本当に恨めしい、歯根破折。。。

院長ブログ

新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

本当に恨めしい、歯根破折。。。

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。

 先日、被せ物が取れたという事で急遽、来ていただいた患者さんがいました。この方は、遠いところから足繁く通っていただいているのですが、以前からその歯に不調和があり、何度か腫れを繰り返していました。
ここに来られた当初は、重度の歯周病のため臼歯部を抜歯し、その後上顎前歯部を被せ物で直し、咬み合わせのラインを整えてから上顎のノンクラスプ入れ歯をセットしました。

 しばらくは具合も良く、特に大きな問題もなかったのですが、ある時を境に歯茎が腫れてきました。もともと若干の歯周病はあったのですが歯周ポケットを探ってみると、その歯の周囲はそれほど深いポケットはなかったのですが、精密検査をすると一点のみ、もの凄く深いポケットがありました。この場合、考えられるのは歯根に亀裂が入った。。。恐らく、その時には歯根破折があったのではないかと推測されるのですね。この歯根破折を起こす可能性があるのはただ一つ、就寝時の咬み合わせの問題。。。いわゆる歯ぎしりや喰いしばりです。
 
 この就寝時の歯ぎしりや喰いしばりは、非常にやっかいな問題です。寝ているときにしているので、本人の自覚が乏しいのですね。。。現代歯科医学では、止めることが難しいとされています。この方は臼歯部が欠損しているため、夜間に入れ歯を入れないで寝ていると残存している前歯に過剰な咬合圧が加わります。そのような事が予想されるようになってから、入れ歯を入れて寝てもらう事を指示しましたが、入れ歯を入れて寝るのはちょっと窮屈に感じるという事からナイトガードも作りましたが、結果的には被せ物が外れてその部位を上から見ると完全に割れていました。。。この状況を説明し、その歯を抜歯し、そこに増歯をすることにしました。
 
 でも、これで全てが解決というようには思えません。やはりこれからも歯ぎしりや喰いしばりは恐らく止められないでしょうし、それをすることによって、入れ歯の咬み合わせも下がってきます。そうすると、また前歯部に大きな負担がかかってくるのが予想されるからです。。。そのため、抜歯窩が落ち着いたら夜間の歯ぎしりや喰いしばりに対応するためのナイトデンチャーを薦めてみようかと思います(若干臼歯部の咬合を上げて作り、夜間の歯ぎしりや喰いしばりをしても、残存している前歯に負担がかかりにくいように設計された入れ歯)。本当に、この歯ぎしりや喰いしばりによる歯根破折というのはかなり多いです。これによって、抜歯を余儀なくされることが僕ら歯科医師にとっても辛いです。
 でも、この方にはこれ以上歯がなくならないように僕の持てる力を全て出し切っていきたいと思います。

 少しでも、そのことが疑われるような歯の摩耗、顎関節の違和感、被せ物の脱離を繰り返す、家族から歯ぎしりしていたよという報告を受けた等がある方は、歯科医院でご相談ください。

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