骨粗しょう症の治療などに使われる、ビスホスホネート製剤の副作用注意(2017.10)

骨粗しょう症の治療などに使われる、ビスホスホネート製剤の副作用には注意が必要です。
骨粗しょう症やがんの骨転移の治療に使う「ビスホスホネート製剤」という薬の副作用によって、顎の骨が壊死してしまう患者さんがいます。
発症は稀ですが、効果の高い薬のため服用する人は多いです。
顎骨壊死に抜本的な治療法はなく、虫歯や歯周病の治療などの予防処置が重要になります。

ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ)は下顎や上顎の骨が細菌に感染して腐っていく病気です。乳がんの骨転移や骨粗しょう症の薬として、ビスホスホネート製剤を飲む高齢女性などで、まれに発症することがあります。
壊死が起きると口の中で骨が露出し、痛みが強いため食事ができなくなることが多いです。顎の皮膚に穴が開いたことにより、腐骨が露出したりすることもあるのです。
放置したことにより悪化し、脳や肺を覆う胸膜が細菌に感染する「脳膿瘍」や「膿胸」により死亡した例もあります。

骨は通常、古い骨を分解・吸収する「破骨細胞」と新しい骨を作る「骨芽細胞」のバランスによって代謝が保たれています。ビスホスホネート製剤は破骨細胞だけに働きかけ、骨を丈夫にする薬です。第1世代から第2、第3世代と薬の改良が進み、乳がんや肺がん、前立腺がんなどの骨転移、骨がもろくなる骨粗しょう症の治療や予防に重宝されています。
ただ、薬の効果が高まり、服用する患者さんが増えた半面、副作用として顎骨壊死の発症も多くなってきました。
2011~2013年の全国調査では、2年間に4797例も認められたそうです。

対策として日本骨代謝学会などの6つの学会は昨年、顎骨壊死の予防策や対応策についてまとめた「ポジションペーパー」を4年ぶりに改訂しました。
顎骨壊死は発症の仕組みなど未解明の部分も多いですが、現時点では統一的な見解を公表しました。
ペーパーでは対策としてビスホスホネート製剤を服用する前に、歯科を受診することを挙げています。口の中の衛生状態を改善し、抜歯などの歯科治療を投薬開始前の2週間までに終えることが望ましいとされています。
既に服用している人でも歯科の受診は重要で、歯磨きなどで口の中を清潔に保ちつつ顎骨壊死などの原因になりうる虫歯などがあれば治療を受けることが必要です。
顎骨壊死が既に起きている人の場合、発見が早くなるほど治療の可能性は高まります。できるだけ早く大学病院などで処置をされることをお薦めいたします。
このビスホスホネート製剤関連顎骨壊死は、治療法が根本的に確立されてはおらず、重症になれば顎骨を切除しても完全に治らず、命に関わることもあるため医師、歯科医師と連携して予防と治療に当たることが大切です。

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