2017/10/10
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
入れ歯は装着したまま寝た方が良いのか、それとも外して寝た方が良いのかとよく聞かれます。
一般的には、外して寝てくださいと言ってます。
それは、就寝時は粘膜を休ませてあげた方が良いと考えられるからです。
でも、中には就寝時の歯ぎしりが強くあり、入れ歯がないと残存歯の負担が強いと考えられる人は、入れ歯を装着したまま寝てもらうように指示することもあります。
顎関節症の人も、装着して寝てもらうように指示しています。
そのあたりは、歯科医師の注意と指導をよく聞いて頂きたく思います。
いずれにしても、入れ歯を清潔にすることは大切なので、入れ歯は入れ歯で汚れを直視してブラシをかけ、お口の中の残存歯もしっかり磨きましょうね。
2017/10/08
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
今から20年くらい前の話です。
僕が大学院を卒業して大学病院の入れ歯の講座にいた時に、ある入れ歯の患者さんの担当になりました。
今まで、ある開業医さんで入れ歯治療を受けていたそうですが、なかなかの難症例のため紹介されてきました。
その方は、当時60代後半の方で上顎は全ての歯を失っていて総入れ歯、下顎は両側の臼歯がないためそこに部分入れ歯が入っていました。
その方の歯茎はかなり痩せていて、上顎は完全にカパカパの入れ歯のため話をするたびに落ちてくるような状態でした。
その方は、言う言葉も荒く神経質な感じもありました。
「お前のような若い先生じゃ、俺は不安だよ。」と仰っていました。
僕は「一生懸命、やりますので、何卒よろしくお願いいたします。」とただ一生懸命に入れ歯のための型を取り、咬み合わせを取っていきました。
いざ、セットとなった時、その患者さんは「お、なかなかいいじゃないか。結構、見直したよ。」と言いました。
その頃になると、僕もこの荒っぽさに慣れてきて結構言うようになっており、「○○さん、ありがとう。でも、まだそれを言うのは早いよ。食べてみないとはっきりしたことは言えないよ。」と言いました。
それから、何度かの調整を終えて、6ヵ月毎のメンテナンスに移行しました。特に大きな問題もなく入れ歯を気に入って使ってくれていました。
それから3年ぐらいして、僕が大学病院を辞めて離れるちょっと前にちょうどメンテナンスの時期と重なり、その方はメンテナンスに来られました。
僕は、今までの事からもしっかり挨拶をさせて頂き、後任の後輩を連れて本人の前で注意事項を申し送りしました。
その時にその人は「そうか。。。俺を置いてここを辞めちゃうのか。。。」と少し涙ぐんでいるようにも見えました。
「後任の先生は腕もいいし、優しいから大丈夫だよ。」と言ってその場を後にしました。
それから、次の勤務先の佐渡ヶ島にある病院で勤務して半年ほど経った時、その患者さんから電話がありました。
その内容は「今の先生も悪くないのだが、やっぱりあなたじゃないとダメだ。佐渡まで行くから診てくれ。」と仰っていました。
その時の僕は、さすがに佐渡までメンテナンスに来てもらうのはあまりにも大変であろうと思い、「いやいや、佐渡に来るのは大変だから。大学で診てもらってください。」と言って電話を切りました。
少し申し訳ないようにも感じましたが、僕としては気遣ったつもりでいました。
それから2年半して佐渡を離れ、新潟市江南区の歯科医院に勤めていた時に、突然、その患者さんはそこの医院に人伝で僕に会いに来てくれました。
そして、「また入れ歯を作ってくれ。もう、佐渡にいるからという理由は使えないでしょ。」と笑って言ってくれました。
この時は、本当に嬉しかったです。
そこまでして、僕に会いに来てくれて。。。もう、先生と患者ということを飛び越えて、友情というか親子というか、なんとも言えない感情が僕達の間にはあるのだなと感じましたよ。
それから、3年ほどして僕は開業しました。
その方は、開業当初、外来の方に来てくれていましたが、現在は訪問診療に伺わせていただいています。
ここ最近は、体調の関係でお会いできていませんが。。。
今度は、その方の体調を見て、僕がその方を「追っかけ」ていく番ですね。。。
歯科医師と患者の仲にも一期一会、お互いに誠意を尽くして尊重していく関係が構築されれば、お互いに幸せですね。
※明日は休日のため、ブログもお休みとさせていただきます。
2017/10/07
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
入れ歯を作ってほしいという依頼で、当院に来られる患者さんは多いです。
僕としても、入れ歯は大好きな診療ですので本当にありがたい事です。
でも、時折、予約なしで飛び込みで来られる患者さんがいます。
当院は開院当初から予約制を敷いていますので、痛みがあって辛いと思われても、まずは電話をしていただき予約状況を聞いていただきたく思います。
そうでないと、予約をお取りになっている患者さんにもご迷惑をお掛けしてしまいますので。。。
なかなか融通が利かないように思われますが、あくまで予約制とさせていただき、必要と思われる時間を確保して診療に当たるのが理想かと思います。
何卒、ご理解の程、よろしくお願いいたします。
2017/10/06
2017/10/05
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
部分入れ歯を入れている方によく見られるのですが、金属のバネを掛けている歯が磨けていないことが多いです。
このバネがかかる関係上、どうしても汚れは付きやすいのですが、付きっぱなしになっていると、虫歯や歯周病を起こしやすくなります。
特に注意をして磨くようにしましょうね。
また、入れ歯を装着したまま歯磨き粉をつけて自分の歯と一緒に磨くのは絶対に良くありません。
入れ歯の内面は磨けませんし、それこそバネのかかった歯は磨けないため、何かしらのトラブルを抱えることになります。
また、歯磨き粉を使う事によって研磨剤に人工歯が負けてしまい、少しずつ削れていくこともありますから。
入れ歯は口腔外で磨き、残存歯はしっかりとキレイに磨きましょうね。
2017/10/03
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
金属床の総入れ歯を装着するようになって、見違えるほどよく話をするようになり、食事も美味しくできるようになった人は多いです。
以前は、保険内で入れ歯を作ったようですが、とても装着していられないと仰っていました。
どうしても保険診療では使用できる材質は基本的にプラスチックであるため、床と言われるピンク色の部分が厚くなります。
これは、強度を上げるためには致し方ないのですが、かなり違和感を感じるようです。
基本的には上顎の場合は口蓋部分、下顎の場合は舌側部分に金属が露出するため他人から解ることはありませんし、熱伝導性はよく、温かい食材は温かいものとして冷たい食材は冷たいものとして食べられますし、薄くなることによって、舌の動きを阻害しません。そのため、口の中が広くなったようだとよく言われます。
入れ歯は毎日使うものです。話しにくい、食べにくいと保険内の総入れ歯で感じているのなら、考えていただけたらと思います。
2017/10/02
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
先月に当院も開院してから7年目となり、早くも一月が過ぎました。
最近はメンテナンス(定期健診)に応じてくれる患者さんは本当に増えてきましたが、入れ歯の方のメンテナンスは、まだまだ多くはないと思います。
入れ歯は歯がないので、痛くなったら行けば良いとか、緩くなったら行けば良いと思われがちですが、それだと、かなり大掛かりな処置が必要になります。
場合によっては、作り替えなければならないこともあります。
歯を失った歯茎は、時間の経過とともに生理学的に吸収され、これを止めることはどんな名医でもできません。
そのため、入れ歯が少しずつ合わなくなってしまうのを、少しの調整で間に合わせていくのが一番良い事だと思います。
総入れ歯の人でも、是非、3ヵ月に1回は点検と調整をさせて頂けたらと思います。
2017/10/01
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
僕が総入れ歯の製作の過程で、一番気をつけていることは咬み合わせです。
総入れ歯であったり、歯があっても対合歯がなくて咬み合わせが安定しない場合は、入れ歯を製作するための咬み合わせを採得する装置(咬合床)が必要になります。
この装置を使って、咬み合わせを決めていくわけですが、古い入れ歯の悪い咬み癖があるためになかなか上手く取れないこともあります。
そうなると、いろいろな方法を使って決めていくことになるのですが、かなり大変です。
場合によっては2~3回この咬み合わせを取るために時間をかけたり、お使いの古い入れ歯の咬み合わせを直して、それを使用してもらい、しばらくたってから咬み合わせを取り直すこともあります。
ここが上手くいかないで、それに気づかずに新しい入れ歯を製作してしまい、それを修理なんてことになれば、キレイに仕上がりませんからね。
自分の中では、一番緊張するし、その後の仮合わせでもかなり慎重に見ていますよ。
2017/09/30
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
30代、40代の若い人でも、親知らず以外の歯を虫歯や歯周病で1本以上失う人がいます。
入れ歯はできればしたくはないということで、ブリッジができるかどうか検討はもちろんいたしますが、犬歯や大臼歯を失った長い範囲のブリッジは保険診療ではできないことが多いです(学術的に無理とされる根拠がありますし、保険のルールでも認められないケースがあります。)。
そうなると次の選択肢は、保険診療内では入れ歯になってしまいます。
歯の欠損部をそのままにしていて、良い事はありません。
発音しにくいことや食べにくいのはもちろんですし、歯を失う事によっての上下前後的な接触部分を失う事によって、歯は少しずつ移動してきます。
そうすると歯がいらぬ干渉を起こして咬合のバランスを崩し、顎関節にも障害を与えることがあります。
全身的にも悪影響があり、体幹のバランスも崩れやすくなり、姿勢も悪くなりやすいです。
もし、親知らず以外の歯で歯を失ったら、早目に歯科医院で相談され、何かしらの処置を受けることをお薦めいたします。
2017/09/29
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
入れ歯診療をしていて、患者さんが金属のバネを嫌い、入れ歯のバネを見えないようにしてくれという依頼を受けることがあります。
場合によっては、そのバネの位置を奥歯に持っていくことによって、目立たなくさせることが可能かもしれませんが、前歯部しか残存している歯がなければ、基本的にはその前歯にバネを掛けることになります。
これは保険診療である以上、やむを得ないことなのですね。
確かに、金属のバネが前歯に掛かっていることは目立つし、入れ歯だと他人に解ってしまうかと思います。
でも、これが保険診療としてはできることの精一杯のところであります(ノンクラスプ入れ歯というものもありますが、これは保険診療が認められず、自由診療となります。)。
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その保険診療内で製作された部分入れ歯で金属のバネを取ると、入れ歯の維持が効かなくなり、入れ歯がカパカパになって外れやすくなります。
そうなると、食事どころか会話も難しくなります。
この金属のバネ部分に関しては、審美的に良くないというのは解っていますが、それを気にされるならばノンクラスプ入れ歯を検討していただけたらと思います(残存歯が重度の歯周病になっている場合は、ノンクラスプ入れ歯が向かないことも往々にしてありますので、そのことは歯科医院でご相談されることをお薦めいたします。)。
保険診療で行うものに関しては、僕ら保険医はそのルールに反することはできません。
その旨は、ご理解していただきたく思います。
(写真の掲載は、患者さんの同意を得ています。下顎の入れ歯はノンクラスプ入れ歯です。金属のバネを使用しないため、目立ちません。)