歯の豆知識 2020年-りんご歯科医院|新潟市中央区の歯科・歯医者

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歯の豆知識 (2020年)

歯の豆知識 バックナンバー

鼻呼吸のメリットは大きいです

鼻は空気中の異物を取り除く働きを持っています。
まず、鼻毛でほこりなどの侵入を防ぎ、鼻粘膜の繊毛や粘液が細菌やウイルスなどを吸着して感染を防ぎます。また、鼻呼吸は空気の通りが狭く、ゆっくりと吸うことで空気が体温に近い温度に温められます。鼻水によって湿度も高まります。鼻で呼吸することにより、キレイで暖かい空気を取り入れることができるのです。

一方、口で呼吸をすると空気が直接吸い込まれるため、鼻呼吸に比べると異物を除去できません。更に冷たく乾いた空気が気道に入り、免疫が働かずに細菌やウイルスに感染しやすくなります。また口腔内も乾燥しがちになり、唾液の働きが弱まってしまいやすいです。唾液の循環がうまく機能しないと、口腔内に虫歯や歯周病菌が停留しやすい環境になりがちです。

このように口呼吸には様々な弊害があります。口と全身の健康のために鼻呼吸をするように心がけましょうね。もし、鼻に疾患があって鼻呼吸できない場合は耳鼻科などの専門の先生に相談してみましょうね。

若いうちから、お口の健康に気を配りましょう

8020運動をご存知の方も多いとは思います。この運動が始まった1989年の達成率は1割未満でしたが、2016年には半数を超えました。しかしながら、現在も80歳以上の方で歯が1本も残っていない人もいないわけではなく、今も2割程度の人は無歯顎となっています。
では、歯が多く残る人と無歯顎になってしまう人の差はどこにあるのでしょうか。。。遺伝的な要素や口の中の細菌の種類、喫煙習慣など様々な要因がある中で、最大のカギは日頃のお口の手入れです。歯の手入れに無頓着でいると、60歳を過ぎてからツケが回り、急激に歯が減っていきます。後回しにせず、早めに受診していただきたいものです。

ある患者さんで定年を迎え、家族と一緒にいる際に口臭を指摘され、当院に来られた人がいました。診てみるとかなり歯周病が進行しており、数本の歯は抜歯が必要な状態でした。その歯周病が口臭の原因だったようです。その方は抜歯をすることに抵抗感があったようですが、この歯周病が糖尿病や血管疾患への悪影響を与えることを知り、抜歯を決意しました。残念なことではあると思いますが、そのような意味では、治らない歯は抜く必要があります。

是非、このような状態になる前に若い時から、お口の健康には気を配り、歯科医院へ定期健診とクリーニングを受けるようにしましょうね。
それが全身の健康に繋がりますからね。

アルツハイマー型認知症と歯周病の関り。。。

現在は65歳以上の高齢になると二人に一人が認知症を発症すると言われています。その認知症の中で特に多いのがアルツハイマー型認知症です。
米国では、アルツハイマー型認知症を発症した後に、死亡された方の脳標本から歯周病菌として知られているポルフィロモナス・ジンジバリス菌(P.G菌)が9割以上の患者さんから認められたとのことです。
このP.G菌は歯周組織の血管から入り込み全身を行き渡るということが知られています。心臓に行けば心内膜症、心筋梗塞、腎臓に行けば腎症、どこかの血管に固着すれば血管梗塞などを起こすことが言われています。このP.G菌が脳の海馬という知性や学習を司る領域で見つかったのは、本当に最近のことです。

P.G菌はジンジパインという酵素を出して、脳内に存在するアルギニンというアミノ酸を破壊するようです。このアルギニンというものは一酸化炭素(NO)を介して成長ホルモンを分泌促進や免疫力の向上、脂肪代謝等を促す作用があります。これが破壊されることによって、アルツハイマー型認知症が進むと考えられているわけですね。。。

ある内科医からのお話で、このアルツハイマー型認知症を止めるのは患者さんが毎日行う日常の歯磨きと、歯科医院での歯科衛生士が行う歯のクリーニングと歯石除去に掛かっているとのことです。その際に、歯科衛生士は患者さんにはその人に合った正しい歯ブラシの使い方とブラッシング方法を教えてあげて、日常で行ってもらえるようにモチベーションを上げることだと思います。そして定期的にお口の健診とクリーニングを行うことで、アルツハイマー型認知症に対抗できる可能性があると思います。

口腔ケアに誤嚥性肺炎の予防効果があります

体力が低下し、上手く食べ物が飲み込めなくなった人がかかりやすい誤嚥性肺炎。元気で体力がある人は食べ物が器官に入っても、むせたりせきこんだりして排出されますが、高齢者や体力が落ちている人はそれが上手くできず、器官に入り込んだ食物が肺に入り込み、細菌が増殖して誤嚥性肺炎を起こします。

口腔内には常在菌と言って普段は問題を起こさない細菌も含めて多くの細菌が住んでいます。こうした細菌が食べ物と一緒に肺に入り込むと肺炎の原因となります。従って口の中を清潔にしていれば、例え誤嚥をしても肺炎になる可能性は低いです。

そういった意味では、日ごろの口腔ケアや歯周病の治療は誤嚥性肺炎のリスクを減らすうえでも大きな効果があります。
また、喉の機能を衰えさせないことも大切です。毎日、楽しく友人や家族とよくお話をしたり、カラオケするのも良いことですね。誤嚥性肺炎を予防し、より長い人生を楽しめるようにしていきましょう。

糖尿病患者は歯周病を併発しやすいです

歯周病とは歯周組織(歯茎や歯を支える骨)に発生する疾患の総称です。
最近では、その歯周病が全身の健康に悪影響を及ぼすことが問題視され、その一つに糖尿病があります。糖尿病の合併症は、腎症、網膜症、神経障害、大血管障害、細小血管障害などが知られていますが、歯周病も6番目の合併症と言われています。

歯周病を有する糖尿病患者は内科における糖尿病治療と並行して、適切な歯周治療を行うことにより、合併症のリスクを低下させる可能性があります。歯周治療による糖尿病患者のHbAlcの改善効果は最大で1%ほどあるという報告があります。
歯周病は歯科医院で歯周ポケット測定やレントゲン診査で比較的簡単に病状を把握することができます。気になる方は早めの受診をお勧めいたします。

咬み合わせの高さを確保してから前歯の治療ということがあります

よく「前歯が取れたので差し歯を入れてほしい」「前歯が抜けたのでブリッジを入れて見栄えを良くしてほしい」という希望で来院される方がいます。
しかしながら、そのような時にでも中には希望される前歯の治療から始めることができない事があります。
下の前歯が噛み込みすぎているために歯を入れる隙間がなかったり、咬み合わせの高さが低くなりすぎてしまっているため、奥歯を治療して補綴物を装着し咬み合わせの高さを確保してからでないと前歯が作れないことがあります。咬合の高さを確保するためには、臼歯部の安定した咬合接触が必要なのですね。

そもそもこのような状況は、長い間、歯科治療を受けずに放置してしまったために起こることが多いです。歯の不具合を放置すると、小さな虫歯が大きくなり歯が欠けて神経を取らなければならなくなったり、歯が折れて抜歯しなければならないことになるケースも考えられます。実際に抜歯になったとしても、1本や2本奥歯がなくてもいいやと入れ歯やブリッジを入れずに、何年も放置していると前述したことが起こります。そうならないようにできるだけ早期発見・早期治療に努めるよう何らかの症状があったら早めに歯科医院に受診しましょうね。

歯磨きがコロナ予防になります

今年になって新型コロナウイルスの感染拡大が世界で広がり、まさにパンデミックとなる様相を呈しています。過去にもSARSやMERSというものも、パンデミックになるのではないかと恐れられたことがありますね。

実はこれらのウイルスも全て「コロナウイルス」です。
この時のデータから解っていることがあります。それは歯周病菌とコロナウイルスの関係です。

口腔内には歯周病菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスなど)があって、肺炎や心内膜炎、大腸がんなどの原因になると言われています。
咽頭にはコロナウイルスが侵入できる標的細胞があります。この細胞集団は糖タンパクによって守られていて、ウイルスが簡単には侵入できないようになっています。
歯周病原菌などから産生されるプロテアーゼはこの糖タンパクを破壊することもあり、ウイルスの侵入を助けていることが解りました。
もっとも新型コロナウイルスにおいてはデータがないですが、これまでのコロナウイルスと同じように考えられています。

だから歯周病患者さんや口腔内が汚れている人は、その予防をしなければなりません。そのため、歯磨き・舌ブラシによる舌の掃除・うがいのセットが効果的です。うがいは、喉の奥までしっかりいきわたるようにしたいものです。歯磨きは毎食後3分はしましょう。

また3月には歯科医院を感染リスクが高い危険な場所として、メディアに取り上げられたため世界中で歯の治療を躊躇する動きがありましたね。でも、実際は逆です。歯科医院は「必要不急」の場所ですからクリーニングやメンテナンスはしっかりやっていただき、口腔内を清潔に保ちましょう。

近い将来は銀歯が姿を消すかもしれませんね

最近は、口腔内に金属の詰め物や被せ物のいわゆる銀歯がない患者さんが増えたような気がします。特に若い人にその傾向が強いような気がいたします。これは若い人に虫歯が少ないことが起因しているのでしょうね。また、虫歯があっても、小さければコンポジットレジンと呼ばれる白いプラスチックで修復することが多くなりました。 このように、金属を使用しない材料で修復することをメタルフリー治療といいます。メタルフリー治療で行うことにより、審美性の向上のみならず、金属アレルギーの心配がないなどの利点があります。

保険診療で銀歯に使用される金属は主に金銀パラジウム合金といいます。特に、近年ではこの金銀パラジウム合金が高騰し、歯科治療にかかる費用が上昇しており、結果として歯科治療費が増加する要因となっています。
そのため、保険診療でもプラスチックとセラミックで作られる歯の色に近いハイブリッドセラミックと呼ばれる被せ物の適応範囲が拡大されました。
しかしながら、噛む力が強くかかる部位や歯の残存様式によっては、適応外だったりすることもありますが。。。

それにおいても、近い将来は長年歯科修復材料の主役であった銀歯が姿を消すかもしれませんね。

ドライマウスって知っていますか?

唾液が少なく、口の中が乾燥するドライマウスになると、食べづらくなり、食事が楽しくなくなることもあります。また、友人との会話もおっくうになり、家に閉じこもりがちになることも。。。問題は、精神面のみならず全身の健康にも影響します。

唾液には消化作用があり、不足すれば栄養を吸収しにくくなります。唾液が減ることにより、細菌数が増え肺に入れば肺炎を引き起こすこともあります。普段はあまり気にすることもないかと思いますが、唾液の役割は実に多いです。

この唾液が減るのは複数の理由があります。
年齢を重ねると唾液を作る力が衰えるほか、薬の副作用や糖尿病などの影響でも起きることがあります。性差で見ると特に50~70代の女性に多いようです。

口の中を乾燥させないためには、粘り気のある保湿ジェルが有効です。ドラッグストアにも置いてありますね。また、頬や顎をマッサージすると唾液が出やすくなるし、寝る時にマスクをすると、唾液の蒸発を防ぐことができます。

まずは、唾液が出るように日ごろの生活習慣から見直してみることが大切なのです。

多くの人が入れ歯に悩みを抱えています

当然のことですが、歯を失うと食べ物が噛めなくなるなどの、日常生活に支障をきたします。
それを解決するために、入れ歯(義歯)を使うことになるのですが、65歳以上では、4割近くの人が部分入れ歯を使用しているという報告があります。ですが、あるデータではその中の8割に「悩みがある」そうです。
代表的なものとして、「痛み」「外れてしまう」「臭いが気になる」というものでした。

確かに入れ歯が合わないと、痛みや違和感の原因になりますし、話しているだけで外れてしまうというトラブルが起きることがあります。では、患者サイドに立ってピッタリとした入れ歯を作るためにできることは何かあるでしょうか。。。それは、歯科医師側としっかりコミュニケーションを取ることが大切だと思います。患者さんとしては、なかなか歯科医師に遠慮してしまい、言いにくいことがあるようです。もちろん、言い方には気を付けないといけませんが、言うべきことは言った方が良いですね。

その為にも、入れ歯製作段階中から歯科医師と良好なコミュニケーションをとるようにしていくことをお勧めします。

お酒に弱い人は歯周病を注意しましょう

昔からお酒は適量ならば体に良いとされています。

しかしながら、ある研究では、お酒に弱く、すぐ顔が赤くなる人はビールなら600ml、ワインなら330ml以上を毎日飲むと、強く、顔が赤くなりにくい人が同程度を飲むのと比べ歯周病に2倍以上なりやすいという結果が出ました。

これはアセトアルデヒドの毒性によって免疫力が低下し、歯周病になるリスクが高まることにより起こります。お酒に弱い人は、歯の健康を保つためにも適度な飲酒を心掛けましょう。飲みすぎには本当に注意ですね。

顎の関節の負担について

虫歯や歯周病で歯を抜いて、そのままにしていることはありませんか?
前歯の放置は、見えてしまうからそのままにしている方はいないかと思いますが、奥歯はそのままにしている方がいますね。。。
でも、歯を抜いたところを親知らず以外の部位でそのままにしておくことは良いことではありません。抜いたところを放置すると、咬み合っていた歯や隣在歯の移動、咬み合わせの不具合などが起き、顎の関節への負担が増して様々な障害を起こしやすくなります抜いた歯が、その隣の歯や咬み合っていた歯を抑え咬み合わせ全体を安定させる役割も果たしているからです。(ただし、元々そこに歯がなかったりする場合で、咬み合わせの関係上、何もしなくてもいいケースもあります)

一般的には、歯を抜いたら、その後はその部位を何らかの形で補う必要がありますブリッジ入れ歯インプラント、場合によっては移植です。これらの方法から、その後の治療方針について十分に歯科医師と話し合う必要があります。もし、そのようなことでお悩みならば早目に歯科医院でご相談ください。

口腔機能低下症に注意していきましょう

口腔機能低下症とは、口腔機能が様々な要因により低下している疾患のことで、主に高齢者に多く見られます。
高齢者のお口の特徴はなかなかイメージしづらいかもしれませんが、例えば入れ歯を装着しているため、硬いものは食べづらく水を飲んだ時にむせるなどを想像するかもしれませんね。高齢になると唾液の分泌量も少なくなり、咀嚼力や嚥下機能も低下し食べ物が飲み込みづらくなります。

平成30年4月から口腔機能低下症の検査が保険診療に導入されました。
それには、

  1. 口腔清掃状態
  2. 口腔乾燥
  3. 咬合力
  4. 舌口唇運動機能
  5. 舌圧
  6. 咀嚼機能
  7. 嚥下機能

等の検査があり、それぞれに基準値があります。
3つ以上で機能低下に該当すると、口腔機能低下症と診断されることになります。検査結果を受けて治療や訓練で機能を向上させることが目標ですが、加齢や様々な疾患の影響によって、低下しつつある機能をなるべく維持させることが重要です。口腔機能が低下すると、食べることもままならず、全身の健康にも大きな悪影響を及ぼします。高齢期になっても、口腔疾患の進行予防と同時に口腔機能も低下させないようにすることが大切です。

フッ素が歯質強化する効果は。。。

基本的に「フッ素」はフッ素とナトリウムなどの化合物であるため、実際は「フッ化物」と称されます。フッ化物は歯に取り込まれると、

  1. 歯質そのものを強くして、虫歯の原因菌が産生する酸に対して歯を強くする効果
  2. 歯から溶け出したカルシウムが再び戻り修復される「再石灰化」を促進する効果
  3. 虫歯の原因菌を弱める効果があります。

特に乳歯や生え始めの永久歯に特によく取り込まれることも知られています。フッ化物を歯に取り込む方法としては、歯科医院で高濃度のフッ化物を直接歯に塗布する方法やフッ化物入り歯磨き剤を使用する方法があります。
制限はありますが、健康保険が適応となり、3ヶ月に1回の塗布でも効果が期待できます。歯磨き剤を使用する方法は費用をかけずにフッ化物を歯に取り込むことができますが、歯磨きの後、お口を何度もすすいでしまうとフッ化物も流れてしまうので、うがいのしすぎは良くないです。

フッ化物を歯に取り込むもう一つの方法として、「フッ化物洗口」があります。フッ化物の水溶液で口をすすぐので確実にフッ化物を口の中へ残すことができます。継続的に実施することにより、高い効果が期待できます。是非、日常生活や歯科医院での予防としてもフッ化物を使用した虫歯予防に励んでいただけたらと思います。

歯の表面のすり減りについて

歯の表面が虫歯ではないのに溶けて歯質が無くなっていることに気づくことがあります。これを、Tooth Wear(歯のすり減り)といいます。
歯がすり減り、咬み合わせの面が平らになったり、凹んだりするのが特徴です。歯の側面(歯茎側の歯質)が陥凹したりすることもよくあります。

最近では虫歯や歯周病に次いで、歯の寿命を縮める第三の歯科疾患として注目されています。最初は無症状でも、進行すると知覚過敏や咬み合わせの変調、痛みなどの症状が出ることもあります。この原因は主に次の3つです。

  1. 咬耗・・・歯と歯が接触して器械的にする減ること。咬み合う面が平らになっています。歯ぎしりの治療にも用いられるマウスピースで歯を守るのが良いと思います。
  2. 摩耗・・・歯磨きをし過ぎるなど咬み合うこと以外の原因で歯がする減ること。主に歯磨き時のブラシ圧が問題なことが多いです。
  3. 酸蝕・・・酸により歯質が溶かされること。原因は主に酸性食品やスポーツドリンク、胃酸などに歯がさらされることによります。酸性の食品の摂りすぎやダラダラ飲みを止め、食事、間食の時間を決めましょう。

歯のすり減り程度や症状に応じて修復治療や神経の治療が行われることがあります。でも、治療よりも症状を引き起こす原因を取り除くように生活習慣の改善や歯科医院での定期的なチェックによる予防が大切です。

義歯(入れ歯)装着者は50代後半から増えています

厚生労働省は1989年から80歳になっても自分の歯を20本以上保つ目標の「8020運動」を推進しています。でも、実際は80歳以上で20本以上の歯が残っている人の割合は50%を越えています。

とはいえ、最後まで全ての歯を保てる人は少ないです。厚労省によると、入れ歯やインプラントなどなんらかの義歯(入れ歯)の使用者は85歳以上になると90%に達します。総入れ歯を使用している人は46%あり、義歯使用者の半数を占めるのです。

そう考えると、義歯のお世話になっているのは高齢者だけではないです。35~39歳でブリッジを中心に義歯の使用者が10%台にのります。55~59歳になると半数を超え、70~75歳になると4分の3が義歯を使用しています。

できるだけ、義歯にならない方が良いのは当然ではありますが、もし、親知らず以外の歯に欠損があるのならば、早めに歯科医院で義歯の製作をしてもらいましょう「まだ若いから義歯なんて。。。」と思われている方も中にはいますが、若い世代でもこれだけ義歯の装着者がいるのですから、恥かしがらなくても大丈夫です。

それよりも、歯の欠損を放置して咬み合わせに問題が起こり、それが原因で偏食となり、全身の栄養状態に悪い影響を及ぼすのならば、早めに義歯で対処するべきと思います。

歯周病予防で守れるものもありますね

拡大する新型コロナウイルス感染を予防するには、手洗い、うがい、マスクだけではなく、「歯磨き」も重要です。歯周病がウイルス感染を起こしやすくする可能性があります。

歯周病は口の中の歯周病菌に感染することで発症します。その数は何十億を超えると言われています。そのうち、数十種類の細菌が歯周病の原因菌として知られています。この歯周病菌が歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)に蓄積して増殖すると、歯肉が炎症を起こして腫れたり、出血しやすくなったりします。さらに進行すると歯周ポケットが深くなり、歯を支えている歯槽骨が溶けて歯がぐらつき、最後は抜け落ちてしまいます。

歯周病によって問題が起こるのは、歯だけではないです。近年、糖尿病、誤嚥性肺炎、呼吸器疾患、心臓疾患、認知症といった多くの全身疾患との関連が指摘されていて、インフルエンザなどのウイルス疾患のもかかりやすくなると言われています。

これは、口腔内ではウイルスレセプターと呼ばれるウイルスが吸着する受容体がいくつも発現します。口腔内に入ったウイルスは、そのレセプターを介して細胞内に侵入し、増殖していくのです。
通常、喉などの口腔内のレセプターはタンパク質からできている粘膜で保護されています。しかしながら、歯周病菌はプロテアーゼというたんぱく質を加水分解する酵素を産生し、保護している粘膜を破壊してしまいます。その結果、口腔内のウイルスレセプターが露出して、感染しやすくなってしまいます。

新型コロナウイルスは「ACE2受容体」というレセプターにくっついて細胞内に侵入します。ACE受容体は上気道での発現は比較的少ないと言われていますが海外では「ACE2受容体は口腔内の粘膜、とりわけ舌に多く発現する」との報告があります。歯周病菌が作り出すプロテアーゼが新型コロナウイルスの細胞内侵入をサポートする可能性があるのですね。

また、歯周病によって引き起こされる「炎症」がウイルス感染を助長するとも言われています。歯周病菌は内毒素を放出するため、歯肉などの歯周組織や粘膜に慢性的な炎症を引き起こします。
炎症によって歯肉の血管が傷つくため、口腔内の細菌やウイルスが体内に侵入しやすくなります。そして、新型コロナウイルスが吸着するACE2受容体は炎症が広がるほど多く発現すると言われています。ACE受容体はそもそも炎症が起こった際に細胞を保護する働きがあるため、炎症があると増えます。

歯周病と新型コロナウイルスの関連性は現時点ではまだはっきりしていないが可能性は積んでおいた方が良いですね。

定期的なお口の健康チェックは重要です

予防は転ばぬ先の杖。患者さんがつまづく前に、歯と歯茎の健康を守る杖を持たせるのが予防歯科の役目です。その為にもかかりつけの歯科医院を持ち、定期的に通うことが大切です。

プラーク(歯垢)は時間とともに病原性が高まります。自分で歯磨きするだけでは、どうしても磨き残しができてしまうため、プロによる定期的なクリーニングが大切です。さらに、フッ素で歯を丈夫にします。虫歯も初期なら削らずにフッ素による再石灰化で治すことが可能です。歯の定期的な管理は、口臭予防や口腔がんの早期発見にも役立ちます。大がかりな治療は不要でかかる時間も短く、治療費も安い。良いことずくめです。

しかしながら、安心は禁物です。患者さんの中には「かかりつけの歯科医院を受診すれば、虫歯と歯周病は完全に予防できる」と誤解されている人もいます。予防歯科は患者さんと歯科医師との二人三脚といえます。患者さん自身が自分のお口の健康に意識を向けることと、歯科医療従事者、双方の努力が必要なのです。

糖尿病と歯磨きの関係は。。。

最近は、新型コロナウイルスによる感染拡大などのニュースで取り上げられるようになって「基礎疾患」という言葉を多く耳にするようになったと思います。

基礎疾患とは、ある病気や症状の原因となる病気です。例えば、高血圧症や高脂血症、糖尿病などは虚血性疾患の基礎疾患とされています。その中で、糖尿病と歯周病には大きな因果関係があり、歯周病予防には日常の歯磨きが重要なこともご存知かと思います。

ある研究調査で歯磨きの頻度と糖尿病の発症リスクについて調査したところ、一日三回以上歯磨きをしていた人は、そうでない人より糖尿病発症のリスクが明らかに低かったそうです。

そして頻繁に歯を磨くことで新たに糖尿病を発症するリスクが低下する可能性があり、口の衛生状態の改善が糖尿病の発症リスク低下に関連しているかもしれないと結論付けました。様々な病気の基礎疾患になりうる糖尿病を一日三回以上の歯磨きで予防していきましょうね。

就寝時の歯ぎしりへの対応について

ギリギリと上下の歯をこすり合わせる「歯ぎしり」、下の顎を動かさずに上下の歯を強く合わせる「喰いしばり」、上下の歯でカチカチ鳴らすタイプ(タッピング)もあります。いずれも、歯と顎の骨に過剰な負担をかけて歯の寿命を縮め、顎の関節に不調をきたす原因になります。

そういう僕自身も、夜中の歯ぎしりを妻に指摘されたこともあります。寝ている時なので自覚症状に乏しいため、放っておいたら顎に痛みを感じるようになり、顎関節症になったという既往があります。よって、顎関節症治療のためのマウスピースを製作し、自分で調整して治しましたよ。

思えば、この歯ぎしりが発端だったと今では思います。この歯ぎしりに対して処置できれば、顎関節症で口が開かないとか、開閉口時の痛みに悩むこともなかったと考えます。

歯ぎしりや喰いしばりの原因は、まだ完全に解明されていませんが、ストレスが大きく関わっているという説が有力です。ストレスをためずに規則正しい生活を心掛けることが、第一ではあります。そして、対処法としては一般的にはマウスピースの装着です。これを装着した状態であれば、歯ぎしりや喰いしばりをしても、歯や顎に直接な負荷がかかりません。歯科医院で作られるオーダーメイドのものが効果的でありますし、医療保険も適応されます。詳しいことは、かかりつけの歯科医院でご相談ください。

お口のケアで感染症予防

日本国は二月に公表した新型コロナの「相談・受診の目安」として、重症化しやすい基礎疾患として糖尿病を明記しました。

WHOの調査によると、糖尿病患者の致死率は9.2%と13.2%の心疾患に次いで高く、全体の致死率3.8%を大きく上回ります。糖尿病は膵臓から出るインスリンの分泌が不足したり、働きが悪くなったりして血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上がる病気です。

糖尿病患者は白血球など免疫に関わる細胞の働きが弱いため、膀胱炎や肺炎、結核、水虫や歯周病などの感染症にかかりやすい上、悪化しやすいです。神経障害や血行障害を併発して感覚が鈍っていたり、栄養が行き渡りにくかったりすることも、急速に重症化する原因にもなります。

新型コロナを含め感染症を防ぐには、手洗いや人混みを避けるといった基本対策の徹底に加え、神経障害などの進行を防ぐために血糖値を良い状態に保つことが大切です。また、糖尿病と関係の深い歯周病の悪化や肺炎を避けるためには口腔ケアも非常に大切です。お口のケアを定期的に歯科医院ですることも、感染症予防に非常に役立つことを覚えておいてくださいね。

歳をとると歯肉がやせ、根元虫歯が増加傾向に。

1970年代は虫歯の洪水の時代と言われていましたが、近年はある調査によると、虫歯の子は2割にも満たず、驚くほど減っています。そうは言っても、日本人全体で見ると減ったわけではありません。実際の所、高校卒業後に虫歯になる人は増えています。

虫歯の無い人は25~29歳で11%、35~39歳ではわずか0.5%つまり、発症年齢が遅くなっただけで、高齢者の虫歯も増えています。高齢者は歯が残っていても、多くは歯周病によって歯肉がやせています。歯の根元は硬いエナメル質で覆われておらず、歯肉の位置が下がると虫歯になりやすいのです。根元の詰め物は外れやすく、歯が折れる原因にもなります。近年、虫歯は砂糖だけでなく、ブドウ糖や果糖、でんぷんでも起こりやすいことが解ってきました。炭酸ジュースやスポーツ飲料、お酒も歯を溶かして根元の虫歯を助長します。

心臓病や高血圧などの全身疾患で唾液の分泌を減らしてしまう副作用のあるお薬を飲んでいる人は要注意です。唾液の減少は、根元虫歯の原因になります。虫歯は今や子供の病気ではなく、中高年の病気なのです。

口腔ケアは、全身疾患予防に大切なこと。

近年、口腔ケアの重要性が認知されるようになってきました。それは、高齢者、特に要介護者の方の肺炎が口の中の細菌によって起こることが多いと言われているからです。

肺炎を起こすと言われている細菌は、歯周病の原因となる細菌でした。歯周病を放置すると、口の中の細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が優位になります。それを誤って肺の中に入れてしまうと肺炎になります。

口の中をキレイに保てば、予防できるといった考えから口腔ケアの重要性が認知されてきたと思います。その他にも、全身麻酔をかけて行う手術の患者さんや、抗がん剤を使用したり放射線治療をしたりする患者さんについても、口の中をキレイに保つことで早く社会復帰することができる事がわかっています。

また、虫歯菌も歯茎や骨の中の血管を介して、離れた場所へ細菌が移動し悪さをすることが認められています。その為、歯磨きや歯科医院での積極的なクリーニングをして、口の中の善玉菌と悪玉菌のバランスを良くして、血液を介しての全身への影響が出ないように管理していきましょうね。

中高年こそ、歯科矯正のすすめ。

歯並びや咬み合わせが悪いと、噛む力も弱くなるものです。その状態が何年も続けば、顎や顔の筋肉のバランスが崩れ、口の動きが不適切になります。そうなると、唾液の分泌にも悪影響が及び、負の連鎖が起きます。

歯並びの問題は見た目以外にも、様々なトラブルの発端になります。治療としては、歯並びを治すための歯科矯正が必要になるかと思います。歯科矯正をする際、ワイヤーを使って行うのが一般的だと言えます。効果が出やすく、きれいに仕上げるのならば外側にワイヤーをするタイプが一番いいですからね。

確かに、ちょっと目立ちやすく、気になる方も多いのが現実ではあります。極力目立たないように、ワイヤーを引っかけるものをプラスチックに変えたりして、工夫をしていますよ。口腔内の状態は人によってさまざまで、一概にこの装置だけで良いとは言えませんが、気になる方はかかりつけの歯科医院でご相談ください。

歯はきちんと磨けていますか?

皆さんは、どのくらい歯磨きをしていますか?

厚生労働省の調査を見てみると、約75%の方が1日2回以上の歯磨きを行っているというデータがあります。それくらい、日常的な習慣になっている歯磨きですが、「きちんと磨けていますか?」と聞かれると、自信の無い返事が返ってくることが多いようです。

ある調査によると、歯磨きに自信のある人と自信のない人のいずれの集団でも約8割の人に磨き残しがあったという結果でした。歯磨き回数が増えたとしても、汚れをきちんと落とせていなければ、もったいない話ですよね。さらに、歯ブラシのみの歯磨きでは全体の60%ほどしか汚れが落とせていないというデータがあります。磨き残しをなくすためには、歯と歯の間の部分を磨く歯間ブラシやデンタルフロス、奥歯の側面を磨くタフトブラシなどを用いて歯ブラシ1本では磨ききれない部分の汚れを落とすことが必要です。

最近では、電動歯ブラシを使用している方もいると思います。効果的に歯磨きができて、歯がツルツルになるので気持ちが良いものですが、使い方を誤ると歯がしみたり、歯肉が極端に下がったりするトラブルの原因になることもあります。

使い方がよく解らないという方は、是非、歯科医院であなたに適した使い方を教えてもらうことをお勧めいたします。

長引く鼻づまりや、鼻水は歯が関係していることもあります。

鼻づまりなどの不快な症状が長く続く慢性副鼻腔炎。

様々なタイプがあり、治療法もそれぞれ異なるようです。気になる方は、コンピュータによる断層撮影装置(CT)による画像検査などを通じて適切な治療を受けることをお勧めいたします。副鼻腔は頬、目と目の間、額にある空洞で、左右に4つずつ合計で8つあります。鼻腔を取り囲むように存在しているので副鼻腔と呼ばれています。内壁は鼻腔と同じく粘膜で覆われています。

声を共鳴させたり、外部から頭部への衝撃を和らげるのではないかと言われていますが、その役割はまだよく解っていません。その副鼻腔に炎症が起きた副鼻腔炎のうち、症状が1ヶ月以内の場合は急性の副鼻腔炎、3ヶ月以上続いた場合は慢性副鼻腔炎と言われます。この副鼻腔炎は、副鼻腔に膿が溜まり、いわゆる蓄膿症と呼ばれる従来の慢性副鼻腔炎が大多数を占めます。その主な症状は、鼻づまりや緑色や黄色のドロドロした膿のような鼻水が多く、それが喉に流れることも多く見られます。これは頬にある上顎洞で起こりやすいです。

一般的に治療はマクロライド系の抗菌薬を長期投与やステロイド薬を霧状にして、鼻から吸入するネブライザー療法などがあります。症状が改善しない場合は手術を考えることになります。

実は、この上顎洞炎は実は奥歯の根尖にできた膿の袋が原因で起きることもあります。解剖学的に奥歯の根尖が、上顎洞の近くに位置していることが多いものですからね。

その場合は、歯の神経があった根管と言われる部位を清掃・消毒して治癒に向かわせることも必要なことがあります。もし、いつまでも症状が改善しない場合は、歯を疑ってみるのも必要かもしれません。奥歯の歯で、根の治療や被せ物をした歯は要注意ですね。

新型コロナウイルスに対して、絶対にやるべき対策

新型コロナウイルスの感染拡大のニュースが連日報じられていますね日本では、まだ大流行という訳ではないですが、ワクチンや薬がないと聞き不安感を高めている人も多いでしょうね。海外旅行や海外出張を取りやめた人、人込みを避けるためにイベントやコンサートの参加を控えている人もいると聞きます。新型コロナウイルスの対策として、推奨されているのはこまめな手洗いとうがいです。アルコール消毒なども利用して料理や食事前、外出先から戻った時などに手洗い・うがいをする習慣を身につけましょう。マスクは接触感染や飛沫感染の予防に役立ちますね。

そして糖尿病の人はいつも以上に糖尿病対策に力を入れましょう。なぜなら、糖尿病の人は免疫力が低く、あらゆる感染症にかかりやすくなります。糖尿病の人は、免疫機能が十分に働かず、一気に悪化してしまうからです。インフルエンザで命を落とす人もいます。感染症によって体内に炎症が起こり、脳梗塞や心筋梗塞、がんなどの原因になることもあります。

また、糖尿病の人は尿路感染症にかかりやすく、膀胱炎、腎盂炎等の症状が悪化しやすいです。歯周病の治療コントロールがうまくいかないことも糖尿病の人によく見られます。糖尿病の人がやるべき新型コロナウイルス対策は、先述した手洗いとうがい。そして、血糖コントロールです。すぐに、いい結果が出せるものではありませんが、努力はすべきです。過去1~2ヶ月の血糖コントロールを示すヘモグロビンA1cは8%より高くなると免疫力が低くなると言われているからです。

また、インスリン注射や薬の服用を勧められている人は、この機会に前向きに検討してはいかがでしょうか。早目の治療対策が、やがては功を奏すかもしれません。目指す血糖値は70~180㎎/㎗でこの値に入っている時間帯を多くすることです。日常的にできることとしては、月並みですが睡眠をしっかり取り、規則正しい食生活を心掛ける日ごろの運動で心肺機能を高めることが大切ですし、また、糖尿病と因果関係の深い歯周病を悪化させないようにして新型コロナウイルスに負けないようにしましょう。

磨き残しを除去して歯周病予防

歯を失う最大の要因は、プラーク(歯垢)に潜む歯周病菌が引き起こす歯周病です。

症状が進むと歯肉が腫れたり、歯を支える歯槽骨が溶けてしまい、歯をグラグラに揺らしてしまうことがあります。この歯周病は日本人の8割に見られると言われています。

その中で4割は軽度(歯磨きで治る)、3割は中等度(歯が抜けるのを歯科医院での専門的治療を受けて残せる)、そして3割は重度(歯が抜けるか、治療を受けてもいずれ抜歯になってしまう)という状況だそうです。歯周病は、歯茎の抵抗力と比べて歯周病菌の病原性が高い人に発症します。抵抗力に影響を与えるのは遺伝と生活習慣です。遺伝的なものは、現段階でどうしようもない所ではありますが、生活習慣は変えられますね。健康的な食事や、規則正しい生活、ストレスが少ないなどは歯茎を強くします。喫煙はかなりのリスクファクターですので、止められた方が良いです。

また、歯周病は感染症でもあるので、直箸などによる唾液感染や犬や猫の歯周病菌も人にうつるので注意が必要です。歯周病は正しい歯磨きである程度は予防できますが、たいていの方はどこかに磨き残しがあります。だからこそ、年に4回ほどは歯科で磨き残しを除去してもらいましょうね。

妊婦だからこそ、口腔ケアを大切にしましょう。

妊娠中は、つわりによる嘔吐や唾液の減少で口の中が酸性になりやすく、虫歯になりやすいです。

女性ホルモンの増加に伴い歯周病菌が増え、歯周病のリスクも高まります。成人の約7割がかかる歯周病糖尿病や肥満、認知症につながると言われています。

妊婦の場合、歯周病の炎症物質が子宮収縮を誘発すると考えられ、早産の危険が1.78倍、低体重児出産の危険は1.82倍になるという報告もあります。妊娠期を初期、中期、後期に分けて口腔ケアの方法は、違いがあります。

例えば、初期はつわりがあるため、ヘッドの小さい歯ブラシを使う、マウスウオッシュを使う、などの工夫が必要です。中期は、一度に食べられる量が減って間食が増える時期なので、食後の歯磨きが必要です。後期は、出産準備で忙しくなるため、継続したセルフケアを心掛けることが大切です。

また、この時期は患者さん教育も重要と考えています。もし、お母さんが虫歯になっているのならば、子供が2歳になった時の虫歯の割合が3倍になるというデータを紹介し、赤ちゃんに虫歯菌を移さないように引き続き口腔ケアのモチベーションを高めるようにしています。

この妊娠中の口腔ケアは非常に大切です。患者さんにも、自身の体の健康を考えてもらう、いいきっかけになります。

顎関節症の原因、診断と治療について。

大きな口を開けると、顎の関節から音がしたり、痛みがあるという人がいます。このような症状で、一番疑わしいのは顎関節症ですね、顎関節は、骨や靭帯、筋肉、関節円板と呼ばれる組織で構成されています。

また、こめかみ付近(側頭筋)や頬の少し後方(咬筋)などの筋肉痛も多く見られる症状です。顎関節症の原因については、以前は咬み合わせの異常が主であるとされていました。現在では噛み合わせだけでなく、いくつかの因子(喰いしばりや歯ぎしり、ストレス、運動、楽器や歌など間接への負担の持続など)での組み合わせで起こるとされ、患者さんごとに異なります。

そのため、治療としては個別の原因を考慮した保存的治療(筋マッサージや生活指導、鎮痛剤投与、マウスピースなど)が第一選択となります。過去には手術によって治したこともあるそうですが、現在では再発率の高さから一般的ではないようです。

また、歯ぎしりなどの強い力でなくとも上下の歯が接触しているだけで顎関節に悪い影響を与えているという報告もありますので、上下の歯を数ミリ離すような指導を行ったりすることもあります。このような保存療法が無効な場合に限り、咬み合わせの治療を行います。顎関節症の診断は経過や痛みの種類、部位などから比較的容易ですが、腫瘍や関節リウマチ、骨髄炎など初期症状が類似する疾患もありますので、痛みや口が開きづらいといった場合は、早めにかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。

大人虫歯を予防しましょう。

年齢を重ねると、虫歯治療後の詰め物の隙間に虫歯菌が入り込むことによって、「二次う蝕(再発虫歯)」となったり、加齢や歯周病によって歯茎が下がり、歯の根元が露出することでの「根面う蝕(根元虫歯)」が生じやすくなります

これらの虫歯を「大人虫歯」と呼んでおり、成人・高齢者は大人虫歯が進行しやすくなります。検証では、虫歯を保有しているにもかかわらず、健診前の問診票で「歯が痛んだり、しみたりしますか?」との問いに74%が「しない」と回答していたことが判明しました。

また、虫歯保有者で虫歯を自覚していない人の割合を年代別で見ると、虫歯の自覚症状として挙げられる「痛みやしみる症状がない」と回答した割合は20代では約68%だったのに対し、40代では約76%と増加しており、40台を境に症状を自覚しにくくなるという傾向が解りました。

サンスターでは「健康な歯を維持するためには、自覚症状を感じないまま進行してしまうことの多い大人虫歯の予防が重要」と言っております。虫歯予防に効果のあるフッ素入り歯磨剤を使い、さらに積極的な虫歯予防対策として、フッ素入り洗口剤の活用、また歯科医院への定期的な健診も大切としています。

強すぎると歯が折れることも。。。

両耳の少し下、顎の角の斜め少し上を人差し指で触りながらグッと喰いしばると、筋肉が隆起するのが解りますね。

これが咬筋で、噛むときに最も力を発揮する筋肉です。

これは手足の骨と同じように骨についていて、顎の骨を動かす筋肉なので骨格筋の一種です。顕微鏡で見ると細い筋線維が見えるので横紋筋とも呼ばれています。自分の意志で自由に動かせるので随意筋でもあります。

人は食べる時に口を大きく開けてから、噛み始めると思いますが咬筋は一度伸びた状態から縮むときに最も力が出せるようにできています。咬合力はこの咬筋の活動によるところが多くを占めています。年齢を重ねても、この咬筋は弱りにくく、咬合力も急には落ちません。この咬合力は生まれつきの個人差があります。咬合力が強いほど長年にわたって、よく食べ物が噛めるかというとそうでもないです。。。

この咬合力が強すぎると入れ歯が何度も割れてしまったり、歯そのものが折れてしまうことさえあります。そのような経験のある方は、歯科医院で一度チェックしてもらってはいかがでしょうか?

唾液の修復作用と抗菌作用について

唾液は主に三大唾液腺と言われる耳下腺・顎下腺・舌下腺から分泌されます。

一日に分泌される唾液の量は、およそ1~1.5ℓと言われています。口の中を潤し、食物を消化するのに欠かせない唾液ですが役割はそれだけではありません。

唾液には様々な成分が含まれており、傷の修復作用や細菌の増殖を防ぐ抗菌作用、酸性に傾いた口腔内を中和させる緩衝作用、初期の虫歯を修復する再石灰化作用などもあります。

この唾液量はストレスを感じると分泌量が減ります。例えば緊張してストレスを感じると口が渇くのも、このためですね。皆様も、サッカーや野球などのスポーツを行っていて試合が進むにつれて口が渇くという経験をしたことがありませんか?こんな時は、体内の水分を補うことに加え、口腔内を潤すために水分の補給をしましょう。

さらに、唾液には若返りのホルモンといわれる「パロチン」が耳下腺から出ます。パロチンには筋肉や骨などの発育を促進する効果があるともいわれ、他にも老化の予防に役立つといわれている成長因子も含まれています。つまりは、ゆっくり何回も口の中で食物を噛んで楽しく食事をすることが体にも認知症予防にも良いということですね。

定期的な歯科受診は口腔がんの早期発見に有効です

ある女性タレントの方が公表したことによって注目されるようになった舌がんを初め、口の中にできる口腔がん。進行すると、手術で切除する範囲が広くなり、話す・食べるという口の機能が損なわれ、生活に支障をきたします。早期に発見すれば治る可能性も高いため、健診の実施や定期的な歯科受診を心掛けることが大切と思います。なぜなら、口腔がんは患部を直接目で見られるため、歯科医師が発見しやすいのが特徴です。

赤や白の斑点、しこりのほか、長引く口内炎は要注意です。早期がんであれば9割以上は治るとされていますが、日本では歯科医院に定期的にメンテナンスされるという方が少ないためか、実際はステージ3以上の進行がんで発見されるケースがほとんどのようです。

発見が遅れると首のリンパ節に移転したり、顎の骨の中にがんが入り込んだりすることも。。。舌や顎を大きく切除すれば、口の機能に障害が残るだけでなく、顔立ちが変わって社会復帰が難しい例も少なくはないです。是非、歯科医院に定期的な受診を心掛け、診ていただくことをお薦めいたします。

白板症って知っていますか?

口の中の粘膜の病気には、白色や赤みがかかったもの、黒っぽいものなど、さまざまあります。その中でも、今回は口腔がんと関係のある白色を呈する病変について触れます。白板症とは、粘膜の表面にでき、こすっても剥がれない板状または斑状のものです。剥がれるものはカビが原因の口腔カンジダ症であることが多いです。一般的に白板症は、歯や入れ歯、金属物などの接触による刺激が加わりやすい部位の、歯茎や舌の側縁、頬の粘膜に発症することが多いです。

喫煙や飲酒などの嗜好品とも関連するともいわれています。特に中高年の男性に多く発症します。前がん病変は細胞ががん細胞へ悪性変化を起こす可能性のあるものをいいますが、白板症のすべてががんになるわけではなく、5%~10%程度です。

目安としては白い部分が隆起したり、赤みがかかってしこりや傷を伴う場合には注意が必要です。また、白板症自体は痛みを伴うことは少ないので、食事の際に痛んだり、しみたりする場合には医療機関を受診しましょう。

多くの場合は診察のみで可能ですが、状況に応じて組織検査が行われることもあります。治療は病変に刺激を及ぼしているものがあれば、場合によっては切除を行います。仮に悪性化するとしても、数年かけて進行するとも言われており、かかりつけ医による経過観察が重要です。

効果的に使用して薬効を発揮させましょう。

患者さんからの質問で多いのが「どんな歯磨き粉が良いでしょうか?」というのがあります。

歯磨剤は着色を落とす研磨剤、泡立ちを加える発泡剤、爽快感や香りをつける香味剤、適度な粘りを与える粘結剤や保存料などの成分からできています。これに薬効成分が加わり、様々な歯磨剤になります。

「虫歯予防」に特化したものはフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムといった、いわゆる「フッ素」が配合されています。「歯肉炎・歯周病予防」の歯磨剤は、グリチルリチン酸ジカリウムなどの炎症を抑える成分が配合されており、市販されています。

歯がしみるのを防ぐ「知覚過敏抑制」の歯磨剤には乳酸アルミニウムや硝酸カリウムなどが配合され、その他、天然の生薬由来成分を配合したものや、特殊な乳酸菌を配合したものもあります。

ここで注意していただきたいのは、どんな良い薬効成分が含まれていても効果的な使用法(使用後の飲食を控える時間など)が行われていなかったり、歯垢が除去されていなければ、虫歯や歯周病の予防にはならないということです。せっかくの薬効成分の効果を発揮する意味でも、効果的な方法で使用し、歯ブラシの毛先がきちんと歯に当たっているか、磨き残しがないかを注意して丁寧な歯磨きを心掛けるようにしましょうね。