総入れ歯の咬み合わせの高さについて

院長ブログ

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総入れ歯の咬み合わせの高さについて



新しい総入れ歯を作る際に精密な型取りの後、咬み合わせを決める作業をします。総入れ歯の場合は、参考、基準となる歯が全くないのでこれを決める作業は結構大変です。方法としては、咬合床という咬み合わせを作ってそれを使い、解剖学的なランドマークを基準にしたり、顔面を計測したり生理学的なものを利用して決めていきます。

口で言うと簡単に思いますが、かなり難しく注意が必要なところです。なぜなら高さが低いと唇が下がって見えて、への字口になったり、皺が寄りやすくなります。審美的に良くないのですね。極端な例を挙げると、昔クシャおじさんといって顔が皺くちゃになって潰れるような物を芸としてテレビに出ていた人がいましたよね。極端にいえばあんな感じですね。顎関節にも障害が出ることがありますよ。また、高すぎると口の中がいっぱいになった感じがして違和感が大きく、皺は伸びてもツッパリ感がいつまでも取れない状態になります。従って、適正な高さを決めるのは非常に大事な作業なんですね。

私は、総入れ歯を治療し始めて21年目ですが、ここはまだ苦手なところです。咬合床で採得した高さで、人工の歯を並べてみるとなんか高いなぁと思うことがままあります。でも、そうなっても試適の時に直せる状態にしておけば患者さんにそれほど負担はかかりませんしこちらも確認が容易です。だから、入れ歯の試適の時はかなり時間をかけて歯の色、形、並び、咬み合わせ、見た目等、いろいろチェックさせてもらっていますよ。