入れ歯の材質的な問題について-新潟市中央区の歯医者|りんご歯科医院

院長ブログ

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入れ歯の材質的な問題について



総入れ歯の口蓋部分の厚みが気になって使用していられないという悩みを抱えている患者さんがかなりいます。保険診療で通常使用するレジン床は、強度を保つためそれなりの厚みは絶対必要です。薄くするのに限界がありますし、口蓋を覆わなければ義歯の接触面積がなくなり、入れ歯は簡単に外れてしまいますものね。この部分を金属床というものにすると、かなり薄くできるので違和感が少ないです。また、使用する金属もチタンという生体親和性が高く軽いものにすると、顎が疲れず快適だとおっしゃる患者さんは多いです。(コバルトクロム合金だと重みがあるので疲れる人が多いです)そのため、当院ではチタン材料の金属床をお勧めしていますが、保険が認められないため高額です。でも、違和感の少なさや強度を考えると最適だと思います。常に使用しなければならないものなので、ご一考いただくといいかと思います。
明日のブログは、講習会に参加のためお休みさせていただきます。明後日からまた見ていただけたら幸いです。


被せ物が取れる理由は虫歯なの?

        

虫歯が原因で被せ物が取れることは確かにあります。でもそれだけではないです。個人的に、就寝時の喰いしばりや歯ぎしりが大きく関与しているケースの方が多いのではないかと思っています。就寝時に被せ物を入れた歯に過剰な咬合力が働いて、被せ物のセメント層を破壊している可能性が高いのですね。そしてある日突然、被せ物がポロっと外れてしまう。。。

去年の話ですが、恐らくそうであろうと思う人が来られて、その旨をお話したのですが、就寝時なので本人の自覚がないのですね。なかなか僕の言うことを受け入れてもらえなかったのですが、ある日、奥様から「昨日凄い音を出して歯ぎしりしていたけど大丈夫?」と言われたそうです。それからも特に何もしなかったので、2ヶ月に1回ぐらいの頻度で外れてきました。しばらく続き、さすがに本人もどうすればいいのかと思ったそうで、相談に来られました。そこで就寝時のみ装着する歯ぎしり用のマウスピースを勧めました。本人にも納得していただき製作に踏み切り、セットして1年ほど経ちますが、それからというもの被せ物が外れることは一度もないですよ。今ではメンテナンスの時だけ、口腔内の清掃とマウスピースの調整だけで済んでいます。

この過剰な咬合力を持って、就寝時に歯ぎしりをされているなと思う人は少なくないです。歯を見ると咬み合わせの部位が異常に摩耗しているのですね。そのような患者さんに被せ物を入れてもかなりの頻度で外れるケースをいっぱい見てます。中には歯根破折という自分の歯の根も割ってしまい、保存が無理な人もいます。是非そうならないよう、心当たりがある人は検討していただいたらいいかと思います。
(写真は歯ぎしり用のマウスピースを模型につけてトリミング中のものです)


当院のスタッフルーム



当院のスタッフルームは院長室と一緒です。昼ご飯は皆で一緒に食べます。当院は基本的に昼休みが1時間程しかないため、あまりゆっくりしていられませんが。。。
でも、割と午後2時から4時くらいまでは患者さんが少ないため、ここでお茶をしたり会議をすることもありますよ。少しでもスタッフがくつろげるよう内装は変化をつけていきたいなと思います。


新しい家族



あまりプライベートのことはブログに書かないようにしてますが、嬉しいことがあったので書かせていただきます。
私の家に新しい家族、黒色トイプードルの子犬がやってきました。まだ生後2ヶ月半、乳歯が生えてきているようで、あちこち噛んで家内を困らせています。非常にやんちゃで、オテンバ娘ですが可愛くて仕方ないです。この子の名前は小春といいます。
7月に小町というシェルティ犬が11歳で亡くなり、何となく家の中が寂しかったのですが、この子が来てなんか明るくなったと思います。小町は晩年は歯槽膿漏にも悩まされていたので、この子は絶対そうさせないよう今からしっかりケアしていきたいと意気込んでおります。頑張りますよ~。


野口英世記念館に行ってきました



昨日までの連休に福島県に家族で旅行をし、野口英世記念館に行ってきました。完全リニューアルされていて、凄くきれいでしたよ。娘もここがお気に入りで、何年か前の夏休みの自由研究で野口英世の研究をしてました。
そこで、いろいろな角度から娘と一緒に彼を調べてみると、生い立ちは貧しく、医者になるのも大学を卒業したわけではなく、当時の開業試験に合格して医者になったのですね。もの凄い難関を突破して晴れて医者になったものの、日本では大学出ではなく指の不自由な英世を医学界はなかなか受け入れてくれなかったようですね。そして、彼は縁を持ったフレキスナー教授の下に出向き弟子にしてもらったようですが、それこそもの凄く働き、研究していたようですね。彼の人間性は少しムラがあり自分を過大表現し、借りた金を返さなかったりしたこともあったようですね。でも、彼は当時の日本の花形研究者で、戊辰戦争で痛手を受けた福島県の誇りでもあったわけです。51歳という若さでこの世を去った野口博士は、やはり日本を代表する偉人だったんですね。
これだけ素晴らしい功績を研究的にも社会的にも残した野口博士に少しルーズな面があったのは、僕にとってかえって魅力があります。完璧な人間ではなく、それこそ努力して栄冠を掴んだところに素晴らしさを感じますよね。


歯科医師としての幸せ



どうして歯科医師になったの?と聞かれると、恥ずかしながら良い答えが出ません。今言えることは「親が歯医者だったので何となく」です。
でも、何で今も歯科医師をしているの?と聞かれると「やっていて楽しいから」とはっきり言えます。何が楽しいの?と聞かれると「患者さんに入れ歯や被せ物をセットして喜んでもらえたり、医院に来てお口の中の健康に興味を覚えてくれて、それを維持しようとしている患者さんの手助けができるから」なんですね。

僕の思う歯科医師の喜びって、ここにあるなぁと改めて感じます。歯科医師を志した気持ちは立派なものではないけど、継続していくにはそれなりに幸せや生きがいを感じているからなんですよね。志した時のことは過去のものですけど、今の生き甲斐は現在進行形ですものね。だから、この気持ちを忘れずにブレることなく継続していきたいと、46歳になる前の日に思います。
(今日と明日は医院はお休みです。明日はブログもお休みとさせていただきます。また明後日から見ていただけたら幸いです)


難症例の入れ歯の対応



上顎か下顎の片側のみの欠損で入れ歯を入れる場合、片側のみ入れ歯を入れるのでシングルデンチャーといいます。特に上顎が総入れ歯で、下顎はほぼ自分の歯が残っている人は結構多くいます。これは、恐らく歯周病になった歯に下顎の残存歯の過大な咬合力で上顎の歯が突き上げられて、上顎の歯周病が悪化して歯が脱落したのではないかと思います。このような場合、上顎骨はゆっくり吸収が起こります。いわゆる歯茎が痩せてくるわけです。上顎の場合、頬側の骨から痩せるので下顎の歯列に対して小さく狭い歯茎になります。その歯茎に入れ歯が乗って下顎の歯に合わせて人工歯を正常咬合排列にすると、上顎の入れ歯の正中部に応力がかかるため、割れるケースが頻発することがあります。この場合、保険診療では人工歯の臼歯部の位置を下顎の歯列に対して内側に並べ、交叉咬合排列というものにしますが、それでも咬合力があまりにも強ければ、正中で割れてくることがあります。保険診療では補強線というワイヤーの金属を入れますが、それでも効果は大して期待できないです。そうなると自由診療のチタンという硬くて軽い、生体親和性が高い金属を口蓋を覆う形態にするのが良いのではないかと思います。自由診療なので高額ですが、金属部分が壊れることが考えにくいほど丈夫です。かつコバルトクロムなど他の金属よりも軽いので、顎が疲れることは少ないかと思いますよ。
(写真は上顎口蓋部分をチタンという金属で覆った金属床義歯です。当院では総入れ歯の場合25万円(税別)からとなります。高額ですが、メリットは大きいです)


メンテナンスの意味



当院は3ヶ月に1度、患者さんにお手紙を書き、リコールの案内を出させていただいてます。いわゆるメンテナンスですね。歯科医院が主に対象となる疾患としては、虫歯や歯周病が多いです。この2つの病気は、本来は慢性の病気です。慢性の病気は痛みがなく自覚症状のない状態が続きますが、ゆっくり病気を進行させるのです。(痛みが出たときは、何かをきっかけに急性化したと考えられます)いわば、医科でいう糖尿病や高血圧のような病気ですね。これらの疾患は、1回のお薬投与や点滴などで良くなるわけではありません。言い方は悪いかもしれませんが、治癒するものではないのです。(よほど軽度なら完治するかもしれませんが)つまり、治療は急性化しないよう、程度が悪くならないようにするためにコントロールするしかないのです。そのため、糖尿病や高血圧の患者さんは、食事や運動療法、長い期間のお薬の投与、そして長期にわたる通院が絶対的に必要なのです。
虫歯や歯周病も同じです。一度虫歯菌に感染し侵襲された虫歯は治っていません。人工材料にして補っているだけです。ケアを怠れば、被せ物や詰め物の辺縁部からの再発があり得ます。歯周病も深いポケットが多少浅くなったにしても、一度感染してしまった歯周病菌を根底から排除することは、残念ながら現状の医療では無理があります。
ですから、日常のブラッシングや定期的なメンテナンスで悪くならないように維持していくことが非常に大切なのです。是非、そのためにも歯科医院からのリコールに行ってメンテナンスをされた方が良いといえるのです。


佐渡から来ていただいている患者様



当院には、離島の佐渡から来院されている患者さんがいます。佐渡市にも歯医者さんは多くあるのですが、わざわざ2時間半も船に乗って来ていただいていることを嬉しく思います。
来院理由はバネが見えない入れ歯を作ってほしいという事でした。それならばノンクラスプデンチャーという金属のバネが見えないものがありますが、いかがでしょうかと提案させていただきました。この入れ歯は、医療保険が効かず自由診療ですが、納得していただき製作に踏み切ることになりました。実際に、製作した入れ歯をセットして違和感なく使用できることに僕としても嬉しかったのですが、入れ歯のバネが見えないことで凄く審美的で、笑顔が輝いて見えたことを覚えています。
当初は入れ歯の製作のみの要望でしたが、不運にも前歯の被せ物が外れてしまいました。外れたものは適合が良かったため再セットが可能でしたが、保険の被せ物だったため色が変色していました。「できれば極力色が変わらない被せ物にしてほしい」と言うため、これも自由診療でセラミック冠を提案しました。現在、土台から製作中ですが、頑張って良いものを提供できるように努力しています。

自由診療はどうしても高額になるため、医療者側として勧めにくい傾向があります。(僕自身は自由診療を勧めることにより、がめついと思われるのでないかと思っていました)でも、患者さんはそういったことよりも、きれいで耐久性があるものが良いと思われる方は少なくありません。自由診療ならば良いものがあると説明するのは、本当の親切なのかもしれないと思います。選ぶのは患者さんです。患者さんの財政状況を医療者側が心配するのは失礼な話なのかもしれませんね。過去の自分の考えを今では反省しています。
(ノンクラスプデンチャーの写真です。金属のバネを使わないので審美的です。佐渡から来られている患者さんに同様のものをセットしました)


水曜日は半日診療です



毎週水曜日は、午前の部のみの半日診療です。一週間のうち心休まる日が水曜日の午後です。でも、患者さんへの技工物製作や大学に伺わなければならず、あまりゆっくりしていられませんが。。。また、今夜は尊敬する先生との話し合いを持ち、当院の現状をどう思われるかを聞いてみたく思います。その先生には毎月1回このような形を取らせていただいてますが、今日はどういった話があるのか楽しみでもあります。