リスクを知って、予防しましょう。

院長ブログ

新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

リスクを知って、予防しましょう。

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。  

 先日、歯間部の深い虫歯のため、半年ほど前に上顎前歯の根の治療を終えて、その歯の色が少しずつ黒くなってきたような気がするという事で、来院された患者さんがいました。その歯はきれいに根充(最後の薬)されていて、歯の内側にコンポジットレジンというプラスチックで塞がれている形で、外形は全く崩れていません。ただ歯の神経を取っているため、色は少しずつ神経のある歯に比べて変わってくるのは否めません。その旨をお話しし、神経を取った歯を白くするにはウォーキングブリーチという漂白方法で内側のコンポジットレジンを取って、漂白剤を週に1回程度変えて、計4~5回ほどの一月後ぐらいには白くなるという説明と、もう一つはセラミック冠を被せていく選択肢もあると伝えました。
 
 その患者さんは、「長く持つ方が良いですが、一生、持つのですか?」と言いました。この言葉に僕はビックリしました。歯の治療で一生持つと言えるものなんて、何もないですよね。。。どんなにいい入れ歯でも、冠でも、ブリッジでも、充填物、インプラントでも、そんなものなんてないのです。ましてこの患者さんは20代後半の男性です、あと60年以上も持たせられるものなんて現代の歯科医学では無理ですし、今後も恐らく出ないのではないでしょうか。。。

 例えば、この歯が虫歯にならないリスクは絶対に0にはならないし、歯周病にならないリスクも0にはできません。一度でも、その既往がある患者さんはリスクを抱えて生活しているのです。どんなに歯磨きを頑張っていただいても、リスクをゼロにすることは無理があります。だからこそ、そのリスクを知り、それ以上歯が悪くならないように歯科医院の定期健診をしてプロフェッショナル クリーニングとセルフケアの両立が大切なのですね。
 虫歯や歯周病は細菌の感染症であります。この細菌を生きている人の口の中で完全に駆除できる方法は誰もできませんし、僕は知りません。また、以前のブログで歯科治療は慢性疾患が主な対象と言いました。この慢性疾患は、全身的な事で言えば、糖尿病や高血圧等と一緒です。完全治療が困難で、いわばコントロールを要する疾患なのです。このコントロールというのが日常のブラッシングと、歯科医院サイドで行うプロフェッショナルケアにあたります。これを行う事で、少しでも虫歯菌や歯周病菌の数を減らしていくのが、現状でできる最大の予防という事を認識していただけたら幸いです。