2017年7月:りんご歯科医院ブログ

院長ブログ

新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

本当に恨めしい、歯根破折。。。

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。

 先日、被せ物が取れたという事で急遽、来ていただいた患者さんがいました。この方は、遠いところから足繁く通っていただいているのですが、以前からその歯に不調和があり、何度か腫れを繰り返していました。
ここに来られた当初は、重度の歯周病のため臼歯部を抜歯し、その後上顎前歯部を被せ物で直し、咬み合わせのラインを整えてから上顎のノンクラスプ入れ歯をセットしました。

 しばらくは具合も良く、特に大きな問題もなかったのですが、ある時を境に歯茎が腫れてきました。もともと若干の歯周病はあったのですが歯周ポケットを探ってみると、その歯の周囲はそれほど深いポケットはなかったのですが、精密検査をすると一点のみ、もの凄く深いポケットがありました。この場合、考えられるのは歯根に亀裂が入った。。。恐らく、その時には歯根破折があったのではないかと推測されるのですね。この歯根破折を起こす可能性があるのはただ一つ、就寝時の咬み合わせの問題。。。いわゆる歯ぎしりや喰いしばりです。
 
 この就寝時の歯ぎしりや喰いしばりは、非常にやっかいな問題です。寝ているときにしているので、本人の自覚が乏しいのですね。。。現代歯科医学では、止めることが難しいとされています。この方は臼歯部が欠損しているため、夜間に入れ歯を入れないで寝ていると残存している前歯に過剰な咬合圧が加わります。そのような事が予想されるようになってから、入れ歯を入れて寝てもらう事を指示しましたが、入れ歯を入れて寝るのはちょっと窮屈に感じるという事からナイトガードも作りましたが、結果的には被せ物が外れてその部位を上から見ると完全に割れていました。。。この状況を説明し、その歯を抜歯し、そこに増歯をすることにしました。
 
 でも、これで全てが解決というようには思えません。やはりこれからも歯ぎしりや喰いしばりは恐らく止められないでしょうし、それをすることによって、入れ歯の咬み合わせも下がってきます。そうすると、また前歯部に大きな負担がかかってくるのが予想されるからです。。。そのため、抜歯窩が落ち着いたら夜間の歯ぎしりや喰いしばりに対応するためのナイトデンチャーを薦めてみようかと思います(若干臼歯部の咬合を上げて作り、夜間の歯ぎしりや喰いしばりをしても、残存している前歯に負担がかかりにくいように設計された入れ歯)。本当に、この歯ぎしりや喰いしばりによる歯根破折というのはかなり多いです。これによって、抜歯を余儀なくされることが僕ら歯科医師にとっても辛いです。
 でも、この方にはこれ以上歯がなくならないように僕の持てる力を全て出し切っていきたいと思います。

 少しでも、そのことが疑われるような歯の摩耗、顎関節の違和感、被せ物の脱離を繰り返す、家族から歯ぎしりしていたよという報告を受けた等がある方は、歯科医院でご相談ください。

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全身のためにも口腔内ケアを大切にしましょう。

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 以前に、重度歯周病になり左側上顎臼歯部を数本抜歯し、金属のバネのないノンクラスプデンチャーをセットされている患者さんがいます。この方は、ある病院の看護師をされている方で、口腔内のケアには非常に真面目に取り組んでいただき、現在も1月に1回のメンテナンス(定期健診)とクリーニングに来ていただいております。かれこれ1年以上続いていますが、大きなトラブルもなく現在に至ります。
 この方が言うには病院の内科で日常の診療に取り組んでいると、歯が良くない人はやはり、何らかの全身疾患を抱えている人が多いように感じるそうです(あくまで経験的に思うそうですが。。。)。そのような状況を見ていると、自分はこれ以上、歯が悪くならないように予防を徹底しようと心に決めるそうです。事実、糖尿病と歯周病との因果関係が、近年、取り沙汰されています。皆さんも、今からでも遅くはないと思います。口腔内のケアをしっかりやっていきましょう。

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それは入れ歯による痛みか、違和感かを確認しましょう。

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 入れ歯が痛くて食べれないことはありませんか?痛みをそのまま放置して、慣れるまで待っていようとすると、大きな傷を作ってしまう事が往々にしてあります。早めに歯科医院で調整や修理をしてもらう事をお薦めいたしますよ。
 ただ新義歯を装着して痛みや傷はないのだけれど違和感が強いという理由で使用しないのは、良い事ではないと思います。極力、歯科医院の指示に従って使用してもらう事をお薦めいたします。最初は慣れるまで、大変な事が多いと思います。でも、時間が経てば口の周りの神経筋機構が上手く調和し、使いやすくなってくることも考えられますからね。焦らずに、歯科医院の指示に従って使用、管理されることを厳守してくださいね。

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夏が来ると思い出す、成長させてくれた人。

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 今日は海の日で、当院はお休みです。今日は診療とは少し違う話をしますがお許しください。今日は天気もすこぶるよくて、梅雨もそろそろ明けますかね?
 僕はこの季節が大好きです。学生の頃は、海に行ったり、BBQをしたり、花火を見たり楽しい思い出がいっぱいあります。でも、一番の思い出は大学のサッカー部に所属していた時の事ですかね。。。僕は歯科大生の頃はサッカー部に所属して、全国の歯科大生の大会(通称デンタル)に参加して、この大会に優勝することを目指して頑張っていました。1年生の夏はまだ18歳で、その頃に経験した事を以下に紹介しますね。

 僕は大学に入学するまでほとんどサッカーの経験はなく、大学に入って始めたようなものです。歯科大学のサッカーなんてそれ程レベルが高くないと思いますよね。。。でも、入ってみると凄く上手な人がいました。高校の頃、全国大会に出場したことがある人や、県選抜に選ばれた人や、アルビレックスの前身であるアルビレオに所属した人等々。。。ハッキリ言って僕は場違いでした、もともとサッカーは好きでテレビやビデオでよく見てはいましたが、こんなにうまい人達が歯科大学のサッカー部にいるとは、思ってもいなかったですよ。小学校の頃から、やっていた人と初心者では雲泥の差がありました。。。レギュラーにはなかなかなれず、いつも補欠をしていました。練習も厳しく通常は週に3回練習し、日曜日も試合なので、週に4回はサッカーをしていたことになります。夏や春は合宿があり、そこはほぼ毎日練習でした。下手だったので、サッカーを辞めたいと思うときは度々ありました。練習も厳しく、飲み会も当時は本当に厳しかったですしね。また、上下関係も強く1年生の頃は、上級生、特に5年生の主将が本当に恐ろしく、何か粗相があると大変なことでした。ある日、クラブに行くのが嫌で、無断でサボったことが一回だけありました。その次の日、主将から呼び出されて体育館裏で、サボったことを問いただされ顔を三発ほど、思いっきり殴られたことがありました。(今では大変なことかもしれませんが、当時はそれが割と普通でした。)

 でも、この事でサッカーを辞めようとは思わなかったです。なぜなら、これがその人の愛情で教育なのを理解していたからですね。怖かったけど、優しさがあって、人間的にどうしようもない僕らの事を本当に可愛がってくれてましたからね。反って、主将を悲しませたなと後悔したものです。この主将は怖くて甘えを許さず、一生懸命やっていないと鉄拳が飛んでくるような人でしたが、良いプレーをすると、もの凄く褒めてくれて下手なりにもチャレンジする姿勢を称えてくれました。主将は自分にも厳しくサッカーとお酒は誰にも負けず、勉強も凄く優秀でした。少しでも、この人に近づきたいなと思い、そのような事があってからというもの、自分なりにサッカーも勉強も頑張りました。

 多分、あのような事がなければサッカー部を辞めて、勉強もろくにせず、留年を繰り返したりしたかもしれないですね(1、2年生の頃は本当に勉強ができなかったですから。。。何とか留年はしなかったですが。。。)。あの頃は、本当に人生を舐めていたかと思います。この主将に出会って、サッカーと生き方の指導を受けて真剣にやる意味を教えてもらえて本当に良かったと思っています。今は同じ歯科医師になって、同じ土俵の中にいますがまだまだ同じレベルには立てません。これからも尊敬の念を持ちつつ、背中を追っていきたいです。

 ちなみに、今でも僕はサッカーが大好きでそれが高じて、サッカー審判免許3級やスポーツ指導員、C級コーチそして日本体育協会公認スポーツデンティストを取得する原動力になりました。プレイヤーとしてもフットサルですが続けています。全てはこの主将との出会いがあったからだと思います。

 今のご時世では、愛情のあるものでも、ないものでも同じ行為として見られ指導をするものとしてはやりにくい世の中ですよね。。。ちょっと何かあると、体罰や暴力と言われる。。。そのことに否定はしませんが、人間はその人の事を本当に思っているなら、注意をするのは当たり前ですよね。良くなってほしいから言うわけです。そこに愛情がなくて、どうでもいいと思うのなら誰も何も言いません。言う方も嫌われるかもしれないことを覚悟して言うわけですから。。。これはスタッフ教育や患者教育でも通ずるものですね。なかなか理解されにくい部分かもしれませんが、このスタイルは貫いていきたいと思います(手を挙げることは、絶対にしませんが。。。)。

チタンを使用した金属床の総入れ歯はメリットが多いです。

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 金属床入れ歯にも、何の金属を使うかによって違いがあります(見ただけでは、解りませんが。。。)。総入れ歯の場合、天然歯を失い歯茎がもの凄く痩せている人が存在します。いわゆる顎堤が吸収されていて顎の高まりがほぼなく、貧弱になっている人ですね。このような方に、重い金属であるコバルトクロムの金属床入れ歯は不向きと考えます。重いため重力に負けてしまい、上顎の場合は外れやすい事が多いです。また、下顎に使用すると顎が重くて疲れると言われることがたまにあります。
 その点、チタン床の総入れ歯は、コバルトクロム床に比べてかなり軽いです。技工操作がちょっと難しいという点がありますが、それさえ気をつければ良いものになると思いますよ。金属アレルギーのある方でも使用が可能な場合が多いですし、何より軽くて患者さんの使用感も良いとよく言われますよ。丈夫さも、抜群ですしね。
 もし、過去にコバルトクロム床の金属床入れ歯を入れた方で、顎の疲れや外れやすさにお困りならば、ご相談いただけたら幸いです。
 この金属床(チタン床、コバルトクロム床)入れ歯は自由診療となりますが、医療費控除の対象になりますのでご検討していただけたらと思います。

(写真の掲載は、患者さんの同意を得ています。上顎の顎堤は貧弱でしたが、口を大きく開いても吸着しています。チタンを使用している部位は口蓋になるので、他人からは見えませんし、軽くて丈夫です。また、金属なので、薄くできるため発音をそれほど阻害しません。)

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歯科の医療費控除とは

スポーツマウスガードは適合性が最重要です。

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 スポーツマウスガードは、市販のものとしてスポーツ店でも売られています。でも、それは材料を温湯で軟化し、口腔内に入れて口を尖らせたり、様々な運動をして歯と口腔周囲の筋肉の動きに合わせます。簡便で値段も安く、自分でいつでも作ることができるのがメリットでしょうか。。。
 でも、この市販のマウスガードは歯科医院で作られたカスタムメイドマウスガードに比べると、はるかに適合性は悪いです。適合性が悪いと装着することによって、反ってケガを招いたりスポーツフォーマンスの低下をきたすことがあります。
 適合が良く、外傷予防やスポーツパフォーマンスの向上を考えるならば、歯科医院で型を取ってもらい、カスタムメイドのマウスガード製作をお薦めいたします。
 適合性が悪くて違和感を感じながらやると集中できませんよね。悩まれるよりもしっかり予防して、スポーツに励んでいただけたらと思います。マウスガードの料金は自由診療となりますが、当院では透明色は6000円(税抜き)、色付きのものは7000円(税抜き)で製作が可能です。
(写真は半透明のマウスガードシートを用いて、製作中したものです。)

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抜歯後は、ブリッジか入れ歯か。。。

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 親知らずの歯が、虫歯や生え方の問題で抜歯を勧められることがあるかと思います。確かに、親知らずは生え方があまりよくないケースが多く、根の治療をするほどの虫歯であれば、抜歯した方が良いと僕も考えます。でも、かなり歯茎に潜っているような場合は大学病院に依頼して、抜歯をしてもらうように紹介させてもらう事もあります。もし、気になる方はご相談ください。親知らずの抜歯の場合は、その後、傷さえ治ってもらえれば何も被せたり、入れ歯を入れる必要はないです。
 でも、その他の歯が、どうしても抜歯になるのであれば、状況によってはブリッジ(抜いた歯の前後を削って被せ物で橋を架けること。)か入れ歯になるかと思いますが、それぞれのメリット・デメリットはありますし、ブリッジが掛けようのない症例であることもあります。抜歯後にどのような補綴物が適応なのかは、抜歯をする前にきちんとお話をしていくように当院では心掛けていますよ。
(写真の掲載は患者さんの同意を得ています。本文の内容とは直接、関係はございません。)

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入れ歯を良い状態で維持するためには。。。

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 入れ歯診療で一番大切なのは、良い入れ歯を作ることよりも、そのよい状態を維持することだと思います。入れ歯だから、定期健診に行かなくていいと思う方がかなりいますが、部分入れ歯で歯が1本でも残っている方や、総入れ歯であっても良い状態をキープするには定期健診と調整は絶対必要なのです。
 歯を失った歯茎は必ず時間の経過とともに、痩せていきます。これを顎堤の吸収と言いますが、この吸収を止めることは現在の歯科医療ではできません。早い方だと、1~2ヵ月の期間でもかなり変化のある人がいます。是非、入れ歯が緩くなる前に、入れ歯の内面や咬合面に調整をさせていただけたらわずかな時間で、良い状態を維持できると思います。
(3ヵ月に1回、総入れ歯の定期健診で入れ歯の内面に適合診査の薬を塗り、入れ歯内面の適合をチェックしています。)

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大切なのは治療後のモチベーション維持です。

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 他院で抜かなければならない歯があると言われて、抜くのだったら当院で入れ歯を作りたいと来られた患者さんがいました。その方はここから3駅ぐらいの距離があり、ちょっと遠いところから来られているなとは思っていました。口腔内を診てみると、確かに歯周病の状態は良くなく、何度か腫れを繰り返しているとのことでした。でも、その時は抜かなければいけない程、重度の歯周病とは思えずレントゲン診査でも、骨の支持は割としっかりしていると思われました。まずは、保存する努力をしっかりさせて頂き、そこから判断した方が良いのではないかと提案しました。また、下顎の臼歯欠損部にはあまり良い入れ歯が入っていないので、それと並行して作って言ったらどうかと説明し同意を頂けました。
 
 そして、現在は無事に入れ歯のセットをさせて頂き、歯周病も取りあえずは安定しているため月に1回のメンテナンスに移行しました。その時はその方からは、「これ以上、悪くしないためにも毎月、メンテナンスに来ます。」と仰っていましたが、それから2週間ほど経って、「ちょっと遠いため、通えない。」と電話で連絡を頂きました。
 
 患者さんの都合上、通えないのは致し方ない事ですが、これだと本来の「しっかりした口腔ケア」に到達することは難しいですよね。結局は、歯科医院と一緒に患者さんの口腔内を守るシステムを構築しなければ、根本的な改善は見込めないと思います。歯周病や虫歯は慢性病変でコントロールを必要とする病気ですからね。。。また、痛くなった時だけ来られても、治療としては抜歯か神経を取るような作業になるのがオチなのですよね。。。そして結果的には、入れ歯になるという悪循環。。。せめて、他院でしっかりと口腔ケアを受けることを願っています。
 
 口腔内の健康は本人だけで、守ろうとしてもほぼ無理です。僕ら歯科教育を受けた歯科医師でも、自分だけのセルフケアでは足らず、月に一回は歯科医院で定期健診とクリーニングをしてもらっていますよ。皆さんも、是非、そのことに気づいていただきお口の中の健康を守るようにしていただけたらと思います。治療が終わってからの、もう歯を悪くしないぞというモチベーション維持が本当に大切なのです。

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総入れ歯の維持安定を得るには。。。

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 先日、初めて当院に来られた患者さんで上顎に部分入れ歯が装着されていましたが、バネのかかっている歯が重度歯周病のために脱落してしまったようです。その部位に増歯といって、入れ歯に人工歯を足す作業をしました。しかしながら、他の残存歯も2本ほどあり、かなりの歯周病のために動揺が大きくありました。レントゲン診査をしても骨の支えは全くなく、抜歯の適応と思われます。その旨をお話しさせてもらい、抜歯して総入れ歯にした方が良いのではないかと提案させていただいてます。でも、この患者さんは「総入れ歯になったら、どうやって維持を図るのか?」と心配なようで、僕に聞いてこられました。
 
 確かに患者さんにしてみたら、粘膜に乗っかっている上顎の入れ歯が落ちないようにするのは不思議ですよね。もちろん健康な歯があって、その歯にバネを掛けて維持を図れるならそうすることに越したことはないのですが、この方のように条件が悪い歯にバネを掛けて維持を図るのは、反って悪い結果を生みます。グラグラしている歯にバネを掛けても意味はないですし、その歯に過剰な力が加わり、痛みを起こす原因にもなりかねません。で、あるならば総入れ歯で維持安定を図ることを目指した方が、外れにくく安定感のあるものになりますね。

 総入れ歯の維持安定は、入れ歯が粘膜に「吸着」していることが重要です。この吸着は、粘膜と義歯床内面との間に、「陰圧」を起こすことが大切です。この陰圧というのは、解りやすく言うと、ヤクルトを咥えて息を吸うと吸盤のように唇や舌に吸い付きますよね。この事を言います。そのためには入れ歯の床辺縁部をしっかり封鎖していくことが大切です。また、唾液の質や量、残存顎堤の高さや幅なども吸着を得るために重要な因子として絡んでいきます。

 この吸着を口を開けた時、物を食べているときなどの機能時にも発揮させるようにすることができれば、そう簡単には落ちない入れ歯になるのですね。。。
 ただ、これを獲得するのは簡単な事ではありません。でも、プラプラの歯を残して、部分入れ歯を作るよりも良いものができると僕は思います。
(写真は、本文の内容とは関係がございません。)

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