り除くことが重要です。

舌の白っぽい汚れは、味覚をつかさどる「味蕾」を傷つけないように数日かけて少しずつ落とす。
姿勢は顎を引いて体感を真っすぐにし、足はしっかりと床につける。
さらに重要なのは、剥がした細菌や汚れを口の中から出すこと。

高齢者の場合、細菌だらけの唾液が器官に入って誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高い。きちんと排出するためには、可能ならば6回以上のうがいをしましょう。

・誤嚥防止も。。。

普段から口内の機能を維持することも口腔ケアの一部です。口内の自浄作用がある唾液の量は加齢によって減ります。

そこで顔を包み込むように広げた手を当て、親指を耳の後ろに引っかけて手のひら全体で押したり、顎の真下から耳の下までを親指で押したりして、唾液腺を刺激する。誤嚥性肺炎の防止には、飲み込むための機能を高める「カ」の音の発声練習がお勧めです。

・無理強いせずに。。。

認知症などの場合、ケアを嫌がったり口を開いてくれなかったりするのが悩みの種です。

その場合はまず介助者を認識してもらうことから始める。
眠りがちな人には手ぬぐいを丸めて濡らし、冷やしたもので顔をポンポンとマッサージし、覚醒した状態で正面から顔を見て話しかける。
次に様子を見ながら手、腕、肩、頬、唇と触れていき、口の中に指を入れても嫌がらないようになったら少しずつケアを始める。
噛まれたときは「ダメ、痛い」と短く伝える。

ポイントは焦らず、無理強いせず、一歩一歩段階を進めることが大切ですね。

オーラルフレイルは初期の段階で改善を

フレイルという言葉は、今や一般用語になっています。

念のため日本老年医学会の定めた定義について申し上げれば、「老化による虚弱」ですが、同学会が強調しているのは「健康状態のご老人」から衰弱により「要介護者」つまり寝たきり状態になってしまう一歩手前の状態であり、訓練などの支援介入で回復が可能な状態ということです。

オーラルフレイルは口腔機能の虚弱化で、歯を失って噛めない「器質的咀嚼障害」、筋力が低下して噛めない「運動障害性咀嚼障害」などの状態を指します。それを放置することにより、高齢者は低栄養により全身の筋肉量減少状態「サルコペニア」になり全身のフレイルにつながってしまいます。

また歯を失った咀嚼障害状態の方は、咬合支持がある(上下の歯で噛み合う所があるもの)状態の方よりも認知症の発症率が1.85倍高いというデータもあります。

オーラルフレイル状態の高齢者のオーラルフレイルが放置された場合、いずれ行動が大きく制限されることになり、いわゆる健康寿命の短縮を引き起こすことにつながると言われています。

オーラルフレイルの状態が初期の段階でそれらを見つけ、歯科医院で器質咀嚼障害を改善することをお勧めします。

もし、必要と判断されれば、高次医療機関の紹介を受け機能訓練を受けることで、要介護状態を防ぐことが可能な場合がありますので、高齢者も定期的な受診が必要ですね。

フッ素の効果に期待し過ぎは危険です

当たり前の話ですが、フッ素を塗ったから虫歯にならないという訳ではありません。

正しい歯磨きとフッ素を併用して初めて、虫歯予防の効果があると考えなくてはなりません。

ある患者さんの話ですが、その人の両親は長年、歯磨き粉にフッ素配合と書かれているものを選んで子供時代の患者さんに買い与え、さらに毎月フッ素を塗りに歯科医院へ通わせていました。

でも、残念なことに、その方は子供の頃から虫歯だらけです。大人になったその人は、「毎食後、歯を磨いているのに虫歯になってしまう。」という悩みを抱えています。

それはなぜかというと、残念ながら圧倒的に歯磨きが下手だからです。両親のフッ素への信頼感から「フッ素を塗ってさえすれば大丈夫」という生活環境で子供の頃から暮らしてきたことも良くありませんでした。

大人になる前からの虫歯菌だらけのため、少しでも弱っている歯があれば磨き残しを温床に繁殖して虫歯になってしまうようでした。もちろんこれは極端な症例の紹介ですが、フッ素の過剰な期待はよしましょうと言いたいです。

何より大切なことは、適切な歯磨き方法の習得と毎食後のブラッシング回数、そして歯科医院での定期健診とプロフェッショナル・クリーニングです。

入れ歯に起こりやすい問題点について

取り外し式の入れ歯を新たに製作し、装着して使用した場合、不具合が生じる時があります。

主に痛みや頬を噛む、食べ物が噛めないなどです。

快適に使用していた入れ歯についても同様のことがいえます。入れ歯は金属部分とプラスチック部分(義歯床用レジンや人工歯は樹脂)から構成されています。

そのため残存する歯に掛かる金属や樹脂の部分にヒビが入って金属が脱離することがあります。これは部分入れ歯、総入れ歯の場合も噛む力が金属や樹脂に集中するために生じます。

そのまま使用していると、破折した部分が当たったり入れ歯自体の安定がなくなって噛んだ力により入れ歯が動き出して口腔内の粘膜や歯茎が赤く腫れたり、潰瘍が生じたりして痛みが出ます。また、長くお使いになっていた入れ歯の場合、歯がすり減ることで上と下の歯の間に隙間ができ、噛みにくくなったりします。前歯で食べ物を噛み、奥歯で粉砕して食塊として飲み込むことで食べる楽しみや活力が生まれ、全身の健康を維持、増進させることができます。

さらに口で食べることが認知症を防止、軽減することも知られています。より快適に過ごせるよう、もし入れ歯に不具合があればかかりつけの歯科医院に相談しましょう。

フッ素化合物配合歯磨剤の効果アップのための使い方

むし歯予防力のアップには歯磨剤選びが大切ですが、使い方も大切です。世間にはいろいろな歯磨剤が存在しますが、ここでは高濃度フッ素化合物配合歯磨剤について話します。

歯磨剤の効果を上げるポイントは6つあります。

1. 毎日使う
食事の度に溶け出す歯を守るには、溶けるスピードに勝るスピードで補修することが大切です。フッ素の力を発揮させるためにも毎日使いましょう。

2. 寝る前が効果的
フッ素は口の中で長く留まるほど、よく働いてくれます。就寝中は唾液が減るので、唾液に流されずに再石灰化の効果が上がりやすいです。

3. すすぎは1回で
せっかくフッ素配合の歯磨剤を使っても、すすいで捨ててしまっては充分な効果は得られにくいです。すすぎは1回程度にとどめましょう。

4. 水は少なめに
すすぎに使う水はおちょこ一杯分あれば充分です。

5. 使用量は適量で
歯磨剤はたくさん使えばよいというものではなく、もちろん使用量が足りなければ効果が落ちます。

6. ジェル洗口液などで相乗効果
寝る前にすすぎが少なくて済むジェルやすすぎの必要がない洗口液を使うとフッ素が口の中に留まりやすく効果がアップします。高濃度フッ素化合物配合歯磨剤は、毎日使っているだけで知らず知らずのうちに健康に寄与してくれるありがたいアイテムです。

上記の使い方で本来の効能を引き出し、健康増進に役立てていきましょう。

キシリトールガムで歯を健康に

高齢化が進む中で、「歯を丈夫で健康に保つこと」に改めて注目が集まっている。

ある研究者はむし歯のできるメカニズムについてこう話します。
「むし歯菌(ミュータンス菌)は、歯の表面や隙間に残った食べ物の糖をエサにして歯垢を作り出します。その歯垢の中に住みついてドンドン繁殖すると、糖を発酵させて酸を生み出し、歯のエナメル質を溶かしてしまうのです。」と言っています。

白樺などから作られる甘味料のキシリトールには、歯の健康を保つ2つの特徴が報告されています。

1つはむし歯の原因にならないこと。
なぜキシリトールはむし歯の原因にならないのか。。。
それは、キシリトールをむし歯菌がエサにして食べても、歯垢の原因となる成分や酸を作り出せないからです。

もう一つの歯の石灰化については、キシリトールに加えて海藻であるフクロノリの抽出物とリン酸一水素カルシウム3つが合わさることで、唾液による歯の再石灰化の増強が期待できます。

この3つの成分を含むトクホのキシリトールガムは噛んで楽しみながら唾液に備わっている再石灰化の働きを増強します。ガムを噛むと唾液が出やすくなりますし、歯の再石灰化を助ける成分も口の中に長く留まります。キシリトールガムを噛む習慣を今から身につけたいものですね。

舌のお手入れについて

舌についた汚れは、食事や会話をするときに舌が動くために上顎と擦れることである程度きれいになります。しかし、加齢とともに舌の動きが鈍くなったり唾液量が減ると汚れは取れにくくなります。

舌の表面には乳頭という小さな突起がたくさんあり、ふかふかのじゅうたんのような構造をしています。ここに汚れがたまり細菌が繁殖すると、白色、黄色、褐色の苔のような舌苔がつきます。

正常な状態でも舌の表面は薄く白い舌苔が少し付着していますが、分厚くなると口臭の原因になったり、ひどくなれば味がわからなくなります。

舌苔を取り除く方法は、間違っていると逆に舌を傷めます。歯ブラシなどで舌をゴシゴシすると、舌にある味蕾という味覚センサーを傷つけてしまうのでやめてください。舌苔を取りすぎると生体反応が過敏に働き、より早くより多く生成され、口臭がひどくなってしまうケースもあります。

手軽な舌苔の取り方は、舌を上顎に押し付け舌の表面をごしごし擦り付ける方法です。取りすぎず、舌を傷つけることなく除去できます。

また、ハチミツを小さじ一杯舌にのせて転がします。ハチミツにはタンパク質を溶かす性質があるので舌苔も溶かしてくれます。

舌苔はお手入れ不足の他、口の中の乾燥や全身疾患、薬の服用、疲労などでも増えます。お口の中のお手入れは大切ですが、全身にも健康に留意し規則正しい生活を心がけましょうね。

2週間以上続く口内炎や治らない傷は要注意

口腔がんは、舌の他、歯茎や頬などの口腔内にできるがんをいいます。

国立がん研究センターのがん統計予測によると、喉にできる咽頭がんと合わせて、口腔がんと新たに診断されるのは年間で2万3千人。舌がんだけでは年間約4千人とされる。年間10万人を超える大腸や胃、肺などのがんより、患者数は少なく「希少がん」に分類されます。

ただし、患者数は増加傾向で特に60代の男性に多いです。禁煙や酒量を減らすことが予防につながります。具合の悪い入れ歯が歯茎を刺激して、がん化することもあるため注意が必要です。

治療は、がんを切除する手術が中心です。舌を大きく切除する場合は、腹や太ももの筋肉を移植して再建することもあり、そうなるとリハビリしても元のように舌を動かすことが難しいです。

口の中の異常なので、鏡に映すなどすれば自分で見つけやすいものです。舌の表面の細胞は約2週間で入れ替わるので、口内炎であれば2週間程度で治ることが多い。

それ以上、症状が続く場合は要注意です。

歯科健診でも、このような口の中の異常を見つけることが多いです。私たち歯科医師も、むし歯や歯周病のみならず、その辺りも注意して健診しています。是非、かかりつけの歯科医院で定期健診を受けましょうね。

歯を失ったら、オーラル・フレイル予防のためにも入れ歯が必要ですね

むし歯や歯周病で歯を失うと硬いものが食べにくくなり、軟らかいものを選んで食べるようになって、次第に噛む機能が低下します。こうした状態を放っておくと、健康を維持するために必要な栄養が不足し、病気や要介護状態に陥る「オーラル・フレイル」のリスクが高まります。

入れ歯の役割は、主に失った歯や歯を支える歯茎を回復し、食べものを噛んで飲み込む咀嚼機能や嚥下機能を改善することにあります。入れ歯を使う大事な目的の1つはこのオーラル・フレイルを予防することにあるといえます。

歯を失うと言葉をはっきり発音しにくくなり、意思疎通が難しくなることがあります。 また、歯が抜けて顔の審美性が悪くなったのを気にしてふさぎこんだり、人と会うのを避けるようになることがないとはいえません。こうしたことから戸外での活動を控えるようになって社会性が低下することも、健康長寿を妨げる要因と考えられています。

入れ歯には、このように
①咀嚼機能の回復
②発音機能の回復
③審美性(見た目の美しさ)

の回復という3つの役割があります。

また、歯がない状態を放っておくと、歯がないところに隣の歯や噛み合うべき歯が動いてしまい、噛み合わせが悪くなる場合があります。つまり、入れ歯はいつまでも健康で自分らしく輝いて生きるうえで、とても大切な役割を担っているといってよいでしょう。

このようなことを念頭に置きながら、個々の患者さんに合った入れ歯の製作に当たっています。

その工程は、次の4つに分けられます。
1.型取り:柔らかい材料で歯や粘膜の形を型取りします
2.噛み合わせを決める:ロウの材料を使って噛み合わせの高さを決めます
3.入れ歯の仮合わせ:噛み合わせや見た目の確認を行います
4.入れ歯の調整:できあがった入れ歯の噛み合わせや粘膜との適合の調整をします

皆さんには、入れ歯を使う本当の理由をご理解いただいたうえで施術を受け、正しく使用して健康長寿を目指していただきたいと願っています。

歯ブラシの交換目安は1ヶ月だと思います

毎日の歯磨きは適切にできているでしょうか?
使用する道具である歯ブラシは、毛先の広がった時が交換の目安と考えがちですが、そこまで使うと毛先で歯茎を傷つける恐れがあります。

ブラシの弾力が低下し、歯垢の除去率が約4割落ちるとされています。この歯ブラシの交換目安は1ヶ月といわれています。「毎月1日」「毎月末」など日を決めて、忘れないようにしてもらえたらいいと思います。

あるデータによると、歯ブラシのみで取れる歯と歯の間の歯垢は6割程度。糸状のデンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、より落とせます。

ただし、どちらも正しく使わないと効果は出ません。できれば歯科医院で、歯の状態に合った道具と使い方を教えてもらいましょう。

ビスホスホネート製剤の投与中は口腔衛生をしっかりと

ビスホスホネート製剤は骨粗鬆症の治療薬として極めて有用であり、骨折を予防することで寿命の延長にまで関わってくる優れた薬剤です。

その一方でこの薬剤の使用による「顎骨壊死」が問題になっています。ちょっと前まで、この顎骨壊死は抜歯などの歯科治療が原因といわれていましたが、現在は否定的で、もともと存在していたむし歯や歯周病などによる歯性感染(歯の周囲の細菌性の炎症)が原因とされています。ビスホスホネート製剤を使用する場合は使用前に歯科治療を終了させ、投与中は定期的な口腔衛生管理が必要になります。

また、歯科治療時にビスホスホネート製剤を止めたほうがいいのかといった疑問をよく聞きます。現在は、治療前後にしっかりした口腔管理ができていれば、休薬しなくてもよいとされています。ただ、そのことに関する根拠はまだ充分ではないです。状況により休薬が必要な場合もありますので、担当医とよく相談しましょう。

薬を止めた場合の歯科治療の再開はおおむね3ヶ月です。しかしこれも明確な根拠はなく、抜歯した部位を粘膜が被覆すれば再開は可能かと思います。ビスホスホネート製剤を使用している方は歯科医院を受診し、口腔衛生管理をしっかり行いましょう。

残存するほど増える大人のむし歯

大人の歯の悩みといえば「歯周病」が思い浮かびます。

しかし今、大きく取り上げられているのが大人のむし歯です。子供の時からの予防の普及啓発により、子供のむし歯は大きく減少し、20本以上の歯を有する者も年々増加し、60歳以上の平均残存歯数は2005年の15.3本から2016年には19.1本と増えたことからむし歯の増加が予測されます。

大人ならではのむし歯とは、歯茎が退縮した歯の根元にできる「根面う蝕」です。歯茎より上は表面がエナメル質に覆われているが、歯茎が退縮した下の部分はエナメル質がなく、表面が象牙質やセメント質になっています。象牙質は酸に弱く、エナメル質より軟らかい組織です。

歯茎下がりは30代で約60%、50代以上はほぼすべての人に見られるが、ある調査によると根面う蝕を認知している割合は8%。一度下がった歯茎は元に戻ることはほとんどなく、歯の根元のむし歯は30代以降から増加が見られます。

歯茎下がりの主な原因は加齢に加えて不適切なブラッシング、歯周病などがあります。むし歯予防は適切なブラッシング、根面の歯質強化に高濃度のフッ素配合歯磨きも有効です。根面う蝕は進行が早いため早期発見が大切で、セルフチェックに加えて定期健診を年に3~4回ほど受けることも大切です。

治療の先延ばしを後悔は75%以上も。。。

歯の治療や健診の受診を先延ばしにして後悔している人が75%を超えることが、日本歯科医師会の調査で分かりました。気になったらすぐに治療や健診をしてもらう「対応派」に比べ、「先延ばし派」は歯のトラブルを抱えやすいことが明らかになりました。

その調査では、歯の治療や健診のタイミングについて、もっと早くから受けていればよかったかを聞いたところ、「そう思う」41.5%、「ややそう思う」34.2%を合わせて4人に3人が後悔していた。これは75.3%にもなります。傾向として男性より女性に多くみられました。

歯の異常に気付いたら、すぐに治療や健診を受ける対応派47.3%、ギリギリまで受診しない先延ばし派52.7%でした。自分の歯や口の中が「健康だとは思わない」と答えた割合は、先延ばし派が73.3%を最高に、全年代で対応派より高くなりました。実際に歯のトラブルを抱えている割合も、40歳代以上で先延ばし派が対応派を上回りました。

歯科医師会は「医療費の心配や通院期間の長さから、症状があっても歯科に足が向かない人が多いのでは」と分析した。

「治療などの先延ばしは将来、歯のトラブルを抱えるリスクになりうる」として、早期の健診と受診を呼び掛けています。

老後に歯で後悔しないために、受けてほしい定期健診

過去にある研究でシニア1,000人(55歳から74歳の男女)を対象に「今、何を後悔していますか?」というアンケート調査を行ったところ、健康面では運動不足や食事の不摂生、毛髪の手入れ不足などを上回り、「歯の定期健診を受ければよかった」がトップになったのをご存知でしょうか?

歯周病は全身の病気を引き起こす、寿命に関係する怖い病気です。では、なぜ歯周病菌が全身の病気を引き起こすのでしょうか?

歯肉に腫れが起こると、体はリンパ球や白血球を終結させて炎症を抑えようとします。この時、歯肉にはリンパ球を送り込むための新しい血管が作られます。

この血管の中に歯周病菌が入り込み、全身へ流れていってしまうのです。

さらに、この菌は細胞膜そのものに毒があり、全身の血管をめぐり始めた歯周病菌は、あちこちで血栓を作って血管に付着し血液の通りを悪くします。これが心臓に近い冠動脈で起これば心筋梗塞、脳血管で起これば脳卒中、腎臓の血管が詰まれば腎不全になります。また、歯周病糖尿病の因果関係も認められつつあります。

これらの全身疾患を予防するには歯周病にならないことが大切ですし、仮に歯周病であったとしても歯科医院で定期健診をしっかり受け、歯と歯茎のクリーニングで進行を抑えることが可能かと思われます。

全身の健康のためにも歯周病の早期発見と予防が大切

歯を失う原因は、主にむし歯歯周病の2つの病気があります。このうち、むし歯は減少傾向にありますが、歯周病はあまり大きな変化が認められないようです。

歯周病はその名の通り、歯の周りの組織の病気です。歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)に炎症を起こし、放置すると歯のぐらつきが進み、最終的に抜けてしまいます。さらに歯周病はお口の中だけでなく、身体全体の健康にも影響を及ぼすことがわかっています。

主な疾患は次の通りです。

糖尿病…糖尿病は進行すると様々な合併症を引き起こしますが、歯周病も合併症の一つと考えられており、糖尿病の人は歯周病になるリスクが高いことが知られています。

心疾患…歯周病により産生された炎症性物質が血流により心臓にも運ばれることで、心疾患発症のリスクが高くなります。

早期低体重児出産…妊娠中の女性で歯周病の人は、健康なお口の女性に比べて低体重児出産や早産をする確率が高いことが報告されています。

誤嚥性肺炎…肺や器官の生理的機能が衰えると唾液や食べ物が誤って肺に入り、肺炎を起こします。歯周病で口の中に細菌が豊富に存在する状態だと、誤嚥性肺炎を起こす確率が高くなります。

歯周病は、初期段階では無症状なので歯科医院で検査してもらうことが大切です。歯周病を予防して全身の健康を保ちましょう。

特に乳幼児時期の歯は仕上げ磨きを習慣にしましょう

ほとんどの場合、1歳頃までに上下の顎の乳前歯8本が生え揃います。次に生える乳歯は第一乳臼歯という奥歯です。また、同じ頃に乳犬歯が生えてくる子供もいます。3歳くらいまでに乳歯の20本が全て生え揃います。

1歳半になって奥歯が生えると子供は食べ物を奥歯で噛めるようになります。こうして、離乳食期の歯茎で噛む「モグモグ期」から、奥歯で噛む「カミカミ期」へスムーズに移行できます。離乳食が完了するまでは間食を1日1~2回にして、時間を決めて栄養を補うようにしましょう。間食の回数とむし歯の関係を調べてみると、間食の回数が多くなるほどむし歯になりやすくなります。むし歯になりやすい部位は、前歯は前面や歯間、奥歯では噛む面の溝と歯間です。

この時期は本格的な仕上げ磨きの習慣をつける大切な時期です。歯磨きのコツは年齢に合った歯ブラシを使うこと。奥歯は軟らかめの仕上げ磨き用歯ブラシで円を描くように磨き、痛みを感じさせないことです。膝の上に仰向けに寝かせ、明るい部屋で磨きましょう。

この時期に歯磨き粉は必要ありません。しかし予防の観点から子供用フッ化物配合歯磨き剤やフッ化物ジェル、フッ化物スプレーを使用することも良いです。気になる方は、かかりつけの歯科医院で相談しましょう。

歯周病は糖尿病患者の発症率が2.6倍です

近年、歯周病が全身の健康に悪影響を及ぼすことが問題視されています。
その一つに糖尿病が挙げられます。

糖尿病の合併症は腎症、網膜症、神経障害、大血管障害、細小血管障害が知られていますが、歯周病も6番目の合併症と位置付けられています。

糖尿病患者の歯周組織では、微小血管障害やコラーゲンの合成低下の影響で歯周病に感染しやすくなります。また、血糖値の上昇に伴い、歯周組織の破壊が進行しやすくなると考えられています。そのため、2型糖尿病患者は、非糖尿病患者に比べ歯周病の発症率が2.6倍高いと報告されています。

歯周病を有する糖尿病患者では、内科における糖尿病治療と並行して適切な歯周治療を行うことにより、合併症のリスクを低下させる可能性が示唆されています。歯周治療による糖尿病患者のHbA1c改善効果は、最大で1%前後であることが報告されていますが、今後さらなる検討がされています。歯周病は静かなる病気といわれるほど自覚症状に乏しい疾患です。気になる方は、かかりつけの歯科医院の受診をお勧めします。

歯並びを直すなら歯列矯正で、歯の動く不思議を実感してみませんか。

子供の歯並びが将来の噛み合わせに悪影響を及ぼすと考えられ、顎の成長発育を害していると考えられる時、また永久歯の歯並びをもっときれいにしたいときなどに歯の矯正治療を行ったほうが良いといえます。

乳歯の時期に、口呼吸、親指やゴム製乳首の吸引、おしゃぶりなどの習癖が継続されると、口の周りの筋肉の成長発育に異常をきたすことがあります。上顎の側方発育阻害による片側の歯がぶつかり合いや乳臼歯が交叉した噛み合わせ、顎の前方発育障害による乳前歯の咬合不正や前方向への突出などです。これらの状態がもしも見られた場合、乳幼児期や学童期は、口の環境改善と育成を目的とした装置を利用します。

歯や顎の骨、関節を正しい位置に誘導すると、個々の潜在能力と成長の早さにより、新しい環境へ適応しやすくなります。永久歯列完成後、乳歯列の不正を引き継いでいる場合や新たな不正が生じている場合は、個々の歯に器具をつけてワイヤーを通し、歯の広範囲な移動が必要になります。正常咬合を得るため歯を支える骨に圧迫と牽引を繰り返し、歯を傾けながら目標の位置まで歯を動かします。歯並びの治療は早期(乳歯列、混合歯列)と永久歯列期、また使用する装置により歯の動く様式は変化します。この歯の動くダイナミズムは不思議だと思われますよ。

治療中断で、病状は悪化します。

病気の治療は大抵の人にとって、好むものではありません。特に歯科の治療は一つの歯を治療するにも長期間かかる場合があり、痛みさえ治まればいいと思い、完治する前に治療を中断してしまう方が少なからずいます。治療を一度中断してしまうと、たとえ痛みが治まっていても病状そのものは進行しており、極端な場合、抜歯に至ることもあります。

よく見られるケースを通し、治療中断で問題を起こす例を以下に記します。

1. 歯の根の治療(根管治療)を中断された場合は非常に困ります。
歯の根は非常に複雑で、根管治療はその複雑な部分を清掃・消毒し、隙間なく封鎖密閉する困難な処置です。痛みがないからと治療を中断してしまい、根が再び細菌により汚染され痛みが再発すれば最初からやり直しになります。

2. 歯に被せるものや入れ歯を作るために型を取り、その後中断したケースも困ります。
これらの被せ物や、入れ歯は各患者さんに合わせた、いわばオーダーメイドです。精密に作られており、型を取ってから長期間経過した場合やり直しが必要になることがあります。

代表的な二つの例を挙げましたが、歯をできるだけ長持ちさせたいお考えであれば、治療を中断しないように心がけてください。後々「あの時にしっかり治療しておけばよかったな。。。」という後悔のないようにしてくださいね。

子供の歯ぎしりについて。

「歯ぎしり」といっても、睡眠中に見られるものと起きているときに見られるものがあります。さらに歯ぎしりにはぎりぎりと歯を擦り合わせるものや、ギュッと噛みしめるもの、カチカチ音がするものなどがあります。この歯ぎしりは、成人に限らず実は小児の方が頻度は高いとされ6歳頃に多く見られるとの報告があります。

要因は様々ですが、心理的な要因として兄弟が増えた親との口論転校夫婦間の不仲などによるストレスや不安があります。局所的要因として外傷性咬合(歯茎などの歯の周りの組織に悪い影響を与える噛み合わせのこと)、乳臼歯の交叉咬合などが考えられますが、まだ明確なことは解っていません。

生活習慣を変えたり、ストレスを軽減させることで改善することもあります。しかし、歯科的には歯ぎしりを放置することで歯の咬耗、歯の亀裂、乳歯の早期脱落、咬合高径の低下による不正咬合などを起こすことがあるので、改善が見られないときは歯科医院での定期的な経過観察や自宅での心理的アプローチが必要かと思います。経過観察の結果によっては、小児であってもナイトガード(就寝時に使用するマウスピース)の装着などで対応する必要があるかもしれません。

口腔機能の低下を放置しないでください。

口腔機能低下症とは、病気や障害などの様々な要因によって口腔の機能が低下している状態をいいます。これを放置しておくと、食べたり飲み込む機能に障害が起こり、その結果、全身的な問題が起こります。

特に高齢者は、むし歯や歯周病、入れ歯などの不具合などの要因に加えて、加齢や全身疾患で口腔の機能が低下しやすく低栄養や廃用、薬剤の副作用などで複雑な状態になります。

症状としては、口腔内の細菌の増加口腔乾燥噛む力の低下舌や口唇の運動機能の低下咀嚼や嚥下機能の低下など、複数の口腔機能が低下します。

口腔機能低下症の治療の目的は、口腔機能のさらなる悪化を予防し、全身的な機能障害に至らないように口腔機能を維持・回復することです。全身疾患、飲んでいる薬剤、認知機能の程度、肺炎の既往などを評価し全身管理はもちろんですが、むし歯や歯周病などの歯科の病気の治療を行い、口腔機能の精密検査により診断された口腔機能の低下に対して、その症状や患者さんの特性に応じた口腔機能訓練が必要です。

最近、喋りにくくなった、むせることがある、食べこぼしするようになった、噛めない食べ物が増えたなどの症状があった場合はご相談ください。

歯周病の予防について。

歯周病は歯を支える骨や歯肉など、歯の周辺組織の疾患です。進行すると、歯が抜けるだけでなく、糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎、認知症など重大な疾患につながるリスクがあります。

一度、進行させてしまうと完治しませんが、早期発見できれば進行を抑えられます。ただ初期の段階は痛みがなく自覚しにくいです。

歯周病の原因は、歯や歯の隙間にこびりついた歯垢(プラーク)に潜む細菌です。1mgの歯垢に1億個以上の細菌が住み着いているといわれています。

手軽に取り組める方法はうがいと歯磨き。特に、食後すぐに口をゆすいで食べカスを流すことは効果があります。食べカスは最近のエサになり、歯垢を増やすことにつながります。

歯垢を取るために、歯ブラシの毛先は適度な硬さがあるものがお勧めですが、歯肉に出血や痛みがあって磨くのが苦手だという人は、柔らかいものから始め、慣れたら普通の硬さに変えましょう。薬用の洗口液や歯間ブラシの併用もお勧めです。しかし歯磨きだけで歯垢を完全に除去することはできません。歯科医院で定期的なクリーニングを受けることをお勧めします。

口腔内の乾燥にお悩みではないですか?

医学的には口腔乾燥症と呼ぶドライマウスは口の中の唾液の量が少なくなることで起こる症状です。唾液の量が減少して口の中が乾燥すると、慢性的な不快感はもちろん、食べ物を飲み込みにくくなったりします。ドライマウスによる生活の質の低下に悩んでいる人は少なくないのですね。

唾液の量が減少することで起こるのは不快感だけではありません。唾液は優れた抗菌作用で細菌やウイルスから体を守ったり、口やのどの粘膜を保湿・保護する働きをもっています。ドライマウスによって口の中の唾液量が減少すると、ミュータンス連鎖球菌歯周病原因菌が口の中で繁殖し、むし歯や歯周病を招きやすくなります。

一口にドライマウスといってもその原因は様々です。
加齢に伴う唾液腺の機能低下を筆頭に慢性腎臓病や糖尿病など全身的な病気、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患、過剰なストレスといった神経性の要因も、口の中の乾燥をもたらす原因になります。

長期的に薬を飲んでいる人は、薬の副作用としてドライマウスの症状が現れることもあります。現在、歯科を中心とした医療機関では、ドライマウスの治療に唾液の分泌を促す薬の投与や、人工唾液と呼ばれる液体を口の中に噴霧する処置がとられています。

その他には水溶性のジェルや保湿液などの保湿剤を用いて口の中の潤いを保つ口腔ケアも行われます。ともに一日数回、口腔内の乾燥を感じた時に塗布したり、口に含んで吐き出して口の中の乾燥を防いでいます。もし、お口の中の乾燥にお悩みならば、歯科医院で相談してみるといいでしょう。その方に合った対処法や処方をしていただけると思います。

喫煙による歯茎の影響は。。。

喫煙の健康被害はよく知られている所ですが、口の中の病気とのつながりはあまり知られていないようですね。

肺や気管支などの呼吸器と同じように、口の中の粘膜や歯茎からたばこの煙の中のニコチンをはじめとする有害物質が吸収され、様々な悪影響を及ぼします。

その悪影響の一つは、歯茎の中の毛細血管の収縮で、血行障害を引き起こすことです。また、たばこの有害物質は免疫機能を低下させるために、歯周病の原因菌と戦う力が弱くなり、たばこを吸わない方に比べて歯周病にかかりやすく、症状が進行しやすいです。それらが影響して、歯周病にかかっていることを示す一番のサインである、歯茎が赤く腫れあがり、出血しやすくなるなどの炎症症状が隠れてしまいます。その結果、本人が気づかないうちに歯周病が進行してしまうという、やっかいな特徴を示します。

こうしたことから、歯周病の早期発見・早期治療は「禁煙」が大切です。

また、喫煙者は、抜歯や歯茎の手術、インプラント手術後などの傷口の治りが悪くなるほか、舌の表面や味の感じ方の異常、独特の口臭、前がん病変や口腔がん発症率が高まることが知られています。そのため、歯周病以外の予防にも、禁煙は必要な条件といえますよ。

心筋梗塞、脳卒中対策は歯から。

歯周病により、心筋梗塞脳卒中につながる動脈硬化が近年取り上げられています。
理由はいろいろありますが、主に3つ挙げられます。

1つ目は、歯周病による慢性炎症。
これで免疫や炎症に関係があるサイトカインが次々と誘導され、血液を介して全身に運ばれ、特に血管を作る内皮細胞を攻撃します。内皮細胞は変形し、動脈硬化を起こし、血管の内径が細くなります。

2つ目は、歯周病を起こす歯周病原因菌が口腔内で繁殖して、全身に運ばれると歯周病原因菌は血液を固める作用が強いため、血栓ができます。

3つ目は、繁殖した歯周病原因菌を排除するために、マクロファージという細胞が活性化されサイトカインを放出して動脈硬化を促進する。

昨今の研究では、歯周病は動脈硬化の他、様々な病気との関連性が指摘されています。
ある大学教授は「歯周病がすべての臓器に影響を与えることは疫学的にわかっている。ただエビデンスが足りなかった。でも、今その機序も明らかになってきた。歯周病原因菌を人間の体から排除しないと病気の対策はできません」と言っています。

しかしながら、一般の人には歯周病対策の重要性がそれほど伝わっていないのが現状です。中には何年も歯科医院に行っていない方も少なくはないでしょう。歯周病は、症状がないから問題ないわけではありません。歯周病の症状は、「歯磨きをすると血が出る」「歯茎が腫れる」「膿が出る」「痛む」などですが、症状がある時とない時を繰り返して悪化していきます。また初期は症状が軽いので放置しがちで、症状を自覚した時は重度の歯周病になっていることも珍しくないのです。最低でも3ヶ月に1度は歯科医院に受診し、口腔内のチェックとクリーニングをすべきです。特に高血圧や糖尿病、脂質異常など生活習慣病や心臓血管病のある人は、歯科と循環器科の連携した治療が必要です。

誤嚥性肺炎って知っていますか?

「誤嚥性肺炎」という言葉を聞いたことがありますか。
厚労省の統計では、肺炎で亡くなった人の97%は65歳以上で、そのうちの約90%が誤嚥性肺炎で亡くなっています。

全身状態が悪化し、うまく食べ物を飲み込めなくなった人がかかりやすい誤嚥性肺炎。元気な人は食べ物が器官に入り込んでも、むせたり咳き込んだりして排出しますが、高齢者や体力が落ちている人はそれがうまくできずに、器官に入り込んだ食べ物が器官に入り、細菌が増殖して誤嚥性肺炎を起こすのです。

口の中には口腔常在菌といって、普段は問題を起こさない細菌も含めて多くの細菌がいます。こうした細菌が食べ物と一緒に肺に入り込むと肺炎の原因になります。従って口の中を清潔にしておけば、例え誤嚥をしても肺炎になるリスクは少ないといえます。日頃の口腔ケアや歯周病の治療は誤嚥性肺炎のリスクを減らすうえでも、大きな効果があるのです。

また、喉の機能を衰えさせないことも大切です。毎日、楽しく生活し、友人とよく喋ることは、喉の機能の衰えを防ぎます。カラオケで歌うこともいいですね。誤嚥性肺炎を予防し、より長い人生を楽しめるよう、日頃の口腔ケアや生活習慣を見直してみましょう。

入れ歯を装着する心構え。

入れ歯は、歯科医院で時間をかけ個々の患者さんに合うようにさまざまな過程を経て製作しても、できたばかりの新しい入れ歯を無調整で患者さんのお口の中に入れただけではしっかり機能することが難しく、使用しながらの調整や患者さん自身がうまく使えるように練習(リハビリ)することも必要です。入れ歯を入れている意味とできることを理解した上で、上手に付き合っていこうとする気持ちがあればうまく使いこなせるようになります。入れ歯は他の被せ物、根っこの治療、むし歯の治療と違い、入れ歯を入れたその日からが練習の始まりなのです。

初めての義歯は恐らく部分入れ歯でしょうから、話したり食べる時に義歯が外れないよう残っている歯にバネをかけ、そのバネにも種類がありケースによっては使える材料も形も異なります。

部分入れ歯は自分の歯が多数残っているので入れ歯の洗浄はもちろん、歯磨きの方法が自分の歯を長くもたせるために重要です。入れ歯の練習方法は、まずは入れ歯をできる限り口の中に入れ、摂食練習と発声練習をしましょう。摂食練習は、食品を柔らかくして細切れに調理し、ゆっくり時間をかけて噛むことが効果的です。食べ物の硬さは最初は痛みがなくても、柔らかい物を慣れるまで食べましょう。歯科医院で数回調整した後、徐々に歯ごたえのあるものに挑戦してみましょう。発音練習は上顎や歯に舌を押しつける形により音を作るので、入れ歯の形を舌が覚える必要があります。そのため、新聞や本などは声を出して読み、カラオケで歌を歌うことも効果的ですね。

また、入れ歯の形態を微調整すると修正できることもあり、どんな言葉が話しづらいかなど、歯科医師に相談していただけると良いと思います。

入れ歯は、お手入れすることで残っている歯を守れます。入れ歯はプラスチックでできているので、目に見えない凹みが沢山あり、そこに細菌や汚れが入り込みます。義歯用ブラシや柔らかめの歯ブラシで表面の大きな汚れをこすり落とした後に、義歯洗浄剤での洗浄が効果的です。しかし、なかなか落ちない汚れを無理に取ろうとすると破損やバネの変形が起きます。バネの変形は過剰な力が歯に加わる原因になり歯をダメにしてしまいますので無理な清掃はせずどうしても汚れが取れないときは歯科医師に相談しましょう。

総入れ歯は、部分入れ歯より調整が難しく、満足に食べられるまでの調整が困難です。総入れ歯は入れ歯の内側と粘膜がぴったり合うことにで保持されます。骨が痩せている人は動きのある粘膜と接触している面積が多いので痛みが出やすくなります。自分の歯があった時は歯で支えていた噛む力も、入れ歯の下にある柔らかい歯ぐきに負担をかけないと、しっかり力が伝わらず食べることが難しいのです。痛みが出てきても我慢して装着していると傷になり、入れ歯の調整が困難になります。傷が治った後でも顎が痩せてしまい、入れ歯を合わせづらくなります。

痛みが出てきたら早めに歯科医院で調整しましょう。

ここまで入れ歯を使うための難しさについて述べてきましたが、入れ歯を嫌い、無理に歯を残すことは、かえって顎の骨を痩せさせる原因になることがあります。入れ歯を快適に使うためには、定期的な診察で継続的にお口の状態をチェックし、ダメな歯は諦めて抜くなどのタイミングも重要です。より食べ物をおいしく食べるために皆さんの口腔内状況を定期的に歯科医院で診てもらうことをお勧めします。

飲んだらうがいをしましょう。

皆さんが普段飲用している飲み物について、少し考えてみましょう。

酸性飲料とはpH7未満の飲料のことをいい、具体的には炭酸飲料、イオン飲料、果汁飲料、スポーツ飲料、さらに健康飲料として見かける「飲むお酢」等も酸性飲料です。これらの飲料のpHはほぼ5以下です。

そして、この酸により歯の表面が溶け出す(脱灰)のため、いわゆるむし歯と同じ事が起こります。さらに磨き残しの歯垢の中には酸が作られるため、歯の表面の脱灰が助長します。

最近、天然水で果汁入りの飲料もありますが、天然水といえども果汁が添加されていれば、それは酸性飲料です。しかし、例えば子供達がスポーツ時や、病気による下痢や発熱などの全身症状から脱水を起こした場合は、スポーツ飲料やイオン飲料は回復のために必要です。大切なのは、酸性飲料だからダメということではなく、その飲み方です。

全身症状回復のため以外の平常時には
1. 飲んだ後、水でうがいをさせる
2. ダラダラ飲みはしない
3. 就寝前の飲用を控える
4. 普段からしっかり歯磨きをする
以上のことを配慮した上で、上手に飲用しましょう。
普段の食事の時は、早めに歯磨きをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことが大切です。

食後の歯磨きのタイミングと、就寝時の歯磨きについて。

食後に歯磨きを欠かさないのは今も昔も常識です。一方でそのタイミングはどうでしょうか。「食べたらすぐ磨かないとだめだ」と教えられた人がほとんどではないでしょうか。

ある大学の先生は「食べた後にすぐに慌てて磨く必要はありません。一休みした後、食後30分以内に磨くのが良いでしょう」と話す。その鍵になるのは唾液です。

唾液には細菌の繁殖を抑える力があります。食事の際、口を動かすと唾液腺から唾液がどんどん出てきます。食事が終わっても、しばらく唾液が出続けます。しかも、この唾液は歯の表面を元に戻そうとする「再石灰化」を促す役割を持っています。そのため、慌てて歯磨きする必要がないのですね。

でも、注意がいります。唾液が出にくい病気にかかっている人や、年齢を重ねて唾液腺の機能が弱っている人は食事の直後に磨いた方が良いです。また、子供の場合「食べたら磨く」習慣をつけるために食後に歯磨きを促すことは必要です。

特に夜の歯磨きは丁寧に取り組むと歯の健康維持に繋がります。とはいえ、洗面所で冬場に磨くのは寒さに耐えられず適当になりがちです。もしそうであるならば、手鏡を持参してリビングに座ってテレビを見ながらでも良いと思います。そうすれば習慣化しやすいですからね。

歯ブラシ選びのポイントについて。

皆さんは、どんな歯ブラシを使っていますか?ドラッグストアやスーパーのオーラルケアコーナーにはたくさんの歯ブラシが並んで目移りしますよね。

でも、むし歯予防や歯周病予防等の目的に応じた歯ブラシ選びが重要です。選ぶ際のポイントは「毛先の形状」「毛先の硬さ」「ヘッドの大きさ」です。

まずは毛先の形状ですが、目的に応じて選択しましょう。むし歯予防であれば、主な目的は歯の表面に付着した歯垢(プラーク)を落とすことなので、適した毛先はラウンドカット毛です。

歯周病予防に適した毛先は極細毛で、歯と歯茎の間の汚れを落とすことが目的です。毛先の硬さはメーカーによって違いますが、「ふつう」から「やわらかめ」が良いでしょう。「かため」の歯ブラシでゴシゴシ磨くと爽快感が得られるかもしれませんが、歯や歯茎を痛める原因になるので注意が必要です。

ヘッドの大きさは個々の口の大きさや好みによりますが、奥歯までしっかり磨けるよう大きすぎないものを選択しましょう。

歯ブラシを購入される場合は、以上のポイントを考慮して選びましょう。もし歯ブラシ選びに迷ったら歯科医院に足を運び、歯科医師、歯科衛生士に相談しましょうね。

歯の突起が折れると痛いですよ。。。

「中心結節」という一般の人には馴染みの少ないものがあります。全ての人に存在するわけではないのですが。。。

「中心結節」とは、小臼歯(犬歯の後ろ2本の歯)に多く見られる歯の形態異常の一つで、生えたての永久歯の真ん中に尖った突起のことです。この突起は大人になって噛み合わせの関係上、すり減ってくることが多いのですが、まれに何かの拍子で折れてしまうことがあります。実はこの突起の中にも神経が入っているため、突然折れてしまうと神経が出てしまう場合があります。

少しずつすり減るのであれば神経もだんだん退縮するため痛みを感じずに済みますが、折れてしまうと最初はしみる程度でも、だんだん症状が強くなって痛みが生じたり、場合によっては歯の根の成長が止まることがあります。

また、感染すると根の先に膿の袋を持ってしまうこともあるのですね。この場合、一見なんともないように見える歯が痛んだり腫れるので判断が難しいですが、レントゲン写真を撮ると根の先に黒い影が写ったりします

一度、膿んでしまうと治療に時間もかかりますが、定期的に歯科医院に受診していれば、突然折れないように少しずつ調整していくこともできます。この中心結節は左右対称に存在することが多いので、一度でもそのようなことがあった方や、そのような心当たりのある方は、かかりつけの歯医者さんで見ていただくことをお勧めします。

全身の健康管理と歯周病予防には、歯磨きと唾液が必要です。

口の中の健康と長寿は、密接に繋がっているようです。ある大学教授は、「健康を保つために、唾液が重要な役割を果たしている」と言います。

口の中の健康の大敵は「歯周病」です。歯周病は45歳以上の成人の歯を失う原因の第1位です。

歯周組織の総面積は手のひらと同じ大きさと言われていますから、歯周病があるとかなり広い範囲の炎症を起こしていることになります。この炎症のある歯周組織には細菌がたくさん住み着いて、それらが体に悪影響を及ぼします。

例えば、高齢者の死因ともなっている誤嚥性肺炎。
食べ物が誤って器官から肺に入ってしまい、口の中の細菌により引き起こされる肺炎です。
それ以外にも、動脈硬化を進めたり血糖値のコントロールを困難にします。

そうならないためには、どうしたらいいでしょうか?

まずは、当然ですが「歯磨き」です。1日3回食後に磨くことが理想ですが、難しければ3回のうち1回、寝る前だけでも入念に磨くことが大切です。この時、くまなく磨くのならば最低5分はかかります。そして、歯間ブラシやデンタルフロスを併用しましょう。歯ブラシでのブラッシングのイメージは1歯ずつ磨いていく感覚です。そして歯茎のマッサージ効果も得られるように、歯と歯茎の境目は優しく入念に行いましょう。

さらに3ヶ月に1回の定期健診で歯石を取ってもらえば、ある程度歯周病は予防できます。そして、もう一つ大切なことは「唾液がしっかり出る」ようにすることです。

このように、全身の健康を守るために唾液の存在は本当に重要です。もし、唾液の量が最近減ってきたなと感じられる方は要注意ですね。ドライマウス(口腔乾燥症)かもしれません。

ドライマウスの原因としては、目や口の中が乾くシェーグレン症候群だったりすることもあります。その他の原因は、心因的なストレスや糖尿病、腎不全などもあります。また、飲まれている薬の副作用の可能性や、噛むための筋力の低下なども考えられます。もし口の中の乾きが気になる方は、かかりつけの歯科医院でご相談を。

中高年のむし歯と唾液の関係について。

厚労省の「平成28年歯科疾患実態調査」によると、歯を失う人の割合は30歳以降5歳ごとに10%アップするが、50歳以降からはその割合が20%と大きくなるショッキングな報告がされています。
一方、むし歯治療をした人の中で、両側2本の歯を支柱にして欠損した歯の代わりにクラウンを被せるブリッジ処置をした人の割合は45~49歳で4.8%。
50~54歳ではそれが跳ね上がり、55~59歳で12%、60~64歳で13.9%、65~69歳で15.9%と増えていきます。

これらの数字から、歯を失う転機が「50歳」であることが解ります。それはなぜか?

これは、歯茎が痩せてエナメル質より軟らかい歯根部が露出することと、過去に詰め物などの治療した歯の内部にむし歯が広がることがいわれています。

また、唾液の量と質の変化も関係しています。唾液は、50代から目立って変わっていき、口腔内がむし歯菌の活動しやすい環境に成りえるのですね。唾液といっても、その性質は3種類あります。

サラサラ系ネバネバ系、その両方を合わせた混合系です。健康な人は、この3種類がバランス良く分泌されているのです。

その割合は、安静時と食事時では変化するのが知られています。若く健康な方なら、安静時では耳下腺組織からのサラサラ系が20%、混合系の唾液が顎下線から75%、ネバネバ系の唾液が5%分泌されています。でも、食べ物を咀嚼したりすると耳下腺からのサラサラ系が増えて50%を占めます。

ところが、歳を取ると安静時・食事時に関わらず、サラサラ系の耳下腺組織は活動が低下するため、口腔内全体に粘り気のある唾液が増えてくるのです。サラサラ系の唾液が減り、粘り気のある唾液が増えると、口腔内のむし歯菌が糖分を分解して、産出する酸を中和する力が弱くなります。

その結果、むし歯菌が繁殖してしまうのですね。このような生理的な変化に対応するためにも、中高年の方は歯科医院で定期健診をしっかり受け、むし歯のチェックをお勧めします。

強い歯を作るために、バランスの良い食事をしましょう!

強い歯を作るには、普段の食生活で充分に栄養バランスの取れた食事を取ることが大切です。人間の歯や骨は体の中で最も硬い組織で、少量のタンパク質と多くのカルシウムやリンなどのミネラル成分でできています。これらの成分は強くて丈夫な歯を作るために欠かせない栄養素です。ミネラル成分を多く含んだ食べ物は小魚類やレバー、海藻類、牛乳、卵、大豆、野菜、果物などがあります。意識して摂るようにしましょう。

また、最近は軟らかい食べ物を好む傾向がありますが、よく噛んで食べることも健康で丈夫な歯を作る上で欠かせないポイントです。よく噛むと、唾液がたくさん出てきて消化吸収を良くする働きをするほか、唾液にはカルシウムやリンが飽和状態で含まれているので、歯のエナメル質から溶け出したカルシウムやリンを補う力があります(これを再石灰化といいます)。

成長期は、硬い食べ物をよく噛むと美しい歯並びを形作るのに役立ちます。さらに、唾液には糖尿病、動脈硬化、がん予防に繋がる成分が含まれています。強い歯で噛むには、むし歯予防、歯周病予防を最初に行うことが大切です。お口のことで気になることがありましたら、歯科医院で定期健診を受けることをお勧めします。

噛む力や飲み込む力を保つための体操を知っていますか?

最近、食べこぼしやむせることが多くなった気はしませんか?

加齢とともにお口の機能が衰える「オーラルフレイル」の兆候を早めに発見し、対処することが大切です。「フレイル」とは「虚弱」を意味する英語が語源で、高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態を指します。「オーラルフレイル」は口の機能の衰えが、食欲の低下や栄養の悪化に繋がるという概念で、近年注目されています。

口の健康を維持するためには、歯の本数だけでなく、噛む力や飲み込む力、舌の力を保つことが重要です。硬いものが噛めないと軟らかいものばかりに偏り、噛む力が低下する悪循環に陥ります。
例えば、さきイカや沢庵などの硬いものが噛めない場合、噛む力や筋力が弱まっている可能性があります。お茶や汁物でむせることがあれば、飲み込む力も低下している可能性があります。

これらの症状を予防するには以下に示す体操が有効です。それは、「パタカラ体操」

「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ、パタカラ」と大きな声で繰り返すものです。パは唇、タは舌の先を使うといったように、口の周囲の筋力向上が期待できます。

どこでも、いつでもできる簡便な方法としてやっていただくと効果があります。最近、噛む力や飲み込む力が弱ってきたなぁと思われる方は、是非やってみましょう。

高齢者は歯がたくさん残っていたとしても、安心しないで下さい。

高齢者の歯の噛み合わせが良くなかったり、噛む力や飲み込む力が弱ってきたりすると、要介護状態になるリスクが高まります。ある歯科大学の教授は「歯がたくさん残っていても、安心は禁物です」と警笛を鳴らしています。

日本老年歯科医学会によると、1.口腔内の細菌数 2.口腔内の乾燥度 3.咬合力 4.舌や唇の運動機能 5.舌による圧力 6.食べ物をかみ砕く力 7.飲み込む力 のうち3項目に問題があれば「口腔機能低下症」に当たるとされています。
70歳を超えると、舌や唇の運動機能が低下し、自分の歯が残っていてもしっかり噛めない、飲み込みにくい状態になりやすいです。

咀嚼・嚥下機能の低下は脳卒中などの発症と関係している事も分かっています。咬合力が弱まると、噛みごたえのある肉や繊維質の多い野菜などが食べづらくなり、動物性タンパク質やビタミン類などの不足による栄養の偏りは虚弱や脳卒中、心筋梗塞のリスクを上昇させます。

咬合力には歯だけでなく筋力も関係します。この咬合力が弱い人は、歩行速度や全身の筋力低下が見られます。

また、口腔内の清潔さを保つために適度な量の唾液の成分が必要です。唾液の量が不充分だと口腔内の自浄作用が損なわれ、細菌数が増えて誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。

口腔内の衛生は歯科で指導を受けて実践できれば改善しますし、入れ歯の調整などで噛み合わせも改善できます。自分の歯を大切にすることはもちろんですが、噛む力や飲み込む力が維持できているかを常に意識することが大切です。気になる方は、かかりつけの歯科医院で相談しましょう。

デンタルユニットから出る水について…

皆さんは、歯医者さんの水はきれいなのが当たり前と思っていませんか?

残念ながら、多くの歯科医院の水は清潔とは言えないのが現状だそうです。
歯科医院の治療水は、水道からデンタルユニット内を経由して患者さんの口の中へ入るようになります。問題なのはそのデンタルユニット内部の状況です。水道法は細菌の数は「1CCに100個以下」と厳格に定められていますが、ある歯科医院では7万個弱の細菌が存在していたそうです。

この問題は週刊誌やテレビで取り沙汰されるようになり、日本歯科医師会も認めている事実なのです。汚染された水を口に入れることはもちろん、口の中の傷口にもこの水を使用する点に大きな問題があります。これだと例えば抜歯をした際に、患部が異常な痛みで腫れたり、熱が出ることはある意味当たり前かもしれません。

また、歯の治療はどうしても水が飛散します。場合によっては、この水が目に入ったりして飛沫感染を起こす可能性もあるのですね…

そもそも、歯科治療は外科処置をする事が多いものです。歯を抜いたり、神経を取ったり、歯周ポケットを掻爬したりと出血を伴う処置は本当に多いです。そうなるとデンタルユニットから出る水は1個でも存在してほしくないですよね。

そんな現状を改善しようと2012年に設立されたのがPOIC研究会です。主に細菌感染や飛沫感染を防ぎ、POICウオーターによる細菌の塊が出すバイオフィルム除去に関する研究を行っています。
そのPOIC研究会が推奨するエピオス社のエコシステムを当院でもこの6月から導入しました。そのエコシステムから生成される水は細菌数は0です。しかも、残留塩素濃度を常に10~20ppmに保つため、高い消毒力を有しています。当院は、この消毒水を使って日々の全ての診療に当たっています。

これからは、水のことも考えて感染予防に徹する歯科医院が増えてくると思います。でも、もっと多くの歯科医院がこの事実に気づいてくれることを望んでいますし、それが国民のためになると信じています。

「あいうべ体操」をやってみましょう

私たちが特に気にせずやっている呼吸には「口呼吸」と「鼻呼吸」があります。
口呼吸をすると、口内が乾燥し乾いた冷たい空気が細菌やウイルスがほこりなどの異物と一緒に直接肺に入ることで、病気にかかりやすくなります。また、唾液が乾くことはむし歯や歯周病、口臭などの原因となりえます。長時間口を開けていることで、口周りの筋肉の力が低下し歯並びも悪くなりやすいです。

鼻呼吸を行うと、吸った空気に含まれる異物を線毛や粘液でろ過します。さらに扁桃リンパ組織が異物を防ぎ、鼻腔で温められ加湿された空気が入ることで風邪を引きにくくなります。

口呼吸の予防と鼻呼吸の促進のために、福岡市のある先生が開発した「あいうべ体操」というものがあります。
「あー」口を大きく開く、「いー」口を横に広げる、「うー」口を前に突き出す、「べー」舌を出して下に伸ばす。この4つの動作を順に繰り返します。これを1セットとし、1日30セット毎日続けましょう。

これにより舌や口周りの筋肉が鍛えられ、舌が口蓋に付くようになって口が開きにくくなるので鼻呼吸が促されます。さらに、いびきの改善も見込まれますし、高齢者は飲み込みが良くなり誤嚥が減ります。

顎関節症で、口が大きく開けにくい場合は「いー」「うー」のみを繰り返してみましょう。この「あいうべ体操」慣れるまでは無理をせずに、2,3度に分けてやってみて下さいね。

歯周病が及ぼす全身への影響について

歯茎から出血があったり、歯がグラつく、口臭があるなどが歯周病の症状です。
しかし、どのくらい歯周病が進行しているか把握している人は少ないです。初期症状は気づきにくく、わかっていても軽く考えてしまい、自覚症状が出て歯科を受診した時はかなり進行しているケースを多く見かけます。また、全身の健康に与える影響が大きいことがわかってきました。

歯周病などの口腔内疾患が全身に及ぼす影響は、誤嚥性肺炎、糖尿病、心内膜炎、動脈疾患、早産・低体重児出産などです。
一般的に歯周病を含む生活習慣病は慢性疾患であり、健康寿命を縮める最大の原因といわれています。悪い食生活、飲み過ぎ、運動不足、喫煙、口腔清掃不良などの問題のある生活習慣が長く続くと、がん、虚血性肺疾患、脳卒中、肺炎などの寿命を縮める重病にかかりやすくなります。

歯周病を初めとする歯科疾患は、適切な予防により進行を抑え、病状の改善が可能です。最も良い予防方法は、まずかかりつけの歯科医院を受診してみることです。そこで、精密な検査と専門家による予防処置を受け、セルフケアの方法を学び、日常生活のアドバイスを受けることにより、あなたのお口の健康度は飛躍的に高まります。

日本の平均寿命は延びましたが、次の課題は健康寿命を延ばし平均寿命に近づけることだといわれています。歯とお口の健康を保つことで高齢者や介護を受けている方の食生活や日常の活動が充実し、自立が維持され、併せて健康寿命も延びていくと予想します。

噛む力の低下は、衰えのサインです

最近、歯科を中心とした医療現場で「オーラルフレイル」という考え方が注目されています。フレイルは「虚弱」を表す英語に由来し、健康と要介護状態の中間地点を意味します。これは加齢などの影響で口の機能が衰えると噛みにくいと感じるので、肉や野菜などの硬いものを避け、パンやうどんなどの柔らかい食べ物を選びがちになり栄養が偏る。。。

ここで対策を取らないと、噛む力がどんどん落ちて食べられるものが益々減り、食欲や体力が低下し低栄養や筋力の低下、ひいては要介護状態になる。口の衰えが要介護状態の始まり。いわば「人は口から老いる」考え方です。

これを示す研究結果もあり、オーラルフレイルの概念を提唱した東京大学教授らが、約2千人の高齢者を約4年間追跡するとオーラルフレイルの人は死亡や要介護状態になるリスクが約2倍高かったそうです。

4年の短い期間でもこれだけの差が出る食の問題は本当に重要だと思います。歯を失うことで噛めない食品が増えたり滑舌が悪くなるなど、一つ一つはそれほど問題視されないことの積み重ねが後で本人の健康に重要なダメージに繋がるのですね。健康な歯をしっかり残し、よく噛める状態にしておくためにも歯科医院でしっかり予防に励みましょうね。

金属アレルギーって知っていますか?

食品や花粉、ハウスダスト、薬などがアレルギー反応を起こすことはよく知られています。これらは多くの場合、体内に入ったアレルゲンが血液中のアルブミンと結合し、異種タンパクとなって反応を起こすものです。

金属そのものがアレルギーを起こすことはないですが、溶液中の金属から電子が抜け出して金属イオンが生じ、多数結合して本来身体が持っていない異種の表皮タンパクができることがあります。これが表皮の免疫細胞やTリンパ球に異物と認識されると、強い拒絶反応として口内炎、舌炎、口腔扁平苔癬などになります。

一過性に生じたものはステロイド等で治りますが、絶えずアレルギーを生じるような状況下では治りません。そこに対症療法の限界があり、原因を見つけて根治する必要が出てきます。金属の詰め物や被せ物を入れて、すぐに起こる口内炎や舌炎は金属アレルギーの可能性があります。

金属にもアレルギーを起こしやすいものと、そうでないものがあります。ニッケルや、コバルトクロム、水銀、パラジウムなど保険診療に多用される金属は皮肉にも起こしやすいですが、チタンや鉄、金、銀、アルミニウム等は起こしにくいです。

金属アレルギーが疑われる場合は、口腔外科や皮膚科などでパッチテストといわれる検査用の絆創膏で調べてもらいましょう。もし、金属アレルギーと診断されたら、アレルゲンとなる金属を取り除かないといけません。気になる方は、安心して歯科治療を受けるためにかかりつけの歯科医院に相談しましょう。

食後の歯磨きと、生活習慣病の関係性について

ちょっと古い文献ですが、2010年に英国医師会誌に掲載された論文で「歯磨きの頻度と心臓病」というものがあります。これによると、歯磨き頻度が1日2回の人と比べて、1日1回未満の人では心臓病の発作リスクが1.7倍多いことが示されていました(ただし、この研究は海外の人を対象にしたもので、日本人にそのまま当てはまるものではありません)。

そんな中、3年前になりますが、日本心臓病学会誌電子版に日本人における歯磨きの頻度と、糖尿病や高血圧などの生活習慣病との関連を検討した論文が掲載されました。30~85歳の1万3,070人を対象にした論文で5年間の追跡調査で歯磨きの頻度と糖尿病、脂質異常(高脂血症)、高血圧、高尿酸血症の発症が検討されました。

その結果、毎食後に歯磨きを実践しない人は、毎食後に歯磨きを実践する人に比べて、男性での糖尿病が1.43倍、女性で脂質異常が1.18倍、統計学的にも有意に高い結果でした。なお、これによると高血圧や高尿酸血症との関連性は認められませんでした。

これは「歯磨きの実践が生活習慣病リスクを減少させるかもしれない」という結果ですが、そもそも歯磨きを毎日行う人は健康意識が高く、歯磨き以外に食事や運動も気をつけている可能性があります。つまり、この結果のみでは因果関係を決定づけることはできません。

でも、食後の歯磨きがむし歯や歯周病の予防のみならず、全身に及ぶ生活習慣病予防にも一役を買ってくれているのは確かなようです。そうであるなら、次はその人に合った正しいブラッシング方法を歯科医院で習得してみましょう。

高齢者のむし歯について

むし歯は子供に多い病気と思っている方は多いと思います。
近年は80歳で20本の歯を残そうという「8020運動」の成果もあり、80歳で20本の歯が残っている方は50%を越えました。一昔前は入れ歯が当たり前だった高齢者に歯があることは、結果的にむし歯のリスクも高まっているのです。

生理的変化や誤ったブラッシングなどの影響で、歯肉に覆われていた歯根が年齢とともに露出します。歯の頭の部分である歯冠は硬いエナメル質という抵抗力のある層で覆われていますが、歯根はエナメル質がなく、それよりも軟らかい象牙質がむき出しになるためむし歯になりやすいのです。長年の咀嚼でエナメル質がすり減り、むし歯になることもあります。

また、むし歯を防ぐ力のある唾液が少なくなることも要因です。これは、老化や飲んでいる薬の影響、糖尿病などで唾液が減ることがあり、歯が唾液で守られなくなります。そうすると詰め物、被せ物やブリッジになった歯のつなぎ目などからむし歯になります。

認知症などでも自分で歯磨きができなくなる場合があり、これが引き金でむし歯が多発することもあります。その結果、大人になってできにくくなっていたむし歯が高齢者で再び増えてくるのです。放置すれば細菌の温床となり誤嚥性肺炎の原因になります。

また、せっかく歯が残っているのにむし歯になり、食事が取りにくくなることもありえます。さらにひどくなれば、抜歯など外科的な処置も体調によっては難しくなります。高齢で歯が一本でも残っている方であれば、日頃の歯科医院での管理予防が大切になります。

口内炎について

口内炎とは、頬の内側、舌、上顎などの口の中の粘膜に起こる炎症の総称です。主に4つのタイプに分類されます。

1. 物理的刺激による口内炎
入れ歯や矯正装置などが口の中に当たって、粘膜が傷つき、細菌に感染して起きるタイプのものです。食事中に誤って頬の内側を噛んで起きるのもこのタイプです。

2. カンジダによる口内炎
真菌のカンジダによる口内炎です。カンジダは常に体の中にいる常在菌で通常は炎症を起こしません。しかし、免疫の働きが低下していたり、口の中が乾燥していると炎症を起こします。

3. アレルギーによる口内炎
歯の詰め物や被せ物、入れ歯の金属によるアレルギー反応で炎症が起こるタイプです。

4. 原因がわかっていない口内炎(アフタ性口内炎)
最も多いのがこのタイプです。上記3つに当てはまらず、ストレスや栄養の偏りなどが原因ではないかとされています。

治療では、原因となるものを除去します。入れ歯や矯正装置が原因の場合は調整を行って、強く当たらないようにします。

カンジダによる口内炎は抗真菌剤が使われます。対症療法を行う場合、カンジダによる口内炎ではステロイドが含まれる薬は反って症状が悪化する場合があるため使えません。

アレルギーによる口内炎は金属アレルギーによることが多いので、アレルギーが起きにくい素材のものに交換します。

原因がわからない口内炎の場合は、患部を保護したり痛みや炎症を和らげる薬を処方する対症療法が行われます。この対症療法には、貼付剤、軟膏、噴霧剤、トローチなどがあります。

《原因がわかれば予防は可能です》
よく口内炎が起きる場合は、原因となっているものを除去して予防します。また、入れ歯はカンジダが繁殖しやすい場所です。繁殖しないように常に清潔にしておきましょう。一見、汚れていないように見える入れ歯でも、実は菌が繁殖している場合があります。

口内炎は通常2週間程度で自然に治ります。なかなか治らないものに関しては、口腔がんを疑ってみることも必要です。口腔がんは、舌や歯茎、顎などにできるがんの総称です。決して多くはありませんが、初期の口腔がんは口内炎と見た目が似ているため、見逃さないようにしましょう。口腔がんの場合は、自然に治ることはない赤い部分と白い部分が混在していて、硬く、デコボコしているなどが特徴です。ずっと治らない口内炎がある場合は、これらの特徴と照らし合わせてみてください。

口内炎が長引く場合や、口腔がんを疑う症状がある場合は、歯科、口腔外科を受診しましょう。

骨粗鬆症の治療などに使われる、ビスホスホネート製剤の副作用注意

骨粗鬆症の治療などに使われるビスホスホネート製剤の副作用に注意が必要です。骨粗鬆症やがんの骨転移の治療に使う「ビスホスホネート製剤」という薬の副作用で顎の骨が壊死してしまう患者さんがいます。
発症は稀ですが、効果の高い薬のため服用する人は多いです。顎骨壊死に抜本的な治療法はなく、むし歯や歯周病の治療などの予防処置が重要になります。

ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ)は下顎や上顎の骨が細菌に感染して腐っていく病気です。乳がんの骨転移や骨粗鬆症の薬として、ビスホスホネート製剤を飲む高齢女性などで、まれに発症することがあります。
壊死が起きると口の中で骨が露出し、痛みが強いため食事できなくなることが多いです。顎の皮膚に穴が開いたことで腐骨が露出することもあるのです。放置により悪化し、脳や肺を覆う胸膜が細菌に感染する「脳膿瘍」や「膿胸」で死亡した例もあります。

骨は通常、古い骨を分解・吸収する「破骨細胞」と新しい骨を作る「骨芽細胞」のバランスで代謝が保たれています。ビスホスホネート製剤は破骨細胞だけに働きかけ、骨を丈夫にする薬です。第1世代から第2、第3世代と薬の改良が進み、乳がんや肺がん、前立腺がんなどの骨転移、骨が脆くなる骨粗鬆症の治療や予防に重宝されています。
ただ、薬の効果が高まり服用する患者さんが増えた半面、副作用として顎骨壊死の発症も多くなってきました。2011~2013年の全国調査では、2年間に4,797例も認められたそうです。

対策として日本骨代謝学会などの6つの学会は昨年、顎骨壊死の予防策や対応策についてまとめた「ポジションペーパー」を4年ぶりに改訂しました。顎骨壊死は発症の仕組みなど未解明の部分が多いですが、現時点では統一的な見解を公表しました。ペーパーでは対策としてビスホスホネート製剤を服用する前に、歯科を受診することを挙げています。口の中の衛生状態を改善し、抜歯などの歯科治療を投薬開始前の2週間までに終えることが望ましいとしています。既に服用している人でも歯科の受診は重要で、歯磨きなどで口の中を清潔に保ちつつ顎骨壊死などの原因になりうるむし歯があれば治療が必要です。顎骨壊死が既に起きている人の場合、発見が早くなるほど治療の可能性は高まります。できるだけ早く大学病院などで処置をされることをお勧めします。このビスホスホネート製剤関連顎骨壊死は、治療法が根本的に確立されておらず、重症になれば顎骨を切除しても完全に治らず、命に関わることもあるため医師、歯科医師と連携して予防と治療に当たることが大切です。

歯ぎしりしているかもと思ったら、歯科医院へ

就寝時の歯ぎしりは子供から高齢者まで多くの人がしているといわれています。原因はストレスや精神疾患の治療薬の副作用、噛み合わせが悪いことなどが考えられています。しかし、はっきりしたことは解明されていません。

歯ぎしりは歯や顎に強い力がかかり、体にも悪影響を与える場合があります。歯がすり減ってむし歯のような痛みが生じたり、歯を支える骨が痩せて歯周病が悪化したり、歯そのものを割ってしまい治療が必要なケースもあります。

どのような場合に治療が必要かというと、舌で触れると歯がすり減っていると感じられる方や頬の筋肉がだるいと自覚する方、しょっちゅう詰め物や被せ物が外れる方、知覚過敏症で歯がしみる方は要注意です。また、歯ぎしりが肩こりや頭痛の原因になることがあり、こうした症状がある人も受診を考えた方がいいといえます。

睡眠の質が悪いと歯ぎしりが多いといわれ、日中に眠くなるのならば睡眠障害を合併している可能性があります。歯ぎしりは本当に全身に悪い影響を及ぼします。

治療法としては、マウスピース(ナイトガード)といわれる医療器具を使います。患者の歯並びに合わせて作り、寝る時に着けるとプラスチック製の器具が歯のすり減りを防ぎます。

器具には、上下の歯がバランスよく接するように矯正する機能もあるため、一定の期間が経つと器具を着けなくても歯ぎしりをしなくなる効果が見込めるかもしれません。また、歯ぎしりが原因で頬の筋肉がだるい場合は、指で優しく揉むマッサージが有効です。温かいと筋肉がほぐれやすいのでお風呂の中でマッサージするのもお勧めです。

歯ぎしりというとギリギリ音が出ることを想像しますが、音がしないタイプの「喰いしばり」もあります。歯ぎしりは単に周りの人がうるさいだけでなく、本人の体に大きな負担が掛かっています。治療は保険診療が適用されるので、まずは歯科医院でご相談ください。

歯がしみるのは知覚過敏かもしれません。

特にむし歯があるわけでなく、歯がしみることはありませんか?それは、もしかしたら知覚過敏かもしれませんね。
知覚過敏の主な原因は、ブラッシング時の強い圧力や酸性食品の摂りすぎ、歯ぎしりや噛み合わせの悪さで歯の表面を覆っているエナメル質が削られて内層の象牙質が露出し、象牙質組織内部の象牙細管を介して歯の神経に刺激が加わるためにピリッとした鋭い痛みが短時間に起こるものです。このピリッとした感じが持続しないのが特徴でもあります。
また、不良補綴物が入っていたり、歯周病による歯茎の後退のために歯根部が露出することで知覚過敏を起こしやすい状況になります。

歯ぎしりというとギリギリ音が出ることを想像しますが、音がしないタイプの「喰いしばり」もあります。歯ぎしりは単に周りの人がうるさいというだけでなく、本人の体にも大きな負担が掛かっています。この知覚過敏の対策と治療法は
1. 歯磨きを工夫
軽度の場合は、知覚過敏用の歯磨き剤と正しいブラッシングで症状が改善することがあります。

2. 歯がしみる部分にレーザーを照射して刺激が神経に伝わらないようにし、同時に歯の表面が硬くなり症状が治まることがあります。

3. セメントなどで埋める
歯の根元がくさび状にえぐれた場合は、その部分をセメントやコンポジットレジン(プラスチック)で埋めて治療します。

4. 知覚過敏用薬剤の塗布
知覚過敏用のお薬をしみる部位に塗って症状の改善を図ります。

なかなか症状の改善が難しいため、上記のやり方を組み合わせて治療に当たることもあります。この知覚過敏の症状がひどくなると神経の処置をやることもあるのです。気になる方は歯科医院でご相談ください。

噛む力が低下すると老け顔になります

噛む力の低下は顔のしわやたるみになって表れる事を、皆さんはご存知でしょうか?
表情を作る顔の筋肉が衰えて両頬が下がる、いわゆる老け顔になると噛む力も衰えているはずです。また、首のしわは飲み込む力が低下しているサインです。
噛んで飲み込む行為には首筋や胸、背中にある12種類の筋肉が使われ、その中でもこめかみ部分にある側頭筋や頬部にある咬筋が噛む行為の中心です。側頭筋と咬筋は「頭の位置」を決める筋肉でもあるため、歯が抜けて噛めなくなると立ったとき体が揺れてしまい、正しい姿勢で立ったり歩くことが困難になります。
噛む行為を増やして顔の筋肉を鍛えれば顔のたるみやしわが改善して顔が若返ります。また、意識して口角を上げて笑う事も顔の筋肉(表情筋)を鍛えられますので、筋トレのつもりで口角を上げて笑ってみましょうね。一日中、不機嫌で無表情でいると、顔が老化してしまいますよ。

むし歯予防に効果のあるキシリトール・リカルデント・フッ素

むし歯予防に効果のあるキシリトール、リカルデント、フッ素はそれぞれ異なった作用があります。まず代用甘味料として知られるキシリトールは、甘くても糖分ではないため、口の中に入ってもむし歯菌は糖を食べて酸を出す働きができません。そして、キシリトールを食べていると、栄養摂取ができないむし歯菌を弱らせる効果があるため、口の中のネバネバが減って歯垢が付きにくくなります。市販のガム等にもよく使われていますが、噛むことで唾液がたくさん分泌されるので再石灰化促進の効果が期待できます。

次にリカルデントは、歯の再石灰化を促進させる働きがあります。酸に溶かされた歯の表面に、唾液中に含まれるカルシウムを取り戻しやすくする働きがあります。溶けてしまった歯の修復を補助します。

フッ素は、歯を強くして酸に溶かされにくくする効果があります。フッ素を塗布することで歯質が弱くむし歯になりやすいお子さんの歯を酸から守ってくれます。

何でもこれさえしておけば良いというものではないです。人それぞれむし歯の原因や必要な対策が違いますので、その人に合った方法を時期や状況に合わせて使い分けましょう。

洗口液って、本当に効くの?

薬局やスーパーでよく目にする洗口液。その効能には「歯肉からの出血」や「歯肉の腫れ」「口臭」とよく書いてあります。いかにも歯周病に有効なようなことが。。。
では、本当にそうなのかというと、なんとも言えない部分があります。「歯周病予防」と謳っているものであれば、ある程度期待してしまいますよね。

歯根面に付着した細菌の塊(プラーク)はバイオフィルムで覆われています。このバイオフィルムは歯の表面や、歯周ポケットの内部に形成され、細菌を守るバリアの働きをしています。このバリアを取り除くには、まず器械的にこすらなければ取れません。洗口剤はあくまで歯肉の上で効果を発揮するもので、歯周病を治すまでの効果はないといえます。ですから、歯磨きをしっかりしたうえで使用するのであればその薬効成分が行き渡るので効果があると思います。

いずれにしても、現状では洗口液だけに頼る口腔ケアは間違いだと思います。食後はしっかり歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシを使って歯磨きをし、併せて洗口液を使うのがよいですね。

でも歯周ポケット内の細菌の塊は歯ブラシでは届きませんから、歯科医院での定期健診とクリーニングも重要ですよ。

スポーツマウスガードのすすめ

近年、スポーツ愛好家の間でマウスガードが普及しつつあります。まだ、耳慣れない方がいるかもしれませんが、ボクシングや空手の選手が試合の際に口の中に入れているマウスピースの事をいいます。

スポーツマウスガードの効用は、口腔内の歯牙や歯肉などの歯周組織を外力から守るのが主目的です。ある報告では、中高生のスポーツ時の外傷で75%以上が首から上の頭部にあり、その中で口腔内の障害が多く見られます。スポーツ時の外傷予防に使用するマウスピースをスポーツマウスガードといい、歯ぎしり用のナイトガードや顎関節症治療用のマウスピースとは明確に区分されています。

以前は、格闘技の選手が装着するものという感じがありましたが、最近はアメリカンフットボール、アイスホッケー、ラグビー、バスケットボール、サッカー、野球、ゴルフ等の選手にも幅広く普及しています。このスポーツマウスガードは、スポーツ店で購入できますが、これは材料を温湯で軟化し、それを口腔内に入れて口を動かし、自らの口腔周囲の筋肉を動かして併せるものです。でも、これは簡便ですが素材の厚さが一定でなく適合が良くないです。

その点、歯科医院で製作したものは口腔内の型を取り、模型を起こしてEVAシートという弾力のある材料を軟化・成形して製作します。一層、もしくは複数のシートを使用して一定の厚みで製作できます。さらに、競技の特殊性を考慮して、危険な部位を保護するために意図的に厚くすることもできます。また、福利効果としてケガに対する安心感からか、思い切り競技に集中してできるため、パフォーマンス力が上がり、筋力の向上も期待されています。その効果を充分発揮するためにも、スポーツマウスガード購入の際はスポーツ歯学に精通した歯科医院で、適合の良いものを製作してみてはいかがでしょうか。

歯を失うことで体にも影響があります!

認知症リスクがアップ

歯の減少が脳の働きに影響し、残存歯が少ない人ほど脳の働きが悪くなりやすいです。噛み合わせや咀嚼能率の良い人と比べると、アルツハイマーや認知症の発症率は1.5倍とリスクが高くなります。

顔をゆがめるだけでなく、体もゆがめます

長年、片方の歯ばかりで噛んでいると、使っている方(噛み癖のある方)だけすり減るので、上下左右のバランスが崩れ、噛み合わせが悪くなります。また、咀嚼筋にも同様の事が起こり、使っていない方の筋肉が衰えます。それは顔の表情にも影響し片方だけにたるみや口角が上がらなくなる、シワやほうれい線ができやすくなるなど顔のゆがみに繋がります。さらには、体幹のバランスを崩し、首や肩の痛みやコリ、頭痛などの原因や腰痛、関節痛なども起こします。顎関節に影響し、顎関節症(口が開けにくい、顎の痛み)になることもあります。

高血圧の予防にも噛み合わせは大切

高血圧の主な原因は塩分過多、動脈硬化、ストレス、過労、肥満などです。50代以上はおおよそ半数以上の人が高血圧の疑いがあるデータがありますが、その原因が歯とも関係があるようです。歯は食べ物を噛むためだけで全身に影響を与えることはないだろうと思われがちですが、噛み合わせを矯正したところ血圧が安定した方がいます。高血圧予防には歯の健康を考えることも必要といえそうです。

歯茎の健康と全身の健康について

全身が健康であることも歯茎の健康に大切な事です。歯茎の抵抗力が落ちると歯周病になりやすいからです。歯茎は年齢とともにだんだん弱まりますし、もともと遺伝的に歯茎が弱い場合もあります。でも、生活習慣が一番大切です。寝不足や偏った食生活、運動不足やストレスなどに注意しましょう。体が健康な時、菌の病原性と我々の歯茎の抵抗力のバランスはとれています。体調を崩すと歯周病菌の病原性が高まります。

実は、歯周病菌がうつるのは18歳以降です。理由は解りませんが子供の口には歯周病菌はいないとされています。ただ何らかの理由で18歳以降に歯周病菌がうつっても、実際に歯周病が発症するのは中年以降です。

感染してから歯周病が発症するまでの間はいわゆる未病の状態です。年齢を重ねて歯磨きをすると歯茎から血が出ることがあります。そんな人は歯医者さんに行ってクリーニングしましょう。出血が止まり、ある程度健康な状態になります。

歯周病は全身の健康に影響を及ぼします。歯周病菌は口の中で出血しているところから血管の中に入り、血流に乗って全身に渡ります。今では、アルツハイマー病や心臓病、糖尿病、がん、骨粗鬆症、関節リウマチなどの病気に関係することが解ってきました。従って3ヶ月に1回は歯科で定期的なクリーニングがお勧めです。

歯周病はサイレントディズィーズ(静かなる病気)と呼ばれています。自覚症状が乏しいので気付かぬうちに進行します。そのため、未病の状態でのケアが一番大切です。歯科にかかるとともに、歯ブラシ、歯磨き粉、歯間ブラシ、デンタルフロスも使いましょう。歯磨きで大切なのは、小刻みに歯をこすって歯と歯の間に毛先を入れることです。コツは歯科医院でブラッシング指導の際に聞いていただくことをお勧めします。

歯を抜いたら、入れ歯かブリッジもしくは、インプラント

皆さんは、もしも歯を一本抜かなければならなくなった場合、残された歯を守るためには、どのような治療があるか考えたことはありますか?

抜歯後の治療法は3つあります。
保険適用で患者さんの負担額が少ないのは、抜歯した両隣の歯を削って土台にし、橋を架けるようにつなげる「ブリッジ」と義歯である「部分入れ歯」です。

「インプラント」は自由診療でしかできず、数10万円と高額であることと、顎の骨に人工歯根を埋め込む外科的処置と、その上に人工の歯を取り付ける処置が特徴です。そのため、少数歯欠損の場合インプラントをファーストチョイスで行う医院も多いです。しかし、施術後のトラブルが重篤であることが少なくありません。

保険適用が認められるブリッジと部分入れ歯を比較すると、ブリッジは両隣の歯をかなり削らなければいけないのが欠点です。削ることで知覚過敏が起きやすく、場合によっては歯の神経を取る場合があります。一方で部分入れ歯の場合ほぼ削る処置はなく、両隣の歯を痛めることはないです。

しかしながら、ブリッジは接着剤で固定するため、着け心地は良く普通の歯と同じように噛めるのがメリットです。入れ歯のように外す必要がないため手入れは楽です。ただ通常の被せ物と同じように、中で菌が増殖していても目に見えず解りにくいのが難点です。

入れ歯は、装着時に多少の違和感があるのが難点です。毎日外して掃除をするのも手間がかかることだと思います。しかし見方を変えれば、清潔を保ちやすいという事でもあります。

入れ歯とブリッジには、保険適用の材質と適用外の材質があるのですが、着け心地や傷みやすさ、審美性から考えると保険適用外のものの方が優れていることが多いです。

このようなケースであるならば、いずれにしても歯の欠損をそのままにせず歯医者さんの説明をよく聞いて、何らかの処置を選択されることをお勧めします。

歯周病と糖尿病との因果関係

我が国は食生活が豊かになり、糖尿病が毎年増加傾向にあります。糖尿病にかかると、体がだるいだけでなく、網膜症や腎臓病などの全身疾患に悩まされることになります。また、体の中の悪玉微生物と戦う機能が極端に低下するため、歯周病菌にも充分に抵抗できずお口の中での増殖を簡単に許してしまいます。そのため歯周病はどんどん悪くなり「糖尿病による歯周病」の状態に陥ってしまうのです。

そして、最近になって歯周病と糖尿病との因果関係が解明されてきました。歯周病が糖尿病そのものを引き起こすわけではありませんが、歯周病を治療せずそのまま放置しておくと、口の中に生じる炎症や感染の持続によって、脂肪組織や骨格筋の細胞の糖の代謝機能を妨げ、インスリンに対する抵抗性が高まってしまい、インスリンを作用しにくくしてしまうのです。
(インスリンは血糖中の濃度を下げるホルモンで、きちんと作用しないと血液中の血糖値のコントロールが困難になり、血糖値が上がって糖尿病は悪化し、同時に病原菌感染を抑える創傷治癒能力まで低下します)

これらのことから、糖尿病のコントロールをきちんとするためには歯周病をしっかり治すことが重要で、また歯周病の予防や進行を防ぐためには糖尿病の治療が大切という事になります。歯周病と糖尿病は意外に密接な関係なのです。

顎の調子が悪いなと思ったら、顎関節症を疑いましょう

顎がカクカクする顎が口を開けると痛い何か違和感がある首や肩のコリ耳が痛い気がする等…。これらの特徴は、もしかして顎関節症かもしれませんね。頭痛や腰痛の原因がさまざまなように、顎関節症の原因もさまざまです。

例えば、
1. 顎の使い方が悪かったりむし歯や歯周病によって、左右の奥歯でしっかり噛めない
2. 歯並びや上下の歯の噛み合わせが悪い
3. 歯ぎしりや硬いものばかり食べることによる筋肉疲労
4. 生まれつき関節の形に問題がある
5. 事故や打撲
また、ストレスや体の不調和が関係していることもあります。

治療法は原因によって異なるので、精密検査が必要です。噛み合わせの調整や、スプリント(マウスピース)を使用する、薬物投与(鎮痛剤や筋弛緩剤)、理学療法(湿布や電気刺激など)などがあり心身医学的な治療が必要な場合もあります。顎関節症は慢性の疾患ですから、治療は即効的なものはなく治療期間が長引きやすいので焦らず根気よく直すことが重要です。

似たような症状で関節リウマチや耳下腺炎、三叉神経痛など紛らわしい病気があるので自己診断は禁物です。心当たりのある方は、歯医者さんで診てもらうことをお勧めします。

大人のむし歯の特徴

大人には大人のむし歯があります。その筆頭が治療済みの歯に起こるもの。通常のむし歯のように表面から虫食いになるとは限らないので、気づきにくい点が非常にやっかいです。

大人は治療済みの歯に注意!
皆さんは歯科医院で、むし歯を治療してもらった経験はありませんか?

実は大人の場合、むし歯になるリスクが最も高いのが、その治療済みの歯なのです。むし歯は口の中にいるむし歯菌が作る酸が、歯の表面のエナメル質を溶かして起こります。
子供のむし歯の多くは、健康なエナメル質の表面や隣接面に穴が開き色が変わってくるので、よくチェックしていれば比較的簡単に発見できます。

ところが、大人のむし歯は以前のむし歯治療で入れた詰め物や被せ物の脇から少しずつ進むため、口を開けた時に目につきにくい部位から始まり、歯の中へ中へと進みます。これを二次むし歯といいますが、もしそれが神経を抜いている歯であれば、どんなに進行しても痛みはなく、もしそのような歯に痛みが出たときは重度のむし歯になっていることでしょう。しかも、詰め物や被せ物には変化がないので発見されにくいのですね。

むし歯治療に用いられる健康保険が利くプラスチックの詰め物や金属の被せ物は一生ものではありません。どれくらいもつかはその人の口の中の状態や毎日のケアによって違いますが寿命があるのです。ですから、治療した歯を少しでも長くもたせるためにも、周辺は健康な歯以上に丁寧に掃除する必要があるのです。

子供の歯を守りましょう

乳児期は母乳からお母さんの免疫をもらっていますが、離乳期から12歳ぐらいまでは免疫機能が充分に備わっていません。そのため非常にたくさんの細菌の攻撃を受けていることをご存知でしょうか?そういう状況でも、小さい子はありとあらゆるものに興味を持って触ったり口に入れます。

特に離乳期は免疫力が一番低いときです。さまざまな病原体に感染するリスクがありますが、むし歯菌についても同じです。こういう時期に有効なのがフッ素による予防です。歯医者さんでフッ化物を塗ってもらって少しでも歯をむし歯菌から守る必要があります。

それから、乳歯から永久歯に生え変わる時期も気をつける必要があります。よく「乳歯はいずれ生え変わるからむし歯になっても大丈夫」と思っている人がいるようですがとんでもない話です。小さい頃から歯磨きをしたりおやつの時間を決めたり、バランスの取れた食生活をして歯を大事にする習慣がついていなければ、永久歯が生えてからいきなりするようになるわけがありませんからね。

もし乳歯の段階でむし歯が認められたら、早めに治療をするべきです。乳歯から永久歯に生え変わる時に、むし歯菌に感染しないためにはむし歯をきちんと治療して、少しでもむし歯菌を減らすことが重要です。

災害時こそ歯磨きが大切です

東日本大震災や熊本地震では、水が行き渡らない被災地が多く、歯や口の清掃がおろそかになりがちだったそうです。口の中が汚れたままでは、むし歯や口臭などの他、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。

余震が続く地震災害では、不安や慣れない避難生活で緊張状態が続くため唾液が出にくくなります。また、水不足などで歯磨きが難しくなると、口の中の衛生状態が悪くなります。特に高齢者は、口の中が汚れた状態だと免疫力が低下します。そのままにしておくと、誤嚥性肺炎や感染症にかかりやすくなるので注意が必要です。

口の中を清潔に保つには、歯磨きとうがい、保湿が肝心です。研磨剤を含む歯磨き剤は口に残ると乾燥しやすくなります。すすぎうがいが充分できない状況では使わず、歯ブラシを水に濡らして磨きましょう。水をほんの少し口に含むと少ない水でも効果的にすすげます。

タオルや紙も使って下さい!
歯ブラシがない場合は、タオルやティッシュペーパーなどで歯の表面をふき、歯垢を取り除きます。口臭や粘つきが気になる場合は、うがい薬を薄めてぶくぶくうがいをします。入れ歯に関しては、1日1回は外して、濡れたティッシュペーパーで汚れをふき取りましょう。支援物資で届くパンや菓子、ジュースなどは糖分が多く、そのままにしているとむし歯の原因になります。頻繁に口にするのではなく時間を決めて食べる、食べたらうがいをするといった習慣づけも大切です。口の中を清潔にしたら、マスクをして保湿しましょう。

歯の健康寿命を伸ばしましょう!

日本人の平均寿命は男性が80.5歳、女性が86.83歳です。これは年々伸びてきております。しかしながら、歯の寿命は人の年齢にまだ追いついていないようです。最近の調査では、最も平均寿命が長い歯は、下顎の犬歯(糸切り歯)で歯が生えてから約63年です。逆に最も寿命が短い歯は、下顎の第二大臼歯(親知らずの一本前の歯)で約45年です。女性の歯の寿命は男性よりも短い傾向にあります。歯を失う原因の多くは、むし歯や歯周病であり、それらを予防することで歯の寿命を伸ばすことができます。

自宅でのホームケア
口腔清掃…歯ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)、歯間ブラシを組み合わせてより効率的なブラッシングをしましょう。
食生活…プラーク(歯垢)の形成に関わる食べ物(特に砂糖類)の摂取方法、回数、量、時間などに注意しましょう。

歯科医院でのプロフェショナルケア
定期検診…3~6ヶ月に1回は定期検診をお勧めします。
歯石除去、歯面研磨…自分で取れない部分のプラークや歯石を除去します。
早期のむし歯の治療…歯の寿命は確実に長くなります。

定期的に歯科医院で歯の健診、クリーニングに通っている人は歯が痛いときだけ通っている人に比べて2~10倍歯の寿命が長い結果が出ています。是非とも、かかりつけの歯科医院で定期的に健診を受けて歯の健康寿命を伸ばしましょう。

唾液は老化のバロメーター

口臭が気になる、口の中が渇く、歯周病が気になるなど、お口の中の状態が悪くて、思い切り笑えない、食べられない、喋れない経験はありませんか?

こうした悩みを解消し、口の中も体の中も元気にするために役立ててほしいのが、誰もが持っている「唾液」です。唾液には食べ物を分解して吸収しやすい形に変える「消化作用」や傷を早く治す「抗菌作用」、病原菌を寄せ付けない「清浄作用」などがよく知られています。

さらに唾液には、筋肉、内臓、骨などの育成を助ける「パロチン」、脳を活性化して若返らせる「NGF」、皮膚を修復して新陳代謝を促進する「EGF」といったホルモンが含まれ、《唾液がたくさん出る=若返る》といえるのです。

そこで、皆様にこの副作用ゼロの万能薬の「唾液」を増やすために生活習慣で気を付けていただきたいことをご提案します。

食事の際の新習慣
1. お茶や水で食べ物を流し込まない
現在はレストランで食事をするときも、水やお茶が出てきて、水分と一緒に食事をとることが当たり前になっていますね。しかし、かつての日本人はよく噛んで唾液をしっかり出し、唾液と一緒に食べ物を飲み込んでいました。よく噛まずに、水やお茶で流し込む習慣は意識してやめましょう。

2. 食材を工夫して噛む回数を増やす
唾液をしっかり出すためには、口の周りの筋肉が発達していることが大切です。その筋肉を発達させるためには、簡単に飲みこめる状態にならない噛みごたえのある食材です。よって、食材の工夫も大切です。

3. 正しい姿勢で奥歯だけでなく前歯も使って、しっかり食べる
食事中の姿勢が悪い人は前歯を使って食べることがなく、唾液が出にくくなります。食事中は両足をしっかり床につけて、正しい姿勢で食べましょう。

お口のケア新習慣
1. 歯磨きは寝る前と起きた直後に
食後は唾液の力で口の中を中性にし、再石灰化を促すことが大切です。食後に歯磨きをしたら泡と一緒に大事な唾液が口の中から出て行ってしまいます。歯磨きは食後ではなく、寝る前と起きた直後にしましょう。

2. 食後やおやつの後は「舌の運動」を
もし、食後直ぐにブラッシングをしないと気持ち悪く感じられる方は、デンタルフロスや歯間ブラシだけで歯と歯の間を磨きましょう。歯間に詰まった食べカスを取り唾液の通り道ができます。その後、舌で歯や歯茎を舐める「舌の運動」をします。これで唾液の出が促進されます。

これらのことを意識して、皆様も是非やってみてくださいね。万能薬の唾液量を増やすことは体にもお口の健康にも良いことずくめですね。

正しい舌のケアについて

舌の磨きすぎは気をつけましょうね

口の中を清潔に保つことが口臭対策の基本ですが、間違ったケアを続けると逆に口臭を悪化させることがあります。

当院に来られたある50代女性の患者さんは、舌がヒリヒリしても舌を歯ブラシで毎日磨き続けていました。その方は、舌の表面についている白いコケのようなものが口臭の原因と、ある歯科医療関係者から教わったそうです。「全部取らなきゃいけない」という強迫観念にかられて、一生懸命磨いていたようです。

この女性の舌は赤く腫れあがり、表面にヒビが入っていました。明らかに炎症を起こしている状態です。恐らくブラッシングの強い圧力と頻回にやりすぎたため舌を傷つけてしまい、そこに炎症を起こしたため硫化水素ガスが発生し口臭の原因になっていると思われました。

私は「確かに、ある程度舌をお掃除することは口臭予防に必要ですが、健康な舌とはピンク色の基板に全体がうっすら白色になっている状態で、磨きすぎたことで舌が痛んでしまったら本末転倒です。傷が膿んでしまい、そこからガスが発生して口臭の原因になりますよ」と患者さんに説明しました。

舌を磨く際はなでるように優しく、奥から手前、内から外にかき出すようにブラシを動かすことを勧めました。そして毛先の柔らかい舌用ブラシとうがい薬の併用を勧めました。この女性は今までの癖でブラッシングの圧力がなかなか取れず、理解してもらうのに大変でしたが1ヶ月後には良い状態になりましたよ。

むし歯の成り立ちについて

バイオフィルムって知っていますか?

唾液には様々な作用があり、その一つが清浄作用です。歯の表面は常に唾液で覆われており、唾液が歯の表面のエナメル質に触れている限りむし歯になりません。では「唾液もしっかり出ているのに、なぜ私はむし歯になったの?」という疑問がわく人も多いですよね。実は理由があるのです。

むし歯菌が口の中にいると砂糖という「エサ」を得て、唾液をさえぎる膜のようなものを歯の表面に作ってしまいます。これを「バイオフィルム」といいます。このバイオフィルムができてしまうと、歯のエナメル質が唾液に触れられず清浄作用が効かなくなります。そのため、バイオフィルムで覆われた内側は細菌が繁殖しやすい環境になるのですね。

むし歯菌は、このバイオフィルムの中で食べ物などから糖分を吸収して、自分が生きていくためのエネルギーを作り出します。糖は最終的に乳酸や酢酸、エタノールにまで分解されて外に放出します。ところがバイオフィルムが育ってしまうと、できた酸は外に放出されずにバイオフィルムの中に残ります。そして歯のエナメル質を溶かし始めるのです。これがむし歯になるわけですね。この状態がエナメル質を越えて象牙質にまで進行し、歯髄といわれる神経に近い位置にまで及ぶと猛烈な痛みが出てくるのです。

このバイオフィルムは器械的に破壊するのが効果的です。そのためには歯ブラシでの正しい歯磨きはもちろん、定期的なプロフェッショナルケアをしっかり行いましょうね。