2018/08/08
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
2年ほど前に抜歯してすぐに即時入れ歯を製作した人がいました。
即時入れ歯は、あくまで仮入れ歯としているので、その後、作り替えか裏裝という入れ歯の裏打ち操作が必要になります。
でも、この患者さんは予約の日にも来ず、2年ほど経って上顎の入れ歯が欠けたと言って当院に再来しました。
上顎は右側の小臼歯が1本のみ残存していて、下顎はブリッジでありますが下顎の前歯が残存していて、他部位は欠損です。
いわゆるすれ違い咬合ですね。。。
その際に、「最初は咬めて良かったんだけど、そのうち咬むと痛くなった。だから、上だけ使って下は使わなかった。」と仰いました。
僕は、「この即時入れ歯というのは、抜歯してすぐに装着するものなので、良いものにはなり得ません。どうしても、作り替えなり、修理なりが必要なものなんですよ。そのことは、以前にもお伝えしていましたよね。。。あなたの、歯の残り方だと下顎の前歯しか残ってなく、上顎はほとんど総入れ歯なのだから下顎の入れ歯が無いまま使っていたら、上顎の入れ歯が、残存歯に突き上げられて、欠けてしまうのは明白ですよ。」と言いました。
僕は、「入れ歯はセットして終わりじゃないですよ。調整やメンテナンスは絶対必要なんですよ。」と伝えたかったのです。。。
言われたその方は、ちょっと不機嫌そうでしたが、それは事実なんですよ。
咬み合わせの肝は臼歯にあります。
天然歯同士で、臼歯が一点でも咬合していればかなり、作る方としては助かります(重度の歯周炎でプラプラの歯の場合は話は別ですが。。。)。
咬合の支持域がしっかりしますからね。
この方のように、臼歯が存在せずに下顎前歯だけ残っている方は、下顎前歯が入れ歯の前歯に当たり、割れることがが往々にしてありますよ。
この状況になってから、直してくれと言われても、根本的な解決としては下顎の入れ歯を直して、上下顎の入れ歯の臼歯に咬合を与えて、上顎前歯の当たりをなくすことが大切です。
その次に、来られたときに下顎の入れ歯を持ってきてもらい、それを大きく修理して一応は使えるようにしました。
でも、なかなか良いものにはなっておりませんね、下顎の入れ歯は。。。
今後、この方は上下顎とも入れ歯を新製していく予定ですが、何とか頑張っていきたいと思います。
ここで言いたいのは、僕らの方としては今後に考えられる問題点は言っているつもりです。
特に即時入れ歯に関してはこのような問題点が出やすいです。
できるだけ、そうならないように本入れ歯を製作しましょうね。