2015/03/08
最近、マウスピースをいろいろな場面で、聞くことが多くなりました。それぞれ用途により製作方法も使用する製品、出来上がったマウスピースの大きさや厚みも違います。
顎関節症の治療や歯ぎしり防止用のものは硬い素材のものが多く用いられていますし、スポーツ用のものやホームホワイトニングに使用するものは柔らかい素材で作るのが一般的です。
先日、来られた患者さんでスポーツ用のマウスピースと夜間の歯ぎしり防止用のマウスピースの製作を希望されました。下の写真はその方のマウスピース製作のための作業模型ですが、どちらがスポーツマウスガード用でどちらが歯ぎしり予防用のものか解りますか?
答えは向かって左が歯ぎしり防止用で右がスポーツ用です。同じ患者さんのものなので歯型は一緒なのですが、歯ぎしり防止用のものは、歯と若干の歯肉部分しか型が取れておりませんよね。でも、スポーツ用のものは歯肉から頬粘膜にかかる深い所まで型が取れています。歯ぎしり防止用のものは主に歯牙にかかる歯ぎしりによる力を分散させるためものなので、歯列だけ型が取れていればいいわけです。それ以上延ばして歯肉に充てる必要はないですから。
でも、スポーツ用はスポーツ時における外力による口腔内の保護が目的であるため、歯牙のみならず歯肉などの損傷も防止する目的があるので、歯肉頬移行部と言われる深い所まで型を取り、そこまで伸ばすのが鉄則です。
これから、硬いシートを使用して歯ぎしり防止用のマウスピース、そして弾力のある柔らかいシートを使ってスポーツ用のマウスピースを作ります。上記に示した部位まで各々の必要な長さに調整していく予定です。
このように、用途や目的によって作り方、素材、厚みなどが違うものになることをご理解いただけたらなと思います。
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