歯の豆知識 目次

全身の健康管理と歯周病予防には、歯磨きと唾液が必要です。(2018.10-1)
中高年の虫歯と唾液の関係について。(2018.9-2)
強い歯を作るために、バランスの良い食事をしましょう!(2018.9-1)
嚙む力や飲み込む力を保つための体操を知っていますか?(2018.8)
高齢者は歯がたくさん残っていたとしても、安心しないで下さい。(2018.7)
デンタルユニットから出る水について...(2018.6)
「あいうべ体操」をやってみましょう(2018.5)
歯周病が及ぼす全身への影響について(2018.4)
嚙む力の低下は、衰えのサインです(2018.3)
金属アレルギーって知ってますか?(2018.2)
食後の歯磨きと、生活習慣病の関係性について(2018.1)
高齢者の虫歯について(2017.12)
口内炎について(2017.11)
骨粗しょう症の治療などに使われる、ビスホスホネート製剤の副作用には注意が必要です(2017.10)
歯ぎしりしているかもと思ったら、歯科医院へ(2017.9)
歯がしみるのは知覚過敏かもしれません(2017.8)
噛む力が低下すると老け顔になります(2017.7)
虫歯予防に効果のあるキシリトール、リカルデント、フッ素って知っていますか?(2017.6)
洗口液って、本当に効くの?(2017.5)
スポーツマウスガードのすすめ(2017.4)
歯を失うことで体にも影響があります!(2017.3)
歯茎の健康と全身の健康について(2017.2)
歯を抜いたら、入れ歯かブリッジもしくは、インプラント(2017.1)
歯周病と糖尿病との因果関係(2016.12)
顎の調子が悪いなと思ったら、顎関節症を疑いましょう(2016.11)
大人の虫歯の特徴(2016.10)
子供の歯を守りましょう(2016.9)
災害時こそ歯磨きが大切です(2016.8)
歯の健康寿命を伸ばしましょう!(2016.7)
唾液は老化のバロメーター(2016.6)
正しい舌のケアについて(2016.5)
むし歯の成り立ちについて(2016.4)

全身の健康管理と歯周病予防には、歯磨きと唾液が必要です。

口の中の健康と長寿は、密接に繋がっているようです。

ある大学教授は、「健康を保つために、唾液が重要な役割を果たしている。」と言います。

口の中の健康の大敵は「歯周病」です。
歯周病は45歳以上の成人の歯を失う原因の第一位です。

歯周組織の総面積は、手のひらと同じ大きさと言われてますから、歯周病があるとかなり広い範囲の炎症を起こしていることになります。
この炎症のある歯周組織には細菌がたくさん住み着いて、それらが、体に悪影響を及ぼします。

例えば、高齢者の死因ともなっている誤嚥性肺炎。。。
食べ物が誤って、器官から肺に入ってしまい、口の中の細菌により引き起こされる肺炎です。
それ以外にも、動脈硬化を進めたり血糖値のコントロールを困難にしたりします。

そうならないためには、どうしたらいいでしょうか?

まずは、当然のことですが「歯磨き」です。

1日3回食後に磨くことが理想ですが、難しければ3回のうち1回、寝る前だけでも入念に磨くことが大切です。
この時、くまなく磨くのならば最低5分はかかります。
そして、歯間ブラシや、デンタルフロスも併用しましょう。
歯ブラシでのブラッシングのイメージとしては1歯ずつ磨いていく感覚です。
そして歯茎のマッサージ効果も得られるように、歯と歯茎の境目は優しく入念に行いましょう。

さらに3ヶ月に1回の定期健診をして、歯石を取ってもらえばある程度、歯周病は予防できます。
そして、もう一つ大切なことは、「唾液がしっかり出る」ようにすることです。

通常は、人は1日1~1.5ℓの唾液が出て、歯周病菌を受け付けないようにしてくれます。
しかも、食べ物を飲み込みやすくする潤滑油にもなるため、誤嚥性肺炎が起こりにくくなります。
付け加えれば、唾液に含まれるNGFという物質が脳神経の機能を維持し、脳の老化を防ぐ可能性もあるのです。

このように、全身の健康を守るためにも唾液の存在は本当に重要です。
もし、唾液の量が最近、減ってきたなと感じられる方は要注意ですね。

ドライマウス(口腔乾燥症)かもしれませんね。。。

ドライマウスの原因としては、目や口の中が乾くシェーグレン症候群だったりすることもあります。
その他の原因としては、心因的なストレスや糖尿病、腎不全などによることもあります。
また、飲まれている薬の副作用の可能性や、嚙むための筋力の低下なども考えられます。

もし、口の中の乾きが気になる方は、かかりつけの歯科医院でご相談を。

中高年の虫歯と唾液の関係について。(2018.9-2)

厚労省の「平成28年歯科疾患実態調査」によると、歯を失う人の割合は30歳以降、5歳ごとに10%アップするが、50歳以降からは、その割合が20%と大きくなるというショッキングな報告がされています。
一方、虫歯治療をした人の中で、両側2本の歯を支柱にして欠損した歯の代わりにクラウンを被せるブリッジ処置をした人の割合は45~49歳で4.8%。
50~54歳ではそれが跳ね上がり、55~59歳で12%、60~64歳で13.9%、65~69歳で15.9%と増えていきます。

これらの数字から、歯を失う転機が「50歳」であることが解ります。

それはなぜか?

これは、歯茎が痩せてしまい、エナメル質より軟らかい歯根部が露出することと、過去に詰め物などの治療した歯の内部に虫歯が広がることが言われています。

また、唾液の量と質の変化も関係しています。
唾液は、50代から目立って変わっていき、口腔内が虫歯菌の活動しやすい環境に成りえるのですね。
唾液と言っても、その性質は3種類あります。

サラサラ系ネバネバ系、その両方を合わせた混合系です。

健康な人は、この3種類がバランス良く分泌されているのです。

その割合は、安静時と食事時では変化するのが知られています。
若く健康な方なら、安静時では耳下腺組織からのサラサラ系が20%、混合系の唾液が顎下線から75%、ネバネバ系の唾液が5%分泌されています。

でも、食べ物を咀嚼したりすると耳下腺からのサラサラ系が増えて50%を占めます。

ところが、歳を取ると安静時・食事時に関わらず、サラサラ系の耳下腺組織は活動が低下するため、口腔内全体に粘り気のある唾液が増えてくるのです。

サラサラ系の唾液が減り、粘り気のある唾液が増えると、口腔内の虫歯菌が糖分を分解して、産出する酸を中和する力が弱くなります。

その結果、虫歯菌が繁殖してしまうのですね。
このような生理的な変化に対応するためにも、中高年の方は歯科医院で定期健診をしっかりと受け、
虫歯のチェックをしてもらうことをお勧めいたします。

強い歯を作るために、バランスの良い食事をしましょう!(2018.9-1)

強い歯を作るには、普段の食生活で十分に栄養バランスの取れた食事を取ることが大切です。 
人間の歯や骨は体の中で最も硬い組織で、少量のタンパク質と多くのカルシウムやリンなどのミネラル成分でできています。これらの成分は強くて丈夫な歯を作るためには、欠かせない栄養素です。ミネラル成分を多く含んだ食べ物には小魚類やレバー、海藻類、牛乳、卵、大豆、野菜、果物などがあります。意識してこれらの食べ物を摂るようにしましょう。

また、最近は軟らかい食べ物を好む傾向がありますが、よく嚙んで食べることも健康で丈夫な歯を作る上で欠かせないポイントです。よく嚙むと、唾液がたくさん出てきて消化吸収を良くする働きをするほか、唾液にはカルシウムやリンが飽和状態で含まれているので、歯のエナメル質から溶け出したカルシウムやリンを補う力があります(これを再石灰化と言います。)。

成長期では、硬い食べ物をよく嚙むと美しい歯並びを形作るのにも役立ちます。さらに、唾液には糖尿病、動脈硬化、がん予防に繋がる成分が含まれていることが知られています。
強い歯で嚙むには、虫歯予防、歯周病予防を最初に行うことが大切です。
お口のことで気になることがありましたら、歯科医院で定期健診を受けることをお薦めいたします。

嚙む力や飲み込む力を保つための体操を知っていますか?(2018.8)

最近、食べこぼしやむせてしまうことが多くなった気はしませんか?

加齢とともにお口の機能が衰える「オーラルフレイル」の兆候を早めに発見し、対処することが大切です。
「フレイル」とは「虚弱」を意味する英語が語源で、高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態を指します。
「オーラルフレイル」は口の機能の衰えが、食欲の低下や栄養の悪化に繋がるという概念で、近年注目されています。

口の健康を維持するためには、歯の本数だけでなく、嚙む力や飲み込む力、舌の力を保つことが重要です。
硬いものが噛めないと、軟らかいものばかりに偏り、嚙む力が低下するという悪循環に陥ります。
例えば、さきイカやたくあんなどの硬いものが噛めない場合、嚙む力や筋力が弱まっている可能性があります。
お茶や汁物でむせることがあれば、飲み込む力も低下している可能性があります。

これらの症状を予防するには以下に示す体操が有効です。
それは、「パタカラ体操」。
「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ、パタカラ」と大きな声で繰り返すものです。
パは唇、タは舌の先を使うといったように、口の周囲の筋力を向上させることが期待できます。

どこでも、いつでもできる簡便な方法として、やっていただくと効果があります。
最近、嚙む力や飲み込む力が弱ってきたなあと思われる方は、是非、やってみましょう。

高齢者は歯がたくさん残っていたとしても、安心しないで下さい。(2018.7)

高齢者の歯の咬み合わせが良くなかったり、咬む力や飲み込む力が弱ってきたりすると、要介護状態になるリスクが高まります。
ある歯科大学の教授は、「歯がたくさん残っていても、安心は禁物です。」と警笛を鳴らしています。

日本老年歯科医学会によると、1口腔内の細菌数 2口腔内の乾燥度 3咬合力 4舌や唇の運動機能 5舌による圧力 6食べ物をかみ砕く力 7飲み込む力 のうちに3項目に問題があれば、「口腔機能低下症」に当たるとされています。
70歳を超えると、舌や唇の運動機能が低下し、自分の歯が残っていてもしっかり咬めない、飲み込みにくいという状態になりやすいです。

咀嚼・嚥下機能の低下は脳卒中などの発症と関係している事も分かっています。
咬合力が弱まると、咬みごたえのある肉や繊維質の多い野菜などが食べづらくなり、動物性タンパク質やビタミン類などの不足による栄養の偏りは虚弱や脳卒中、心筋梗塞のリスクを上昇させます。

咬合力には歯だけでなく、筋力も関係します。
この咬合力が弱い人には、歩行速度や全身の筋力低下が見られます。

また、口腔内の清潔さを保つためには適度な量の唾液の成分が必要です。
唾液の量が不十分だと口腔内の自浄作用が損なわれ、細菌数が増えて誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。

口腔内の衛生は歯科で指導を受けて、実践できれば改善できますし、入れ歯の調整などで咬み合わせも改善できます。
自分の歯を大切にすることはもちろんですが、咬む力や飲み込む力が維持できているかどうかを常に意識することが大切です。

気になる方は、かかりつけの歯科医院で相談しましょう。

デンタルユニットから出る水について...(2018.6)

皆さんは、歯医者さんの水はきれいなのが当たり前と思っていませんか?

残念ながら、多くの歯科医院の水は清潔とは言えないのが現状だそうです。
歯科医院の治療水は、水道からデンタルユニット内を経由して患者さんの口の中へ入るようになります。
問題とされるのはそのデンタルユニット内部の状況です。
水道法では、細菌の数は 「1CCに100個以下」と厳格に定められていますが、ある歯科医院では7万個弱の細菌が存在していたそうです。

この問題は週刊誌やテレビにも取り沙汰されるようになり、日本歯科医師会でも認めている事実なのです。
汚染された水を口に入れることはもちろん、口の中の傷口にもこの水を使用する点に大きな問題があります。
これだと例えば抜歯をした際に、患部が異常な痛みで腫れたり、熱が出ることはある意味当たり前かもしれません。
また、歯の治療はどうしても水が飛散します。
場合によっては、この水が目に入ったりして、飛沫感染を起こす可能性もあるのですね...

そもそも、歯科治療は外科処置をする事が多いものです。
歯を抜いたり、歯の神経を取ったり、歯周ポケットを掻爬したりと出血を伴う処置は本当に多いです。

そうなるとデンタルユニットから出る水は、1個でも存在してほしくないですよね。

そんな現状を改善しようとして、2012年に設立されたのがPOIC研究会です。
主に細菌感染や飛沫感染を防ぎ、POICウオーターによる細菌の塊が出すバイオフィルム除去に関する研究を行っています。

そのPOIC研究会が推奨するエピオス社のエコシステムを当院でもこの6月から導入いたしました。
そのエコシステムから生成される水は細菌数は0であります。
しかも、残留塩素濃度を常に10~20ppmに保つため、高い消毒力を有しています。
当院は、この消毒水を使って、日々の全ての診療に当たっています。

これからは、水のことも考えて感染予防に徹する歯科医院が増えてくると思います。
でも、もっと多くの歯科医院がこの事実に気づいてくれることを望んでいますし、それが国民のためになるものと信じています。

「あいうべ体操」をやってみましょう(2018.5)

私たちが特に気にせずに、やっている呼吸には「口呼吸」と「鼻呼吸」があります。

口呼吸をすると、口内が乾燥し乾いた冷たい空気が細菌やウイルスがほこりなどの異物と一緒に直接肺に入ることで、病気にかかりやすくなります。
また、唾液が乾くことは虫歯や歯周病、口臭などの原因となりえます。
長時間口を開けていることで、口周りの筋肉の力が低下し歯並びも悪くなりやすいです。

鼻呼吸を行うと、吸った空気に含まれる異物を線毛や粘液でろ過します。
さらに扁桃リンパ組織が異物を防ぎ、鼻腔で温められ加湿された空気が入ることによって風邪をひきにくくなります。

口呼吸の予防と鼻呼吸の促進のために、福岡市のある先生が開発した「あいうべ体操」というものがあります。

「あー」と口を大きく開く、「いー」と口を横に広げる、「うー」と口を前に突き出す、「べー」と舌を出して下に伸ばす。

これら4つの動作を順に繰り返します。

これを1セットとし、1日30セットを毎日続けましょう。

これにより、舌や口周りの筋肉が鍛えられ、舌が口蓋に付くようになって口が開きにくくなるので鼻呼吸が促されます。さらに、いびきの改善も見込まれますし、高齢者は飲み込みが良くなり、誤嚥が減ります。

顎関節症で、口が大きく開けにくい場合は、「いー」、「うー」のみを繰り返してみましょう。

この「あいうべ体操」、慣れるまでは無理をせずに、2,3度に分けてやってみて下さいね。

歯周病が及ぼす全身への影響について(2018.4)

歯茎から出血があったり、歯がグラつく、口臭があるなどが歯周病の症状です。
しかし、どのくらい歯周病が進行しているか把握している人は少ないです。初期症状は気づきにくく、わかっていても軽く考えてしまい、自覚症状が出て歯科を受診した時には、かなり進行しているケースを多く見かけます。また、全身の健康に与える影響も大きいことがわかってきました。

歯周病などの口腔内疾患が全身に及ぼす影響は、誤嚥性肺炎、糖尿病、心内膜炎、動脈疾患、早産・低体重児出産などです。
一般的には、歯周病を含む生活習慣病は慢性疾患であり、健康寿命を縮める最大の原因と言われています。悪い食生活、飲み過ぎ、運動不足、喫煙、口腔清掃不良などの問題のある生活習慣が長く続くと、がん、虚血性肺疾患、脳卒中、肺炎などの寿命を縮める重病にかかりやすくなります。

歯周病を初めとする歯科疾患は、適切な予防により進行を抑え、病状を改善することが可能です。最も良い予防方法は、まず、かかりつけの歯科医院を受診してみることです。そこで、精密な検査と専門家による予防処置を受け、セルフケアの方法を学び、日常生活のアドバイスを受けることにより、あなたのお口の健康度は飛躍的に高まります。

日本の平均寿命は延びましたが、次の課題は健康寿命を延ばし平均寿命に近づけることだといわれています。
歯とお口の健康を保つことで高齢者や介護を受けている方の食生活や日常の活動が充実し、自立が維持され、それに併せて健康寿命も延びていくと予想します。

嚙む力の低下は、衰えのサインです(2018.3)

最近、歯科を中心とした医療現場で「オーラルフレイル」という考え方が注目されています。

フレイルは「虚弱」を表す英語に由来し、健康と要介護状態の中間地点を意味します。
これは加齢などの影響で口の機能が衰えると嚙みにくいと感じるので、肉や野菜などの硬いものを避け、パンやうどんなどの柔らかい食べ物を選びがちになり栄養が偏る。。。

ここで対策を取らないと、嚙む力はどんどん落ちていき食べられるものが益々減り、食欲や体力が低下し低栄養や筋力の低下、ひいては要介護状態になる。。。

口の衰えが要介護状態の始まり。いわば「人は口から老いる」との考え方です。

これを示す研究結果もあり、オーラルフレイルの概念を提唱した東京大学教授らが、約2千人の高齢者を約4年間追跡するとオーラルフレイルの人は死亡や要介護状態になるリスクが約2倍高かったそうです。

4年の短い期間でも、これだけの差が出る食の問題は本当に重要だと思います。歯を失うことで噛めない食品が増えたり、滑舌が悪くなるなど、一つ一つでは、それほど問題視されないことの積み重ねが後で本人の健康に重要なダメージに繋がるのですね。
健康な歯をしっかり残し、良く噛める状態にしておくためにも歯科医院でしっかり予防に励みましょうね。

金属アレルギーって知ってますか?(2018.2)

食品や花粉、ハウスダスト、薬などがアレルギー反応を起こすことはよく知られています。これらは多くの場合、体内に入ったアレルゲンが血液中のアルブミンと結合し、異種タンパクとなって反応を起こすモノです。

金属そのものがアレルギーを起こすことはないですが、溶液中の金属から電子が抜け出して金属イオンが生じ、多数結合して本来身体が持っていない異種の表皮タンパクができることがあります。これが表皮の免疫細胞やTリンパ球に異物と認識されると、強い拒絶反応として口内炎、舌炎、口腔扁平苔癬などになります。

一過性に生じたものはステロイド等で治りますが、絶えずアレルギーを生じるような状況下では治りません。そこに対症療法の限界があり、原因を見つけて根治する必要が出てきます。金属の詰め物や被せ物を入れて、すぐに起こる口内炎や舌炎は金属アレルギーの可能性があります。

金属にもアレルギーを起こしやすいものと、そうでないものがあります。
ニッケルや、コバルトクロム、水銀、パラジウムなど保険診療に多用される金属は皮肉にも起こしやすいですが、チタンや鉄、金、銀、アルミニウム等は起こしにくいです。

金属アレルギーが疑われる場合は、口腔外科や皮膚科などでパッチテストと言われる検査用の絆創膏で調べてもらいましょう。
もし、金属アレルギーと診断されたら、アレルゲンとなる金属を取り除かないといけません。
気になる方は、安心して歯科治療を受けるためにかかりつけの歯科医院に相談しましょう。

食後の歯磨きと、生活習慣病の関係性について(2018.1)

ちょっと古い文献となりますが、2010年に英国医師会誌に掲載された論文で「歯磨きの頻度と心臓病」というものがあります。

これによると、歯磨き頻度が1日2回の人と比べて、1日1回未満の人では心臓病の発作リスクが1.7倍多いことが示されていました(ただし、この研究は海外の人を対象にしたもので、日本人にそのまま当てはまるものではありません。)。

そんな中、3年前になりますが、日本心臓病学会誌電子版に日本人における歯磨きの頻度と、糖尿病や高血圧などの生活習慣病との関連を検討した論文が掲載されました。

30~85歳の1万3070人を対象とした論文で5年間の追跡調査で歯磨きの頻度と糖尿病、脂質異常(高脂血症)、高血圧、高尿酸血症の発症が検討されました。

その結果、毎食後に歯磨きを実践しない人は、毎食後に歯磨きを実践する人に比べて、男性での糖尿病が1.43倍、女性で脂質異常が1.18倍、統計学的にも有意に高いという結果でした。

なお、これによると高血圧や高尿酸血症との関連性は認められませんでした。

これは、「歯磨きの実践が生活習慣病リスクを減少させるかもしれない」という結果ですが、そもそも歯磨きを毎日行うという人は健康意識が高く、歯磨き以外にも食事や運動にも気をつけている可能性があります。つまり、この結果のみでは因果関係を決定づけることはできません。

でも、食後の歯磨きが、虫歯や歯周病の予防のみならず、全身に及ぶ生活習慣病予防にも一役を買ってくれているのは確かなようです。

そうであるなら、次はその人に合った正しいブラッシング方法を歯科医院で習得してみましょう。

高齢者の虫歯について(2017.12)

虫歯は子供に多い病気と思っている方は多いと思います。
近年は80歳で20本の歯を残そうという「8020運動」の成果もあり、80歳で20本の歯が残っている方は50%を越えました。
一昔前は入れ歯が当たり前だった高齢者に歯があることは、結果として虫歯のリスクも高まっているのです。

生理的変化や誤ったブラッシングなどの影響で、歯肉に覆われていた歯根が年齢とともに露出してきます。歯の頭の部分である歯冠は硬いエナメル質という抵抗力のある層で覆われていますが、歯根はエナメル質がなく、それよりも軟らかい象牙質がむき出しになるため虫歯になりやすいのです。
長年の咀嚼でエナメル質がすり減り、虫歯になることもあります。

また、虫歯を防ぐ力のある唾液が少なくなることも要因です。これは、老化や飲んでいる薬の影響、糖尿病などで唾液が減ることがあり、歯が唾液で守られなくなります。
そうすると詰め物、被せ物やブリッジになった歯のつなぎ目などから虫歯になります。

認知症などでも自分で歯磨きができなくなる場合もあり、これが引き金で虫歯が多発することもあります。

その結果、大人になってできにくくなっていた虫歯が高齢者で再び増えてくるのです。
放置すれば、細菌の温床となり誤嚥性肺炎の原因にもなります。

また、せっかく歯が残っているのに虫歯になり、食事が取りにくくなることもありえます。
さらにひどくなれば、抜歯など外科的な処置も、体調によっては難しくなります。

高齢で歯が一本でも残っている方であれば、日頃の歯科医院での管理予防が大切になります。

口内炎について(2017.11)

口内炎とは、頬の内側、舌、上顎などの口の中の粘膜に起こる炎症の総称です。
主に4つのタイプに分類されます。

1、物理的刺激による口内炎。
入れ歯や矯正装置などが口の中に当たって、粘膜が傷つき、細菌に感染して起きるタイプのものです。食事中に誤って頬の内側を噛んでしまったりして起きるのもこのタイプのものです。

2、カンジダによる口内炎。
真菌のカンジダによる口内炎です。
カンジダは常に体の中にいる常在菌で通常は炎症を起こしたりしません。しかし、免疫の働きが低下していたり、口の中が乾燥していると炎症を起こします。

3、アレルギーによる口内炎。
歯の詰め物や被せ物、入れ歯の金属によるアレルギー反応で炎症が起こるタイプです。

4、原因がわかっていない口内炎(アフタ性口内炎)。
最も多いのが、このタイプのものです。上記の3つのタイプに当てはまらないもので、ストレスや栄養の偏りなどが原因ではないかとされています。

治療では、原因となるものを除去します。入れ歯や矯正装置が原因の場合は調整を行って、強く当たらないようにします。

カンジダによる口内炎では、抗真菌剤が使われます。
対症療法を行う場合、カンジダによる口内炎ではステロイドが含まれる薬は、反って症状が悪化することがあるため使えません。

アレルギーによる口内炎では、金属アレルギーによることが多いので、アレルギーが起きにくい素材のものに交換します。

原因がわからない口内炎の場合は、患部を保護したり痛みや炎症を和らげる薬を処方する対症療法が行われます。この対症療法には、貼付剤、軟膏、噴霧剤、トローチなどがあります。

《原因がわかれば予防は可能です。》

よく口内炎が起きる場合は、原因となっているものを除去して予防します。また、入れ歯はカンジダが繁殖しやすい場所です。入れ歯を使っている人は、カンジダが繁殖しないように常に清潔にしておきましょう。一見、汚れていないように見える入れ歯でも、実は菌が繁殖している場合があります。

口内炎は通常2週間程度で自然に治ります。なかなか治らないものに関しては、口腔がんを疑ってみることも必要です。
口腔がんは、舌や歯茎、顎などにできるがんの総称です。決して多くはありませんが、初期の口腔がんは口内炎と見た目が似ているため、見逃さないようにしましょう。

口腔がんの場合は、自然に治ることはない赤い部分と白い部分が混在していて、硬く、デコボコしているなどが特徴です。ずっと治らない口内炎がある場合は、これらの特徴と照らし合わせてみてください。

口内炎が長引く場合や、口腔がんを疑う症状がある場合は、歯科、口腔外科を受診しましょう。

骨粗しょう症の治療などに使われる、ビスホスホネート製剤の副作用注意(2017.10)

骨粗しょう症の治療などに使われる、ビスホスホネート製剤の副作用には注意が必要です。
骨粗しょう症やがんの骨転移の治療に使う「ビスホスホネート製剤」という薬の副作用によって、顎の骨が壊死してしまう患者さんがいます。
発症は稀ですが、効果の高い薬のため服用する人は多いです。
顎骨壊死に抜本的な治療法はなく、虫歯や歯周病の治療などの予防処置が重要になります。

ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ)は下顎や上顎の骨が細菌に感染して腐っていく病気です。乳がんの骨転移や骨粗しょう症の薬として、ビスホスホネート製剤を飲む高齢女性などで、まれに発症することがあります。
壊死が起きると口の中で骨が露出し、痛みが強いため食事ができなくなることが多いです。顎の皮膚に穴が開いたことにより、腐骨が露出したりすることもあるのです。
放置したことにより悪化し、脳や肺を覆う胸膜が細菌に感染する「脳膿瘍」や「膿胸」により死亡した例もあります。

骨は通常、古い骨を分解・吸収する「破骨細胞」と新しい骨を作る「骨芽細胞」のバランスによって代謝が保たれています。ビスホスホネート製剤は破骨細胞だけに働きかけ、骨を丈夫にする薬です。第1世代から第2、第3世代と薬の改良が進み、乳がんや肺がん、前立腺がんなどの骨転移、骨がもろくなる骨粗しょう症の治療や予防に重宝されています。
ただ、薬の効果が高まり、服用する患者さんが増えた半面、副作用として顎骨壊死の発症も多くなってきました。
2011~2013年の全国調査では、2年間に4797例も認められたそうです。

対策として日本骨代謝学会などの6つの学会は昨年、顎骨壊死の予防策や対応策についてまとめた「ポジションペーパー」を4年ぶりに改訂しました。
顎骨壊死は発症の仕組みなど未解明の部分も多いですが、現時点では統一的な見解を公表しました。
ペーパーでは対策としてビスホスホネート製剤を服用する前に、歯科を受診することを挙げています。口の中の衛生状態を改善し、抜歯などの歯科治療を投薬開始前の2週間までに終えることが望ましいとされています。
既に服用している人でも歯科の受診は重要で、歯磨きなどで口の中を清潔に保ちつつ顎骨壊死などの原因になりうる虫歯などがあれば治療を受けることが必要です。
顎骨壊死が既に起きている人の場合、発見が早くなるほど治療の可能性は高まります。できるだけ早く大学病院などで処置をされることをお薦めいたします。
このビスホスホネート製剤関連顎骨壊死は、治療法が根本的に確立されてはおらず、重症になれば顎骨を切除しても完全に治らず、命に関わることもあるため医師、歯科医師と連携して予防と治療に当たることが大切です。

歯ぎしりしているかもと思ったら、歯科医院へ(2017.9)

就寝時の歯ぎしりは子供から、高齢者まで多くの人がしていると言われています。
この歯ぎしりの原因はストレスや精神疾患の治療薬の副作用、咬み合わせが悪いことなどが考えられています。でも、はっきりしたことは解明されていません。

歯ぎしりは歯や顎に強い力がかかり、体にも悪影響を与える場合があります。歯がすり減って虫歯のような痛みが生じたり、歯を支える骨が痩せて歯周病が悪化したり、歯そのものを割ってしまい、治療が必要なケースもあります。

どのような場合に治療が必要なのかと言うと、舌で触れると歯がすり減っていると感じられる方や頬の筋肉がだるいと自覚する方、しょっちゅう詰め物や被せ物が外れる方、知覚過敏症で歯がしみるという方は要注意です。
また、歯ぎしりが肩こりや頭痛の原因になることがあり、こうした症状がある人も受診を考えた方がいいと言えます。

睡眠の質が悪いと、歯ぎしりが多いと言われ、日中に眠くなるのならば、睡眠障害を合併している可能性もあります。
歯ぎしりは、本当に全身に悪い影響を及ぼします。。。

治療法としては、マウスピース(ナイトガード)といわれる医療器具を使います。患者の歯並びに合わせて作り、寝る時に着けると、プラスチック製の器具が歯のすり減りを防いでくれます。

器具には、上下の歯がバランスよく接するように矯正する機能もあるため、一定の期間が経つと器具を着けなくても歯ぎしりをしなくなる効果が見込めるかもしれません。
また、歯ぎしりが原因で、頬の筋肉がだるい場合は、人差し指などで優しく揉むマッサージ有効です。
温かいと筋肉もほぐれやすいので、お風呂の中でマッサージするのもお薦めです。

歯ぎしりと言うと、ギリギリと音が出ることを想像してしまいますが、音がしないタイプの「喰いしばり」もあります。
歯ぎしりは、単に周りの人がうるさいというだけでなく、本人の体にも大きな負担が掛かっています。
治療には保険診療が適用されるので、まずは歯科医院でご相談ください。

歯がしみるのは知覚過敏かもしれません。(2017.8)

特に虫歯があるわけでもなく、歯がしみることはありませんか?それは、もしかしたら知覚過敏かもしれませんね。。。。
知覚過敏の主な原因は、ブラッシング時の強い圧力や酸性食品の取りすぎ、歯ぎしりや嚙み合わせの悪さによって歯の表面を覆っているエナメル質が削られてしまい、内層の象牙質が露出し、象牙質組織内部の象牙細管を介して歯の神経に刺激が加わるためにピリッとした鋭い痛みが短時間に起こるものです。このピリッとした感じが持続しないのが特徴でもあります。
また、不良補綴物が入っていたり、歯周病による歯茎の後退のために歯根部が露出することによって知覚過敏を起こしやすい状況になります。

この知覚過敏の対策と治療法は
1. 歯磨きを工夫
軽度の場合は、知覚過敏用の歯磨き剤と正しいブラッシングをすることで症状が改善することがあります。

2. 歯がしみる部分にレーザーを照射することで、刺激が神経に伝わらないようにし、同時に歯の表面が硬くなり症状が治まることがあります。

3. セメントなどで埋める
歯の根元がくさび状にえぐれてしまった場合は、その部分をセメントやコンポジットレジン(プラスチック)で埋めて治療します。

4. 知覚過敏用薬剤の塗布
知覚過敏用のお薬を、しみる部位に塗って症状の改善を図ることがあります。

なかなか症状の改善が難しいため、上記のやり方を組み合わせて治療に当たることもあります。
この知覚過敏の症状がひどくなると神経の処置をやることもあるのです。
気になる方は歯科医院でご相談ください。

噛む力が低下すると老け顔になります(2017.7)

噛む力の低下は顔のしわやたるみになって表れるという事を、皆さんはご存知でしょうか?
表情を作る顔の筋肉が衰えて両頬が下がる、いわゆる老け顔になると噛む力も衰えているはずです。また、首のしわは、飲み込む力が低下しているサインです。
噛んで飲み込む行為には首筋や胸、背中にある12種類の筋肉が使われ、その中でもこめかみ部分にある側頭筋や頬部にある咬筋が噛む行為の中心です。
側頭筋と咬筋は「頭の位置」を決める筋肉でもあるため、歯が抜けて咬めなくなると立ったとき体が揺れてしまい、正しい姿勢で立ったり歩いたりすることが困難になります。
噛む行為を増やして、顔の筋肉を鍛えれば顔のたるみやしわが改善されて顔が若返ります。また、意識して口角を上げて笑う事も顔の筋肉(表情筋)を鍛えることになりますので、筋トレのつもりで、口角を上げて笑ってみましょうね。一日中、不機嫌で無表情でいると、顔が老化してしまいますよ。

虫歯予防に効果のあるキシリトール・リカルデント・フッ素(2017.6)

虫歯予防に効果のあるキシリトール、リカルデント、フッ素にはそれぞれ異なった作用があります。まず代用甘味料として知られるキシリトールは、甘くても糖分ではないため、口の中に入っても虫歯菌は糖を食べて酸を出すという働きができません。そして、キシリトールを食べていると、栄養摂取ができない虫歯菌を弱らせる効果があるため、口の中のネバネバが減って歯垢が付きにくくなります。市販のガム等にもよく使われていますが、噛むことで唾液がたくさん分泌されるので再石灰化促進の効果も期待できます。

次にリカルデントですが、これは歯の再石灰化を促進させる働きがあります。酸によって溶かされてしまった歯の表面に、唾液中に含まれるカルシウムを取り戻しやすくする働きがあります。溶けてしまった歯の修復を補助するのがリカルデントです。

フッ素は、歯を強くして酸によって溶かされにくくする効果があります。フッ素を塗布することで歯質が弱く虫歯になりやすいお子さんの歯を酸から守ってくれます。
 
何でもこれさえしておけば良いというものではないです。人それぞれ虫歯の原因や必要な対策が違いますので、その人に合った方法を時期や状況に合わせて、使い分けていきましょう。

洗口液って、本当に効くの?(2017.5)

薬局やスーパーなどで、よく目にする洗口液。その効能には「歯肉からの出血」や「歯肉の腫れ」「口臭」とよく書いてあります。いかにも歯周病に有効なようなことが。。。
では、本当にそうなのかというと、なんとも言えない部分があります。
「歯周病予防」と謳っているものであれば、ある程度期待はしてしまいますよね。。。

歯根面に付着した細菌の塊(プラーク)はバイオフィルムで覆われています。このバイオフィルムは歯の表面や、歯周ポケットの内部に形成され、細菌を守るバリアの働きをしています。
このバリアを取り除くには、まず器械的にこすらなければ取れません。洗口剤はあくまで、歯肉の上で効果を発揮するもので、歯周病を治すまでの効果はない
と言えます。ですから、歯磨きをしっかりやったうえで、使用するのであればその薬効成分が行き渡るので効果があると言えると思います。

いずれにしても、現状では洗口液だけに頼る口腔ケアは間違いだと思います。食後はしっかり歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシを使って歯磨きをし、併せて洗口液を使うのが良いですね。

でも歯周ポケット内の細菌の塊は歯ブラシでは届きませんから、歯科医院での定期健診とクリーニングも重要ですよ。

スポーツマウスガードのすすめ(2017.4)

近年では、スポーツ愛好家の間でマウスガードが普及しつつあります。まだ、耳慣れない方もいるかもしれませんが、ボクシングや空手の選手が試合の際に、口の中に入れているマウスピースの事を言います。

スポーツマウスガードの効用は、口腔内の歯牙や歯肉などの歯周組織を外力から守るのが主目的であります。ある報告では、中高生のスポーツ時の外傷で75%以上が首から上の頭部にあり、その中で口腔内の障害が多く見られます。スポーツ時の外傷予防として使用されるマウスピースをスポーツマウスガードと言い、歯ぎしり用のナイトガードや顎関節症治療用のマウスピースとは明確に区分されています。

以前は、格闘技の選手が装着するものという感じがありましたが、最近はアメリカンフットボール、アイスホッケー、ラグビーバスケットボール、サッカー、野球、ゴルフ等の選手にも幅広く普及されています。このスポーツマウスガードは、スポーツ店などでも購入することはできますが、これは材料を温湯で軟化し、それを口腔内に入れて口を動かし、自らの口腔周囲の筋肉を動かして併せていくものです。でも、これは簡便ではありますが、素材の厚みが厚くなったり薄くなったりして一定ではなく、適合が良くないです。

その点、歯科医院で製作されたものは口腔内の型を取り、模型を起こしてEVAシートという弾力のある材料を軟化・成形して製作するものです。一層、もしくは複数のシートを使用して一定の厚みで製作することができます。さらに、競技の特殊性を考慮して、危険な部位を保護するために意図的に厚くすることもできます。また、福利効果としてケガに対する安心感からか、思い切り競技に集中してできるため、パフォーマンス力が上がり、筋力の向上も期待されています。

その効果を十分に発揮するためにも、スポーツマウスガード購入の際にはスポーツ歯学に精通した歯科医院で、適合の良いものを製作されてみてはいかがでしょうか。

歯を失うことで体にも影響があります!(2017.3)

認知症リスクがアップ
歯の減少が脳の働きに影響し、残存歯が少ない人ほど脳の働きが悪くなりやすいです。噛み合わせや咀嚼能率の良い人と比べると、アルツハイマーや認知症の発症率は1.5倍とリスクが高くなります。

顔をゆがめるだけでなく、体もゆがめます
長年、片方の歯ばかりで嚙んでいると、使っている方(噛み癖のある方)の歯だけがすり減るので、上下左右のバランスが崩れ、咬み合わせが悪くなります。また、咀嚼筋にも同様の事が起こり、使っていない方の筋肉が衰えてきます。それは顔の表情にも影響し片方だけにたるみや口角が上がらなくなる、シワやほうれい線もできやすくなる、など顔のゆがみに繋がります。さらには、体幹のバランスを崩し、首や肩の痛みやコリ、頭痛などの原因や腰痛、関節痛なども起こします。また、顎関節にも影響し、顎関節症(口が開けにくい、顎の痛み)になったりすることもあります。

高血圧の予防にも咬み合わせは大切です
高血圧の主な原因は塩分過多、動脈硬化、ストレス、過労、肥満などです。50代以上では、おおよそ半数以上の人が高血圧の疑いがあるというデータもありますが、その原因が歯とも関係があるようです。歯は食べ物を噛むためだけで全身に影響を与えることはないだろうと思われがちですが、咬み合わせを矯正したところ、血圧が安定した方がいます。高血圧予防には歯の健康を考えることも必要と言えそうです。

歯茎の健康と全身の健康について(2017.2)

全身が健康であることも、歯茎の健康には大切な事です。歯茎の抵抗力が落ちると、歯周病にもなりやすいからです。歯茎は年齢とともにだんだんと弱まりますし、もともと遺伝的に歯茎が弱い人という場合もあります。でも、生活習慣が一番大切です。寝不足や偏った食生活、運動不足やストレスなどには注意しましょう。体が健康な時、菌の病原性と我々の歯茎の抵抗力のバランスはとれています。それが、体調を崩すと歯周病菌の病原性が高まります。

実は、歯周病菌がうつるのは18歳以降です。理由は解りませんが子供の口には歯周病菌はいないとされています。ただ何らかの理由で18歳以降に歯周病菌がうつっても、実際に歯周病が発症するのは、中年以降です。

感染してから歯周病が発症するまでの間は、いわゆる未病の状態です。年齢を重ねて歯磨きをすると歯茎から血が出ることがあります。そんな人は歯医者さんに行ってクリーニングしましょう。そうすると出血が止まり、ある程度健康な状態になります。

歯周病は全身の健康に影響を及ぼします。歯周病菌は口の中で出血しているところから血管の中に入り、血流に乗って全身に渡ります。今では、アルツハイマー病や心臓病、糖尿病、がん、骨粗鬆症、関節リウマチなどの病気に関係することが解ってきました。ですから、3カ月に一回は歯科で定期的なクリーニングがお勧めです。

歯周病はサイレントディズィーズ(静かなる病気)と呼ばれています、自覚症状が乏しいので、気づかぬうちに進行します。そのため、未病の状態でのケアが一番大切です。歯科にかかるとともに、歯ブラシ、歯磨き粉、歯間ブラシ、デンタルフロスも使いましょう。歯磨きで大切なのは、小刻みに歯をこすって、歯と歯の間に毛先を入れることです。このあたりのコツは、歯科医院でブラッシング指導の際に聞いていただくことをお勧めいたします。

歯を抜いたら、入れ歯かブリッジもしくは、インプラント(2017.1)

皆さんは、もしも歯を一本抜かなければならなくなった場合、残された歯を守るためには、どのような治療があるのか考えたことはありますか?

抜歯後の治療法は3つあります。
保険適用で患者さんの負担額が少ないのは、抜歯した両隣の歯を削って土台にし、橋を架けるようにつなげる「ブリッジ」と義歯である「部分入れ歯」です。

「インプラント」は自由診療でしかできないもので、数10万円と高額であることと、顎の骨に人工歯根を埋め込む外科的処置と、その上に人工の歯を取り付ける処置が特徴です。そのため、少数歯欠損の場合、インプラントが最近ではファーストチョイスで行う医院も多いです。しかし、施術後のトラブルが重篤であったりすることが少なくはないです。

保険適用が認められるブリッジと部分入れ歯を比較すると、ブリッジは両隣の歯をかなり削らなければいけないのが欠点です。削ることで知覚過敏が起きやすく、場合によっては歯の神経を取る必要がある場合があります。一方で部分入れ歯の場合、ほぼ削る処置はなく、両隣の歯を痛めることはないです。

しかしながら、ブリッジは接着剤で固定されるため、着け心地は良く普通の歯と同じように噛めるのがメリットであります。入れ歯のように外す必要がないため手入れは楽です。ただ通常の被せ物と同じように、中で菌が増殖していても目に見えず解りにくいのが難点です。

入れ歯は、装着時に多少の違和感があるのが難点です。毎日外して、掃除をするのも手間がかかることだと思います。しかし、見方を変えれば、清潔を保ちやすいという事でもあります。

入れ歯とブリッジには、保険適用の材質と適用外の材質があるのですが、着け心地や傷みやすさ、審美性から考えると保険適用外のものの方が優れていることが多いです。

このようなケースであるならば、いずれにしても歯の欠損をそのままにはせずに歯医者さんの説明をよく聞いて、何らかの処置を選択されることをお勧めいたします。

歯周病と糖尿病との因果関係(2016.12)

我が国では、糖尿病は食生活が豊かになり、毎年増加傾向にあります。

糖尿病にかかると、体がだるいだけでなく、網膜症や腎臓病などの全身疾患に悩まされることになります。また、体の中の悪玉微生物と戦う機能が極端に低下するため、歯周病菌にも十分に抵抗できずにお口の中での増殖を簡単に許してしまいます。そのため、歯周病はどんどん悪くなっていき、「糖尿病による歯周病」といったような状態に陥ってしまうのです。

そして、最近になって歯周病と糖尿病との因果関係が解明されてきました。歯周病が糖尿病そのものを引き起こすわけではありませんが、歯周病を治療せずにそのまま放置しておくと、口の中に生じる炎症や感染の持続によって、脂肪組織や骨格筋の細胞の糖の代謝機能を妨げ、インスリンに対する抵抗性が高まってしまい、インスリンを作用しにくくしてしまうのです。
(インスリンとは、血糖中の濃度を下げるホルモンで、これがきちんと作用しなくなると血液中の血糖値をコントロールすることが困難になり血糖値が上がり糖尿病は悪化し、それと同時に病原菌感染を抑える創傷治癒能力までが低下していきます。)

これらのことから、糖尿病のコントロールをきちんとするためには歯周病をしっかりと治すことが重要で、また歯周病の予防や進行を防ぐためには糖尿病の治療が大切という事になります。歯周病と糖尿病、意外に密接な関係なのです。

顎の調子が悪いなと思ったら、顎関節症を疑いましょう(2016.11)

顎がカクカクする顎が口を開けると痛い何か違和感がある首や肩のコリ耳が痛い気がする等。。。これらの特徴は、もしかして顎関節症かもしれませんね。

頭痛や腰痛の原因がさまざまなように、顎関節症の原因もさまざまです。

例えば、
1. 顎の使い方が悪かったり虫歯や歯周病によって、左右の奥歯でしっかり噛めない。
2. 歯並びや上下の歯の咬み合わせが悪い。
3. 歯ぎしりや硬いものばかり食べることによる筋肉疲労。
4. 生まれつき関節の形に問題がある。
5. 事故や打撲。
また、ストレスや体の不調和<が関係していることもあります。

治療法は原因によって異なるので、精密検査が必要です。
噛み合わせの調整や、スプリント(マウスピース)を使用する、薬物投与(鎮痛剤や筋弛緩剤)、理学療法(湿布や電気刺激など。)などがあり心身医学的な治療が必要になることもあります。

顎関節症は慢性の疾患ですから、治療は即効的なものはなく治療期間が長引くことが多いので焦らず根気よく直すことが重要です。

似たような症状で関節リウマチや耳下腺炎、三叉神経痛など、紛らわしい病気もありますので自己診断は禁物です。

心当たりのある方は、歯医者さんで診てもらうことをお勧めいたします。

大人の虫歯の特徴(2016.10)

大人には大人の虫歯があります。その筆頭が治療済みの歯に起こるもの。通常の虫歯のように表面から虫食いになるとは限らないので、気づきにくい点が非常にやっかいです。

大人は治療済みの歯に注意!
皆さんは歯科医院で、虫歯を治療してもらった経験はありませんか?

実は大人の場合、虫歯になるリスクが最も高いのが、その治療済みの歯なのです。虫歯は口の中にいる虫歯菌が作る酸が、歯の表面のエナメル質を溶かすことによって起こります。

子供の虫歯の多くは、健康なエナメル質の表面や隣接面に穴があき、色が変わってくるので、よくチェックしていれば比較的簡単に発見できます。

ところが、大人の虫歯は以前の虫歯治療で入れた詰め物や被せ物のわきから少しずつ進んでいくため、口を開けた時に目につきにくい部位から始まり、歯の中へ中へと進んでいきます。これを二次虫歯といいますが、もしそれが神経を抜いている歯であれば、どんなに進行しても痛みはなく、もし、そのような歯に痛みが出たときは重度の虫歯になっていることでしょう。しかも、そのような虫歯になっていても詰め物や被せ物には変化がないので、発見されにくいのですね。

虫歯治療の際に、用いられる健康保険が利くプラスチックの詰め物や金属の被せ物は一生ものではありません。どれくらい持つかはその人の口の中の状態や毎日のケアによって違いますが、寿命があるのです。ですから、治療した歯を少しでも長く持たせるためにも、その周辺は健康な歯以上に丁寧に掃除する必要があるのです。

子供の歯を守りましょう(2016.9)

子どもは乳児期には母乳からお母さんの免疫をもらっていますが、離乳期から12歳ぐらいまでは免疫機能が十分に備わっていません。そのために、非常にたくさんの細菌の攻撃を受けていることをご存知でしょうか?そういう状況でも、小さい子はありとあらゆるものに興味を持って触ったり、口に入れたりします。

特に離乳期は免疫力が一番低いときです。さまざまな病原体に感染するリスクがありますが、むし歯菌についても同じです。こういう時期に有効なのがフッ素による予防です。歯医者さんで、フッ化物を塗ってもらって、少しでも歯をむし歯菌から守る必要があります。

それから、乳歯から永久歯に生え変わる時期も気をつける必要があります。よく「乳歯はいずれ生え変わるからむし歯になっても大丈夫。」と思っている人がいるようですが、とんでもない話です。小さいころから、歯磨きをしたりおやつの時間を決めたり、バランスの取れた食生活をして歯を大事にする習慣がついていなければ、永久歯が生えてからいきなりするようになるわけがありませんからね。。。

もし、乳歯の段階でむし歯が認められたら、早めに治療をするべきです。乳歯から永久歯に生え変わる時に、むし歯菌に感染しないようにするためにはむし歯をきちんと治療して、少しでもむし歯菌を減らしていくことが重要です。

災害時こそ歯磨きが大切です(2016.8)

東日本大震災や熊本地震では、水が行き渡らない被災地が多く、歯や口の清掃がおろそかになりがちだったそうです。口の中が汚れたままでは、虫歯や口臭などの他、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。

余震が続く地震災害では、不安や慣れない避難生活で緊張状態が続くため唾液が出にくくなります。また、水不足などで歯磨きも難しくなると、口の中の衛生状態が悪くなります。特に高齢者は、口の中が汚れた状態だと免疫力が低下してきます。そのままにしておくと、誤嚥性肺炎や感染症にかかりやすくなるので注意が必要です。

口の中を清潔に保つには、歯磨きとうがい、保湿が肝心です。研磨剤を含む歯磨き剤は口に残ると乾燥しやすくなります。すすぎうがいが十分できない状況では使わず、歯ブラシを水にぬらして磨きましょう。水をほんの少し口に含むようにすると、少ない水でも効果的にすすげます。

タオルや紙も使って下さい!
歯ブラシがない場合は、タオルやティッシュペーパーなどで歯の表面をふき、歯垢を取り除きます。口臭や粘つきが気になる場合は、うがい薬を薄めてぶくぶくうがいをします。入れ歯に関しては、1日1回は外して、ぬれたティッシュペーパーで汚れをふき取りましょう。支援物資として届くパンや菓子、ジュースなどは糖分が多く、そのままにしていると虫歯の原因にもなります。頻繁に口にするのではなく時間を決めて食べる、食べたらうがいをするといった習慣づけも大切です。口の中を清潔にしたら、マスクをして保湿をしましょう。

歯の健康寿命を伸ばしましょう!(2016.7)

日本人の平均寿命は男性が80.5歳、女性が86.83歳です。これは年々伸びてきております。しかしながら、歯の寿命は人の年齢にまだ追いついていないようです。最近の調査では、最も平均寿命が長い歯は、下顎の犬歯(糸切り歯)で歯が生えてから約63年です。逆に最も寿命が短い歯は、下顎の第二大臼歯(親知らずの一本前の歯)で約45年です。女性の歯の寿命は男性よりも短い傾向にあります。歯を失う原因の多くは、虫歯や歯周病であり、それらを予防することで歯の寿命を伸ばすことができます。

自宅でのホームケア
口腔清掃・・・歯ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)、歯間ブラシを組み合わせて使用し、より効率的なブラッシングをしましょう。
食生活・・・プラーク(歯垢)の形成に関わる食べ物(特に砂糖類)の摂取方法、回数、量、時間などに注意しましょう。

歯科医院でのプロフェショナルケア
定期検診・・・3~6ヵ月に1回は定期検診をお勧めいたします。
歯石除去、歯面研磨・・・自分では取れない部分のプラークや歯石を除去します。
早期の虫歯の治療・・・歯の寿命は確実に長くなります。

定期的に歯科医院で歯の健診、クリーニングに通っている人は歯が痛いときだけ通っている人に比べて2~10倍、歯の寿命が長いという結果が出ています。是非とも、かかりつけの歯科医院で定期的に健診を受けていただき、歯の健康寿命を伸ばしましょう。

唾液は老化のバロメーター(2016.6)

口臭が気になる、口の中が渇く、歯周病が気になる・・・。など、お口の中の状態が悪くて、思い切り笑えない、食べられない、しゃべれないといった経験はありませんか?

こうした悩みを解消し、口の中も体の中も元気にするために役立ててほしいのが、誰もが持っている「唾液」です。唾液には食べ物を分解して吸収しやすい形に変える「消化作用」や傷を早く治す「抗菌作用」、病原菌を寄せ付けない「清浄作用」などがよく知られております。

さらに唾液には、筋肉、内臓、骨などの育成を助ける「パロチン」、脳を活性化して若返らせる「NGF」、皮膚を修復して新陳代謝を促進する「EGF」といったホルモンが含まれ、《唾液がたくさん出る=若返る》と言えるのです。

そこで、皆様にこの副作用ゼロの万能薬の「唾液」を増やすために生活習慣で気を付けていただきたいことをご提案いたします。


食事の際の新習慣
1. お茶や水で食べ物を流し込まない。
現在はレストランで食事をするときも、水やお茶が出てきて、水分と一緒に食事をとることが当たり前になっていますね。しかし、かつての日本人はよく噛んで唾液をしっかり出し、唾液と一緒に食べ物を飲み込んでいました。よく噛まずに、水やお茶で流し込む習慣は意識してやめましょう。

2. 食材を工夫して噛む回数を増やす。
唾液をしっかり出すためには、口の周りの筋肉が発達していることが大切です。その筋肉を発達させるためには、簡単に飲みこめる状態にならない噛みごたえのある食材です。よって、食材の工夫も大切です。

3. 正しい姿勢で奥歯だけでなく前歯も使って、しっかり食べる。
食事中の姿勢が悪い人は前歯を使って食べることがなく、唾液が出にくくなります。食事中は両足をしっかり床につけて、正しい姿勢で食べましょう。


お口のケア新習慣
1. 歯磨きは寝る前と起きた直後に。
食後は唾液の力で口の中を中性にし、再石灰化を促すことが大切です。食後に歯磨きをしたら、泡と一緒に大事な唾液が口の中から出て行ってしまいます。歯磨きは食後ではなく、寝る前と起きた直後にしましょう。

2. 食後やおやつの後は、「舌の運動」を。
もし、食後、直ぐにブラッシングをしないと気持ち悪く感じられる方は、デンタルフロスや歯間ブラシだけ歯と歯の間を磨きましょう。そうすることによって歯間に詰まった食べカスを取り唾液の通り道ができます。その後、舌で歯や歯茎を舐める「舌の運動」をします。これをすることによって、唾液の出が促進されます。

これらのことを意識して、皆様も是非やってみてくださいね。万能薬の唾液量を増やすことによって、体にもお口の健康にも良いことずくめですね。

正しい舌のケアについて(2016.5)

舌の磨きすぎは気をつけましょうね。

口の中を清潔に保つことが口臭対策の基本ですが、間違ったケアを続けると逆に口臭を悪化させることがあります。

当院に来られたある50代女性の患者さんは、舌がヒリヒリしても舌を歯ブラシで毎日磨き続けていました。その方は、舌の表面についている白いコケのようなものが口臭の原因と、ある歯科医療関係者から教わったそうです。「全部取らなきゃいけない。」という強迫観念にかられて、一生懸命磨いていたようです。

この女性の舌は赤く腫れあがり、表面にヒビが入っていました。明らかに炎症を起こしている状態です。恐らくブラッシングの際の強い圧力と頻回にやりすぎたため舌を傷つけてしまい、そこに炎症をおこしたために硫化水素ガスが発生し口臭の原因になっていると思われました。

私は、「確かに、舌をある程度お掃除することは口臭予防に必要ですが、健康な舌とはピンク色の基板に全体がうっすらと白色になっている状態で、磨きすぎたことで舌が痛んでしまったら本末転倒です。傷が膿んでしまい、そこからガスが発生するため口臭の原因となりますよ。」とその患者さんに説明しました。

舌を磨く際にはなでるように優しく、奥から手前、内から外にかき出すようにブラシを動かすことを勧めました。そして毛先の柔らかい舌用ブラシとうがい薬の併用を勧めました。
この女性は今までの癖でブラッシングの圧力がなかなか取れず、理解してもらうのに大変でしたが1月後には良い状態となりましたよ。

むし歯の成り立ちについて(2016.4)

バイオフィルムって知っていますか?

唾液には様々な作用があり、その一つが清浄作用です。歯の表面は常に唾液で覆われており、唾液が歯の表面のエナメル質に触れている限りはむし歯になりません。では、「唾液もしっかり出ているのに、なぜ私はむし歯になったの?」という疑問がわく人も多いですよね。実は、それには理由があるのです。

それはむし歯菌が口の中にいると、砂糖という「エサ」を得て、唾液をさえぎる膜のようなものを歯の表面に作ってしまいます。これを「バイオフィルム」といいます。このバイオフィルムができてしまうと、歯のエナメル質が唾液に触れることができなくなり、清浄作用が効かなくなります。そのため、バイオフィルムで覆われた内側は細菌が繁殖しやすい環境になるのですね。

むし歯菌は、このバイオフィルムの中で食べ物などから糖分を吸収して、自分が生きていくためのエネルギーを作り出します。糖は最終的に乳酸や酢酸、エタノールにまで分解されて外に放出されます。ところが、バイオフィルムが育ってしまうと、できた酸は外に放出されずにバイオフィルムの中に残ります。そして歯のエナメル質を溶かし始めるのです。これがむし歯となっていくわけですね。この状態がエナメル質を越えて象牙質にまで進行し、歯髄と言われる神経に近い位置にまで及ぶと猛烈な痛みが出てくると言うわけです。

このバイオフィルムは器械的に破壊するのが効果的です。そのためには歯ブラシによる正しい歯磨きはもちろん、定期的なプロフェッショナルケアをしっかり行いましょうね。

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