2015/11/21
上顎か下顎の片側のみの欠損で、入れ歯を入れる場合、その片側のみ入れ歯を入れるのでそれをシングルデンチャーと言います。特に上顎が総入れ歯で、下顎はほぼ自分の歯が残っている人は結構多くいます。これは、恐らく歯周病になった歯に下顎の残存歯の過大な咬合力によって、上顎の歯が突き上げられることにより、上顎の歯周病が悪化して歯が脱落したのではないかと思います。このような場合、上顎骨はゆっくりと吸収が起こります。いわゆる歯茎が痩せてくるわけです。上顎の場合、頬側の骨から痩せてくるので下顎の歯列に対して小さく狭い歯茎になります。その歯茎に、入れ歯が乗って下顎の歯に合わせて人工歯を正常咬合排列にすると上顎の入れ歯の正中部に応力がかかるため、割れてくるケースが頻発することがあります。この場合、保険診療では人工歯の臼歯部の位置を下顎の歯列に対して内側に並べ、交叉咬合排列というものにしますが、それでも咬合力があまりにも強ければ、正中で割れてくることがあります。補強線というワイヤー様の金属を保険診療では入れますが、それでもその効果は大して期待できないです。そうなると自由診療になりますがチタンという硬くて軽い、そして生体親和性の高い金属を口蓋を覆うような形態にしていくのが良いのではないかと思います。確かに自由診療になるので高額ですが、この金属部分が壊れることは考えにくいほど丈夫です。かつコバルトクロムなどの他の金属よりも軽いので、顎が疲れることも少ないかと思いますよ。
(写真は上顎口蓋部分をチタンという金属で覆った金属床義歯です。当院では総入れ歯の場合25万円<税抜き>からとなります。高額ですが、メリットも大きいです。)
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