総入れ歯の咬み合わせの位置設定

院長ブログ

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総入れ歯の咬み合わせの位置設定



総入れ歯は天然歯が1本もない入れ歯のため、咬み合わせの位置を決めることが一番重要です。総入れ歯の場合、患者さん自身がどこで咬んだらいいのかわからないことが多く、その位置決めは非常に難しい操作になります。
咬み合わせを決めるのに最初に行うのは、咬合床というものを使って、咬み合わせの高さを解剖学的・生理学的基準で決めます。これで垂直的基準は決まりますが、水平的な基準はなかなか難しいのです。本来の咬み合う位置より前で咬んでいたり右や左にずれていることが往々にしてあります。
それを正しい位置に直すために、当院ではゴシックアーチトレーサーを使って位置決めをすることがあります。患者さんに前後左右に顎を動かして、口腔内で矢じりの図を書いてもらい、矢じりの頂点を固定して咬み合わせの位置を決めるものです。これを患者さんが奥歯で咬んだ時の位置とし、咬合器に模型を装着して人工歯を並べます。
この位置を患者さんの咬み合わせの位置とした場合、次の利点があります。この位置は中心位といわれ再現性があること、また、前方左右にスムーズに動かすことができる位置に人工歯が並べられることです。
これをやることで咬み合わせのズレを大幅に減らすことができますよ。
(写真はゴシックアーチトレーシング後の写真です。矢じり状の図の頂点を中心位ということができます)