歯の豆知識 2021年-りんご歯科医院|新潟市中央区の歯科・歯医者

カウンセリングを重視。新潟市の歯科・歯医者なら当院へ。

025-255-6480

診療時間:月~金 9:00~18:00(土曜は17:00まで)休診日:日・祝

025-255-6480

診療時間:月~金 9:00~18:00(土曜は17:00まで)休診日:日・祝

歯の豆知識 (2021年)

歯の豆知識 バックナンバー

酸化ストレスをご存知ですか?

人は生きていくために体内に活性酸素を発生させて、細菌やウイルスなどから身体を守っています。一方で、活性酸素が増え過ぎないように、活性酸素を消去する仕組みも備わっています。これを抗酸化作用と言います。この抗酸化作用によって、体内の活性酸素の量はバランスを取っているわけです。

でも、活性酸素が増え過ぎて抗酸化作用が追いつかないと酸化ストレスが生じます。その原因として挙げられるのが紫外線や大気汚染、アルコール、激しい運動、ストレス、慢性炎症などです。この酸化ストレスを起こす原因で特に気を付けなければならないのは「歯周病」だと言われています。歯周病は慢性病変で、生活習慣病の一つです。この酸化ストレスを防ぐためには、歯周病の予防が効果的です。是非、この酸化ストレスを防ぐためにも、日々のブラッシングを徹底し、歯科医院で定期的に健診をしましょうね。

新型コロナ感染予防のためにもお口の中を清潔に

新型コロナの流行により、増加する感染者数に驚きを覚えますね。この新型コロナ感染症の重症化を防ぐためには、日頃のオーラルケアも大切です。その予防策とは。。。

傷などのない健康な皮膚と同様、口腔内が清潔に保たれた口腔粘膜には感染に対する抵抗性があります。主な感染経路となる口からウイルスが入ってきても、感染しにくくなります。

しかし、口腔内が汚れていると、増殖した口腔内細菌が酵素を出し、ウイルスが粘膜細胞の中に入り込むことを手助けしてしまうため、感染しやすくなってしまいます。コロナの重症化にもこの口腔内の衛生状態が大きく関与しています。

その一つが誤嚥性肺炎に関係したものです。高齢になり、食べ物や唾液が食堂へ流れにくくなり、誤って気道に入る誤嚥が多くなりがちになります。その際に、口腔内が汚れていたりすると、この誤嚥によって細菌が気管や肺に流れ、誤嚥性肺炎にかかってしまう恐れが高まります。誤嚥によりウイルスが肺に届くことで肺炎となり、重症化する恐れがあります。この重症化を防ぐためにも、口腔環境の健康保持が大切です。

歯科医院では感染対策を徹底しています。受診をためらわずに、かかりつけの歯科医院で必要な治療や口腔ケアなどを受けられることをお勧めいたします。

禁煙して歯肉状態の回復を図りましょう

喫煙は肺がんや口腔がんのリスクファクターとして知られています。また、歯周病における環境面から見た最大のリスクファクターでもあります。喫煙は歯周病の発症や進行、治療の効果に大きく影響することが報告されています。特にニコチンは歯肉の微小血管系に影響し、血流量の低下や低酸素状態を引き起こします。従って歯周組織は破壊されているにもかかわらず、歯肉からの出血や腫れなどの自覚症状が乏しく気がつかないことが多いのです。同様の理由でインプラントや歯の再植、抜歯後の治癒にも悪影響を及ぼすことが報告されています。

禁煙すると歯肉の状態が回復し、免疫や細胞の働きが高まるため、歯周病のリスクが低下しブラッシング効果が上がることが明らかになっています。禁煙をすることに、遅いことはありません。でも、歯周病は自覚症状が出てからでは、十分な回復が見込めないことがあります。歯周病が気になる方は、歯周病はもちろんですが、全身の健康のためにも今から禁煙していきましょう。

入れ歯安定剤の使用について気を付けたいこと

自分の入れ歯に満足していない人が痛みの軽減やぐらつき防止のために使用されることが多い入れ歯安定剤。この入れ歯安定剤は、大きく分けて2つの種類があります。

1つは唾液に触れると粘着質になる物質を使い、入れ歯を口腔内粘膜に密着させるもの。クリーム、パウダー、シートタイプのものがあります。もう1つは酢酸ビニル樹脂を主成分とし、入れ歯と口腔内粘膜の隙間を埋めて密着させるもの。クッションタイプやホームリライナーと呼ばれ、クリームより粘度が高く均等に広げにくい。時間が経つとエタノールが溶け出て硬くなる傾向があります。

日本義歯ケア学会で、市販のものを数種類、比較をした結果では「クッションタイプ」はあまり推奨できないとしています。それは、薄く伸ばしにくく、盛り方に偏りができやすく、咬み合わせが狂いやすいというのが主な理由からです。

とはいえ、他のタイプならばいいと学会が推奨しているわけでもないです。痛みや安定感に問題があるのならば、先ずは歯科医院にて調整を行ってもらうことが大切です。しかしながら、高齢化が進む中で在宅療養が増え、歯科医院にそう通えない人が増えてきています。やむを得ず使用する場合は歯科医師や歯科衛生士の適切な使い方を指導、説明してもらうのが良いと考えるところです。

使い方を間違い、毎日の清掃を怠ると入れ歯が不潔になり、カビの一種であるカンジダ菌が繁殖し、悪臭や口内炎を引き起こすことがあるので、日々の清掃は必ず行っていただきたいですね。

デンタルフロスを使ってみましょう

デンタルフロスを使うのに一番怖がられる理由は「血が出ること」のようですね。フロスの刺激で出血するのは、歯茎の毛細血管がプラークによる炎症で脆弱になったからと考えられます。フロスを使ってプラークを取り除くことで炎症が治まり、歯茎が引き締まってくるようになれば、出血はなくなると思います。

最初は夜だけでもいいのでフロスを使用して磨いてほしいです。虫歯や歯周病の原因となるプラークは成熟して口の中で悪さをするのには、24時間以上かかります。ですから、最低でも1日1回、フロスでプラークを取り除けば虫歯と歯周病のリスクは減少します。

フロスには形状、フィラメント、ワックスの有無などにより、いろいろな種類があります。どれが自分に適しているのか解らないようでしたら、かかりつけの歯科医院で歯科衛生士さんに聞いてみましょう。

歯科衛生士は予防に重点、歯科医師は治療に重きを置いています

医科の中に内科や外科があるように、実は歯科の中にも多くの診療科が存在します。例えば口腔外科や矯正歯科、補綴科、保存科、歯周治療科などなど。。。関連職域も多岐にわたり、多くの職種との連携で成り立っています。

特に歯科衛生士は日常の臨床で患者さんと接触する頻度の高い職種で、単に歯科医師の助手ではありません。歯科衛生士のサポートがなければ歯科治療は行えませんが、それと同じように大事な仕事が口腔衛生管理です。言い換えれば、歯科医師が病気を直す治療行為をしているのに対し、歯科衛生士は予防を主たる仕事としています。現在の歯科事情は、う蝕は予防の推進により減少し、歯周病を含む歯科疾患の予防のニーズが増大しています。現代は治療から予防へと変化しており、歯科においてその重要な職務を担うのが歯科衛生士といえます。

歯科医師には聞きづらい疑問があれば、先ずは歯科衛生士に相談してみるのもいいと思います。

イオン飲料の飲み方には注意が必要です

虫歯のある子どもは近年、確実に減少していますね。その一方で、本来はなりにくいはずの前歯などに虫歯ができるようなケースが散見されるようになりました。原因の一つとして、イオン飲料の飲み方が考えられます。

スポーツドリンクや経口補水液のイオン飲料は体に吸収されやすく、疲労回復に効果があるとされます。子どもが下痢や嘔吐をした際に医師などに勧められて飲ませるようになり、良いイメージが保護者にもあると思います。

ただイオン飲料には塩分やカリウム、糖分が含まれています。普通に食事がとれている状態でたくさん飲むと、かえって喉が渇き、飲みすぎてしまいます。また、口の中の水素イオン指数(pH)が5.4以下になると、歯のエナメル質が溶けて虫歯になりやすい状態となります。

虫歯予防の観点から言うと、このイオン飲料は良いことがないです。もし飲むのならば、長時間だらだらと飲まないようにしましょう。飲んだ後は水やお茶を飲んで口の中に残った糖分などを流すようにしてください。

寝る前に飲むのは特に注意が必要です。唾液には虫歯を抑える働きがありますが、寝ている間はほとんど唾液が出ないのです。そのため、飲みっぱなしで歯磨きをせずに寝るということはなくしましょうね。水分補給は水やお茶で摂取するようにすることをお勧めいたします。

歯周病とアルツハイマー型認知症との関係性

アルツハイマー型認知症は、もの忘れから気づくことが多く、徘徊、不安、幻覚、判断力低下、怒りっぽくなる、記憶障害、意欲が無くなるうつ状態など、様々な症状があります。加齢によるもの忘れとアルツハイマー型認知症のもの忘れとの違いは、日常生活における支障の有無です。アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドベータやタウタンパクというたんぱく質が異常に溜まり、それに伴い脳細胞が損傷したり神経伝達物質が減少したりして、脳全体が萎縮して起こるようです。

歯周病とアルツハイマー型認知症の因果関係はまだわかっていないものの、動物実験の結果は、歯周病がアルツハイマー病の悪化因子であることを示唆しています。その研究者は口の中の歯周病菌や炎症のもとになる物質などが血流にのって脳に運ばれて何らかの影響を与えている可能性があると考察しています。

歯周病がアルツハイマー病を悪化させる要素ならば、歯周病の治療はアルツハイマー病の進行を遅らせる有効な方法になり得るかと思いますかかりつけの歯科医院には定期的に健診してもらい、歯石除去やプロフェッショナル。クリーニングをしてもらいケアをしていきましょう。

骨粗鬆症の薬を飲んでいたら注意が必要です

骨粗鬆症は高齢の女性に多く、60歳代では2人に1人、70歳代以上になると10人に7人が患っていると言われています。この疾患の治療には「ビスホスホネート系の薬剤」が頻繁に使用されています。骨は「新しく作られる過程」と「壊される過程」を繰り返しています。骨は一度作られて終わりではなく、常に新しく生まれ変わっているのです。この「骨が壊される過程」には、骨を吸収する「破骨細胞」が深く関わっています。ビスホスホネート、破骨細胞の働きを強力に抑制し、骨を強くする効果を発揮します。

ただし、まれに起こる副作用の「顎骨壊死」に注意が必要です。顎の骨の組織や細胞が局所的に死滅し、骨が腐った状態になることです。感染などで病気になった骨が「正常に吸収されない場合」に発生します。口に中の痛み、歯が自然に抜ける、顎の腫れといった症状が現れるので注意してください。

そのため、ビスホスホネートを服用する際には口腔衛生状態を良好に保つことが何よりも大切です。さらに、抜歯などの外科処置を受ける際には、処置の3ヶ月前から処置後の創傷治癒が確認されるまで、ビスホスホネートの休薬(服用の一時的な中止)を考慮するべきです。

もちろん骨折などのリスクが強くある場合は休薬できないケースもあるため、自己判断で勝手にやめることはないようにしましょうね。必ず医師や薬剤師のご意見を伺ってから、処置をするようにしましょう。

歯の萌出異常について。。。

新型コロナウイルスの影響もあり、市町村での歯科健診が中止されている昨今ですね。そのせいか、当院でも、子供の口腔内を見る機会が増えたような気がします。

気付いたことがあるのですが、大人の歯が生えてもいい時期になっても生えてこない、顎の骨の中でとどまってしまうなどの萌出障害が増加していると感じます。顎の骨の狭窄化、咀嚼機能の脆弱化により萌出時期が遅れるため、その割合は増えていると考えられます。萌出障害を予防するには注意深くお子さんのお口を観察し、定期的に歯科医院でエックス線により顎の骨の中の状況を評価する必要があります。

近年の子供たちは萌出時期の個人差が大きく、平均より1年ほど遅かったり、早かったりすることも珍しくはないです。萌出障害の目安は、子供の歯に動きがなく大人の歯が出てきた、子供の歯が抜けて3ヶ月以上しても大人の歯が出てこない、生え変わり時期を1年過ぎても萌出してこない、大人の歯の位置異常が大きい、大人の歯の萌出の左右差が半年以上あるなどのようなことがある場合は、萌出障害が疑われます。萌出障害は発見が遅れるほど、治療が困難になるので、上下4本の前歯が生える頃を目安にかかりつけの歯科医院を受診してみてください。

目視では歯周病の判定は困難です

歯科医院で「歯石を取りましょう。」と言われて、チクチク歯茎を触られたり、歯石を取るだけなのに、写真を取られたりした人もいるでしょうね。
そして、そもそもなぜ歯石を取らなければいけないのでしょう。

歯周病の原因は歯に付着した細菌の塊(歯垢、プラーク)です。歯垢を取り除かなければ、歯周病の進行を食い止めることはできません。歯石とは、その歯垢が唾液の成分などで石灰化したものを言います。歯石となってしまうと、歯ブラシでは取ることが不可能なため、歯科医院で専用の器具で取ってもらわなければなりません。

歯周病は見た目だけでは、判断しにくい病気で、歯肉が腫れているからといって歯周病というわけではないのです。そのため、見ただけでは判断しにくいので歯周病検査、レントゲン診査をする必要があります。

歯周病は進行の度合いによっても、治療の方法が変わります。そのためにもきちんとした歯周病の治療をするためにも検査は必要なのですね。決して歯茎に針を刺しているわけではありません。

レントゲン写真を撮ることで異常がないと思われた歯の根が膿んでいたり、新たな病変の早期発見に繋がることもありますので、かかりつけの歯科医院に相談してみましょう。

歯が原因でない歯の痛みとは。。。

虫歯で神経が刺激されていたり、歯周病で炎症が波及していたりすると歯はずきずき痛みます。この歯が原因でずきずき痛むのであれば、「歯原性歯痛」ということができます。しかしながら、歯に異常が無くても痛むことがあり、これを「非歯原性歯痛」といいます。

虫歯や歯周病などの歯科疾患がないにもかかわらず、歯が痛む場合に疑われるのが非歯原性歯痛というものです。統計によるとこの痛みを訴えて歯科医院に来られた方は3%ほどいるそうで、9%は歯原性歯痛と非歯原性歯痛の混合型との報告があります。この非歯原性歯痛の原因は大きく8つあり、最も多いのは食べ物を噛むときに使う咀嚼筋を酷使したことなどで起きる筋・筋膜性の歯痛です。これが6~7割を占めます。

筋・筋膜性歯痛は就寝中に歯を喰いしばっていたり、するめなどの硬い食べ物を好んで食べる人に起こりやすいです。この就寝中の喰いしばりによる筋・筋膜性疼痛は就寝時に装着するマウスピース(ナイトガード)である程度予防できます。また、硬いものを食べすぎない、仕事中に休憩をはさみ、顎を大きく開けるストレッチをしたり、咀嚼筋をマッサージしたりすることが改善策となります。

しかしながら、非歯原性歯痛は一般の歯科医院ではなかなか診断がつかないことがあります。その場合は、専門の医療機関に診ていただく必要がありますね。

妊娠期、更年期に発症しやすい歯周病を予防しましょう

歯を支える歯肉や歯槽骨が細菌感染などで炎症を起こし、歯肉の腫れや出血、歯槽骨が溶ける、歯が抜けるといった症状が現れるのが歯周病です。歯を失う約42%が歯周病によるものだという調査結果もあります。

原因の一つに歯と歯の間、歯と歯肉の境目の清掃が十分でないために口腔内に細菌が蓄積されることが挙げられます。特に女性にはライフステージの状況によって歯周病を発生し、悪化させやすい時期があります。

妊娠中はホルモンのバランスを崩し唾液の粘性が高まり口腔内を清潔に保つ機能が低下します。そのため、歯肉に限局した歯肉炎を発症しやすくなります。妊娠中は、つわりの影響で歯磨きがおろそかになりやすく既に歯周病のある人は悪化しやすいです。

また、更年期では自律神経の働きやホルモンバランスの乱れにより唾液の分泌が減少してドライマウスという口腔内の乾燥を感じることが多くなります。そうなると、汚れがこびりつきやすく、通常のブラッシングでは汚れをきちんと取り除くことが難しく細菌も繁殖しやすくなります。その結果、歯周病を誘発することがあります。

これらの女性特有のライフステージにおいて歯周病になりやすい時期には特に、歯科医院での予防処置が大切になります。是非、かかりつけ歯科医院での3ヶ月に1回の定期健診とブラッシング指導およびプロフェッショナルケアを受けましょう。

プラークの除去について

プラークや歯石はどうやったら取れると思いますか?基本的にプラークは日常の歯磨きで除去することができます。なぜならば、最初は軽く歯にくっついたものだからです。でも、プラークは時間が経つと通常の歯磨きでは取れないほどしっかりくっついて、悪さを始めます。さらに時間が経つと、プラークは石のように硬くなります。これが歯石です。

プラークは細菌の塊です。完全にキレイにした歯に、虫歯菌などの細菌がプラークを作るまで、約24時間と言われています。そのことから、毎日の歯磨きを完璧にしていればプラークはできないことになります。しかし口の中はとても複雑な形をしているため、完璧に歯磨きをすることは不可能に近いです。そのため、磨き残しの部分に残ったプラークは成長していきます。見えるところにできた初期のプラークは歯ブラシで除去することは可能ですが、問題は見えないところについたプラークです。

これを放っておくとプラークは日々病原性を増し、しっかり歯にくっついてきます。この状態が続くことが最も歯や歯茎の健康に悪いと言われています。さらに数週間たつと、プラークは硬くなって歯石となります。こうなると、専門的な機械や道具を使わないと取ることができません。今度は歯石を足場にして、さらに細菌がくっついて増大し悪さをしていくようになります。

これまでのことから、最良と言えるのはセルフとプロのクリーニングですね。日々のブラッシングは毎食後、自分自身でしっかり行うようにし、3ヶ月に1回はプロの手でプラークと歯石を取ってもらいましょうね。

新型コロナウイルスと歯周病との関係は。。。

歯周病が新型コロナウイルス感染症に影響があることがマスコミなどから報道されています。実際のところはどうなのか、調べてみました。

ウイルス感染は主に鼻と口、目から起こります。ウイルスが粘膜細胞の中に入り込んで初めて感染いたします。口腔衛生の状況が不良で歯周病菌が増えると強力なタンパク分解酵素が生産され口腔粘膜の表面にダメージを与え、ウイルスが粘膜細胞内に入り込むのを促します。つまり歯周病に罹患すると新型コロナウイルスにかかりやすくなります。

歯周病で唾液中の細菌が増えると、微量の唾液の誤嚥でも肺炎を起こしやすくなり、新型コロナウイルスによる肺炎が重なると重篤化する可能性が大きくなります。

また、歯周病が進行すると、細菌や毒性物質が血管から全身に拡散され、免疫細胞がウイルスと戦うために作られるサイトカインが制御不能となって、放出され続ける「サイトカインストーム」を起こしやすくなります。それによる血液凝固異常により血栓ができると、死に至る可能性も起こります。

歯周病予防の基本は日頃の歯磨きによるプラーク(歯垢)コントロールが一番大切です。でも、自分で行う歯磨きには限界があり、歯周病の進行度合いによっては定期的な専門的口腔ケアが必要です。

このコロナ禍で歯科医院に行くことをためらう人も、中に入ることでしょう。ただ、必要な口腔衛生管理や歯科治療を控えることで、さらに全身の健康に悪影響を招く可能性もあることも知っておいてほしいと思います。

保険診療は少しずつ変化しています

1961年に日本で国民皆保険が達成されて以降、保険治療というものが我が国には存在いたします。ほぼすべての疾患に対して、保険診療でカバーされています。それでも被せ物や入れ歯の治療には保険の治療と自費の治療が存在いたします。

保険の詰め物や被せ物は技術や材料の進化に伴い、どんどん変わってきています。十年前であれば保険で白くできなかったところも白くできたり、アレルギーの少ない材料が使えたりと日進月歩です。

今までであれば保険の金属にアレルギーがあり、それを避けて治療するには保険の利かないセラミックを選択するしかない場合でも、6年ほど前から保険導入されたCAD/CAM冠というものができるようになりました。これはコンピュータ技術によりデザインされた三次元の歯の被せ物の形を白いブロックから削り出し、作る作業で比較的安価で白い歯が入ります。保険診療で製作されるCAD/CAM冠はレジンを使用しているため、金属と比較して強度が劣るといった欠点があります。

使える部位に制限がありますが、気になる方はかかりつけの歯科医院でご相談くださいね。

妊娠中の口腔ケアについて

妊娠時に多いのは、歯茎の腫れと出血です。これは口腔細菌の影響のみならず、ホルモンバランスも大きく影響しています。適切な口腔ケアによって改善を図りたくても、体調によっては口腔ケアがおろそかになってしまう事もあるかもしれません。体調不良やつわりが落ち着いたら、妊婦歯科健診の受診をお勧めします。

歯科医院では症状に応じて一人一人に合ったブラッシング指導や補助器具の指導を行い、食生活の指導なども行い、それを実践してもらいます(セルフケア)。また、必要に応じて歯科医師や歯科衛生士による口腔ケア(プロフェッショナルケア)も行ってもらいましょう。

妊娠中から、両方のケアを実践し継続することが非常に大切です。虫歯がある母親の子供は、ない母親の子供よりも約三倍多くなるという実験報告もあります。お母さん自身が適切なオーラルケアを行うことで、結果的に将来のお子さんの口の健康へつなげることができますね。これから産まれるお子さんの歯の健康のために歯科医院へ行きましょう。

歯周病予防のためにできることは。。。

年齢を重ねるほどに失う歯の数は増えてきます。歯がなければうまく咀嚼できず、栄養面での心配も出てきますね。歯が少し欠損していてもある程度、入れ歯やブリッジで対応できますがやはりは自分の歯で咀嚼するのが一番です。

歯を失う原因の1位は歯周病です。歯周病の原因は歯にへばりつくプラーク(細菌の塊)で、プラークを放置すると歯周病菌が歯茎のポケットに入り込んで歯槽骨を溶かします。さらに、歯周病菌が血管に入り込めば、認知症、心臓疾患、糖尿病など全身に大きく影響します。また、口臭の原因にもなります。歯周病の厄介なところは、静かに進行するところです。自覚症状は乏しく、知らない間に歯周ポケットが深くなっていることもありますから。放っておけば進行してしまい、歯を支えている歯槽骨が溶かされてしまいます。特に女性は更年期になると、骨粗鬆症になりやすくなるので歯周病が悪化しやすいと考えられています。この歯周病は早期に治療を始めれば進行を止められますが、重度になると元に戻すのはかなり難しいです。

歯周病を予防する、進行を止めるには正しい歯磨きと、歯科での定期的なクリーニングが大切です。せめて3ヶ月に1回、歯周病と判れば毎月でも歯科衛生士によるプロフェッショナル・クリーニングを受けると良いでしょう。

受診控えで悪化させてはいけません

首都圏では新型コロナウイルスの感染拡大のために2回目の緊急事態宣言が発令されました。そのため歯科医院への受診控えが起こる可能性がありますね。昨年春の1回目の緊急事態宣言が発令された際にも、そのような様相が見られました。

この歯科医院への受診控えにより、お口の中の状態が悪化する人が増えてきているようです。

神奈川県保険医協会のホームページによると、7月の調査で受診遅れのために悪化したケースが見つかった医療機関が59%あったそうです。歯周病の悪化が35件と最も多く、虫歯の進行も18件。また「入れ歯が痛くても我慢していた高齢の方は、ひどい褥瘡性潰瘍になっていた」など、結構深刻です。

受診控えは、保団連の調査で89%が「外来患者が減少した」と答えていることで明らかです。この減少率は都心部で大きいです。

コロナ感染を心配することによって患者さんが受診を控えたと思われますが、歯科治療の現場はコロナ禍の前から、唾液や血液を含んだ飛沫が飛び散らないように敏感に対応しています。実際、歯科治療に起因したクラスターは確認されていません。虫歯や歯周病に自然治癒はありません。歯科医院側も十分に感染予防をしていますので、安心して通っていただけたらと思います。