2018/11/05
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
入れ歯を製作する前には、口腔内の診査が必要です。
その際には、欠損の部位、欠損歯数、欠損部の状態(骨の吸収程度)、残存歯の状態(歯周病、虫歯の程度)、咬合関係、顎関節の状態、等を問診、視診、触診、レントゲン診査などで確認します。
そして、入れ歯を作るのに適した状態なのか判断します。
よく見られるのが、総入れ歯に近い方でフラビーガムといって上顎や下顎の入れ歯の乗っかる前歯部分に、ブヨブヨになった粘膜に遭遇することがあります。
このフラビーガムはコンニャク状顎堤ともいい、入れ歯を作る上でかなりやっかいです。
なぜなら、そのフラビーガムができている部位にも入れ歯が乗るため、入れ歯を入れて咬み込むと、入れ歯自体が沈み込んでしまい安定感を得られにくいからですね。
そのため、基本的には、このフラビーガムは手術をして取り除くことはせずに、保存して治療をしますが、場合によっては手術に踏み切ることもあるようです。
先日も、このフラビーガムで入れ歯の安定感を得にくい人が来院しました。
その人は過去に、不適な入れ歯を装着していてそれに入れ歯安定剤を何層も敷き、そのために口が閉まらなくなってしまうほど、間違った使い方をしていました。
このフラビーガムの原因としては、不適な入れ歯を長期使用していたり、咬み合わせの関係で入れ歯が突き上げられたことによってできることが多いです。。。
その旨を、この患者さんには以前から説明させていただき、今では入れ歯安定剤に頼ることはなくなったのですが、入れ歯そのものに吸着が得られても、このフラビーガムが上顎の顎堤をほとんど覆っているため、安定感を得るのが本当に困難です。
このような状態になってから、入れ歯を作ってもなかなか本当の意味で満足いくモノは得にくいです。
どうか、入れ歯に不調和を感じたら、早めに歯科医院で診ていただき、このようなフラビーガムを作らないようにしましょうね。
なってしまってからだと、それから、入れ歯を作っても良いものにはなりにくいですからね。。。
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2018/11/01
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
当院が総入れ歯を製作するのに、一番重要視しているのは咬み合わせです。
製作段階で、これがしっかり採得できれば、90%以上はうまくいくと思えます。
型取りももちろん大切なステップですが、総入れ歯の場合はどの段階でも完成前に型を取ることはできるので、ある意味、気楽に考えているところがあります。
咬み合わせ取りは、まずは垂直的な顎間関係を取ります。
つまりは咬み合わせの高さを決めるわけです。
総入れ歯の場合、咬合床というモノを技工サイドで製作しておき、それを口腔内に入れて決めていきます。
方法としてはいろいろありますが、何せ総入れ歯の場合は基準となる歯牙が無いですので様々な方法を組み合わせてやることが多いです。
一般的には、生理学的・解剖学的な方法で決めることが多いです。
そしてこれを決めた後は、咬合器に装着していきます。
この咬合器に装着する上で、患者さんの顔面の情報を咬合器上に反映するためにフェイスボウ・トランスファーということをしておいて、それで上顎模型を装着してその模型上に咬合採得した咬合床を当て込んで、下顎模型を装着いたします。
自信のあるブレの無い咬み合わせが取れているのならば、これで人工歯を並べる作業に入ることも少なくないですが、この段階では、もしかして前方で咬んでいる可能性も否定できません。
そのため、水平的な位置関係を決める作業が必要なことがあります。
それを決めるのに、当院ではゴシックアーチトレーサーというモノを製作して、中心位という位置を決めています。
この中心位というのは再現性があります。
そして、中心位やそこから左右に動かせる位置を仮想中心咬合位(歯があった時の奥歯で咬んだ時の位置関係)として、咬み合わせの修正を咬合器上で行います。
でも、この咬み合わせが歯があったときの咬み合わせだという保証は何も無いわけです。
そのため、この位置で人工歯を並べて、歯肉形成をした後、患者さんの口腔内で仮合わせ(試適)をしてその位置でしっかり咬んでいるのかを確認します。
ここでズレが無ければ、大きな問題は起こりにくいです。
仮合わせの時に、もし、ズレていることに気づいた場合は人工歯を外してその位置にワックスを置き直し、もう一度咬み合わせ取りをすることも可能であります。
でも、これをやり直すことによって、患者さんが医院に来る回数は増えてしまうわけですが、これだけは本当に難しい作業なのでご容赦を願っています。
このズレを気づかずに、完成してしまうとそのズレを修正するのは本当に難しいです。
恐らく半歯ズレただけでも、本入れ歯であるならば最初から再制作になるかと思います(僕は、もしあったらそうするようにしています。即時入れ歯の場合はあくまで仮入れ歯としていますので別ですが。。。)。
咬み合わせを決める作業というのは、総入れ歯の製作段階では本当に重要なことが少しでもお解りになれたなら僕らとしても非常にありがたい限りです。
このデジタル化が進む現代で、この作業は本当にアナログチックですが、ここは本当に難しいけどやっていて楽しい所でもあるので、今後も頑張って行きたいと思います。
(写真は口腔内に咬合床を入れて咬合高径を決めているところです。この状況だけでは水平的な位置関係は決定しかねます。)
2018/11/01
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
予約制となりますが、訪問診療を当院は積極的に行っております。
主に火曜日と木曜日の日中に行くことが多いです(もちろん日が合えば、他の曜日も可能です。)。
多いときは一日に3件、行くこともあります。
当院における訪問診療のための設備も、充実してきました。
もし、レントゲンが必要なことがあった場合もポータブルレントゲン撮影機により、撮影することができます。
入れ歯の製作はもちろん、虫歯の処置や歯のクリーニングも行っています。
要介護状態の場合、歯科医院に行きたくても体の自由がきかないため、外来に来ることができませんよね。。。
先日も、歯がほぼ全て残存している方の歯のクリーニングのみをしてきました。
この方は3ヶ月ごとの歯のクリーニングをしてほしいという希望があるため、定期的に行っています。
足腰が弱く88歳と高齢ですが、日頃の手入れの良さと定期健診が効いているようで、虫歯はなく顔も若々しいです。
食べられない物もないと言っていましたよ。
また、介護施設にいる方ですが、その方は上下顎とも欠損歯があって入れ歯が入っていますが、残存歯を守りたいと言うことより、月に1回入れ歯の調整と残存歯のクリーニングに行っています。
その方は、初めて診たときは全身状態が良いわけではなかったのですが、入れ歯の製作と口腔ケアを一生懸命やったところ、歩行器がなければ歩けない状態であったのに、最近は、スタスタと歩けるようになって来たような気がします。
顔色も良くなり、「お陰様で、何でも食べれるよ~。ありがとう。」と言ってくれます。
そのような、本当に嬉しそうな言葉や元気な姿を見ると、こちらのやる気もアップしますよ。
最近よく聞く言葉で、オーラル フレイルという言葉があります。
オーラルは日本語で口のこと、フレイルは虚弱のことです。
つまり、人は口から老いて弱まる、、、という考え方です。
例えば歯を一本失ったとして、その一本だけならばその時は大した不自由を感じていないのだけれど、さらに1本なくなって行くことが続いていくと、人は食べられるものに偏りができてきます。
そうなると、摂れる栄養にも偏りが出てくるのですね。
その結果、全身的にも悪影響が出てきてしまい、弱まってしまうために要介護状態に近づいていくのですね。
だから、まずは口の中から要介護状態にならないように予防をしていくことが大切です。
もし、現在が要介護状態ならば、これ以上は悪化しないように口腔ケアをしていきましょう。
このように、もし、入れ歯が痛い、虫歯や歯周病で困っている、歯のクリーニングをしてほしいという方がいて、要介護状態のため外来に通うことができない場合はご相談ください。
予約制となりますが、ご自宅、介護施設まで訪問診療いたします。