2015/03/18
総入れ歯の難症例で一番多く見られるのは、入れ歯が乗る歯茎の部分が痩せてしまっていることです。総入れ歯の場合、一本も歯がないですので維持は粘膜に求めるしかないのですが、その歯茎が痩せてしまうとかなり厳しい状況になります。これはどの方でもあることなのですが、歯を失うと歯槽骨は吸収されていきます。特に早い時期に歯を失うと、歯根を取り巻くその歯槽骨は吸収が大きいですね。吸収された歯槽骨を元に戻すことは、現状では不可能です。
従って、私たち歯科医師はそのために、しっかり型を取り、咬み合わせを決め歯を並べて製作してます。でも、そのように努力して何とか吸着を得ることができても、そのような方は側方力がかかると安定感が弱く、痛みも出やすいです。そのための調整はやはり食べてみてどうかを確かめる必要がありますので、何回かの調整はどうしても必要になるかと思いますね。
(写真は上顎に総入れ歯、下顎に部分入れ歯が装着された状態です。上顎は歯茎の吸収が大きい状態でした。)
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