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骨隆起を知っていますか?
歯科診療をしていると、歯茎の腫れを主訴に来院される患者さんが多くいます。
その中で上顎の中央や下顎の内側にできたコブのような腫れを心配し、受診される方がいます。それらのほとんどは、「骨隆起」と呼ばれる非腫瘍性の骨の隆起で、骨質の局所的な過剰発育です。
この原因は明らかではありませんが、炎症性刺激や歯を介して顎骨に加わる咀嚼応力などの咬合機能が関与していると言われています。
実際に臨床上では目にすることが多く、歯ぎしりや喰いしばりが強い方によく見られますが、遺伝的な可能性もあります。
骨隆起は骨の膨らみのため、触ると「硬い」感じがします。
骨隆起は、その存在自体が問題になることは少なく、経過観察することが多いのですが、大きさや形状によっては入れ歯の製作や装着の際に障害となったり、口腔清掃が困難で炎症を引き起こしたりする問題があります。
また、それらの隆起を覆う粘膜は薄いため、硬い食物の接触刺激で痛みや潰瘍を認めることもあります。もし障害が出るようであれば、骨隆起を切除する外科手術を行われることもありますね。
妊娠中は歯周病になりやすいのです
女性ホルモンが変化すると歯茎が炎症を起こしやすくなることが知られています。
歯周病菌の中には、女性ホルモンを餌として繁殖するものがあります。出産前の女性ホルモンの分泌量は月経時の10~30倍。
そのようなことからも、妊婦は歯周病になりやすいといえます。
歯茎が炎症を起こすと、歯茎が腫れると歯との間の溝も深くなり、歯垢が溜まります。歯垢に含まれる歯周病菌により歯茎が炎症を起こし、さらに溝が深まって「歯周ポケット」になります。
そしてこれは歯ぎしりなどの過剰な咬合力がかかることでより進行いたします。
空気を嫌う歯周病菌がそこで繁殖して微弱な酸を作り出し。歯を支える骨まで溶かします。
妊婦が歯周病の場合、早産や低出生体重児のリスクが高まるという調査結果があります。それは喫煙や高齢出産よりも高いと言われています。
なぜなら子宮を収縮させて出産を促す物質が歯周病菌による炎症からも生じ、歯茎から血管に入り早産に繋がることがあると考えられています。
また歯周病になると血糖値が上がるともいわれ、妊娠糖尿病の人はより注意が必要です。
妊娠中の歯周病治療は応急処置になってしまうことが多いです。
そのため、日ごろから口内を清潔にしておく必要があります。
できれば妊娠前からの定期健診を歯科医院でしっかり受けて、歯磨きのチェックをしてもらうように心がけましょう。