2015/11/27
虫歯が原因で被せ物が取れることは、確かにあります。でも、それだけではないです。僕は個人的に夜間、就寝時の喰いしばりや歯ぎしりが大きく関与しているケースの方が多いのではないかと思っています。就寝時に被せ物を入れた歯に過剰な咬合力が働いて、被せ物のセメント層を破壊している可能性が高いのですね。そして、ある日突然、被せ物がポロっと外れてしまう。。。
去年の話ですが、恐らくそうであろうと思う人が来られて、その旨をお話しさせてもらったのですが、就寝時なので本人の自覚がないのですね。なかなか僕の言うことを受け入れてもらえなかったのですが、ある日、奥様から「昨日凄い音を出して歯ぎしりしていたけど、大丈夫?」と言われたそうです。それからも特に何もしなかったので、2か月に一回ぐらいの頻度で外れてきました。しばらく続き、さすがに本人もどうすればいいのかと思ったそうで、相談に来られました。そこで、僕は就寝時のみに装着する歯ぎしり用のマウスピースを勧めました。本人にも納得していただき製作に踏み切り、セットして1年ほど経ちますが、それからというもの被せ物が外れてくることは一度もないですよ。今ではメンテナンスの時だけ、口腔内の清掃とマウスピースの調整だけで済んでいます。
この過剰な咬合力を持って、就寝時に歯ぎしりをされているなと思う人は少なくないです。歯を見ると咬み合わせの部位が、以上に摩耗しているのですね。そのような患者さんに被せ物を入れてもかなりの頻度で外れてくるケースをいっぱい見てます。中には歯根破折という自分の歯の根も割ってしまい、保存が無理な人もいます。是非そうならないよう、心当たりのある人は検討していただけたらいいかと思います。
(写真は歯ぎしり用のマウスピースを、模型につけてトリミング中のものです。)
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