2015/01/29
重度の歯周病のため、抜歯を決断しなければならないことがあります。多数歯にわたる場合は、抜いた後、抜歯した穴が完全にふさがるまで1~2月ほどかかります。歯茎がしっかり落ち着いてから新しい入れ歯を製作するのが、本来の入れ歯治療のあり方だと思いますが、長い年月、空いたままでいるのも審美性や咀嚼しにくい問題が予想されます。そのような場合は即時義歯という手段があります。
まず、保存可能か不可能かの判定をしっかりします。そして、ブリッジやインプラントでは対応困難であれば、即時義歯の製作へ移ります。歯がある状態で型を取り、咬み合わせを取ります。そして、模型を製作し、模型上で抜くべき歯を削ります。その後、人工歯を並べ残る歯があればそこにバネをかけるようにして、すぐに完成させます。
そして、入れ歯が出来上がっている状態で、抜くべき歯を抜歯します。抜歯した後、完成されている入れ歯をセットします。これが一連の流れです。
しかしながら、口で言うほどこの処置は簡単ではありません。なぜなら、抜歯した後、歯茎が回復する際にどれだけ盛り上がってくるかは予想だけで作っております。抜歯直後に入れ歯を入れると当然、まだ麻酔も効いているはずなので、咬み合わせも不安定な面があります。したがって、当院では、半年後には新しい入れ歯をしっかり作った方がいいという旨は伝えてあります。