2020/02/11
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
今日は建国記念日で当院はお休みです。
今日はいつもの診療とは違う話を書きますね。
当院に来てくれる患者さんでちょっと強面で、態度が良いとは言えない患者さんがいます(特に他の患者さんを威嚇するようなことはしませんが。。。)。
その人は、見た感じで言うのもなんですがちょっと、いわゆる普通の職業をしている人ではないように思えました。
最初は怖かったですが、次第によく話すようになり、今でも患者さんとしてほぼ毎月来てくれます。
僕に対しては、「おい、入れ歯がいてぇよ。何とかしてくれよ。」といつも口が悪いです。
そんなことを言われたら、普通は「俺の作った入れ歯に文句があるなら、他に行ってくれ。」と言うところのような気がしますが、僕はなんかその一言に腹を立てることはなかったのですね(すべての患者さんに、そう思えるほど人間はできていませんが。。。)。
格好つけて言うわけではないのですが、それこそ、もっとうまくなるチャンスのようにとらえた部分もありました。
それに、何かこの人のキャラなのか、憎めない人なのですね。
でも、ある日、その人が大病を患った時に僕は民間療法で使用されていて、同じ病気を患った僕の父親も飲んでいたお茶を購入し、その人に持って行ったことがあります。
それが効いたのかどうかは解りませんが、今は元気に当院に罹ってくれます、たまに、当院スタッフにもいっぱいのお土産を持って。。。
それからでしょうかね、何かよく話をするようになりました。
その人の過去は、かなり不遇で親の離婚、経済的な理由で大学中退、自分の離婚、子供との生き別れ、そして大病を患って今も苦しんでいるという経緯がありました。
その中では、グレてしまって若いときには、警察に厄介になったこともあったそうです。
でも、経営者としては一代で新潟に根を張り、第一線で頑張っている人です。
僕の経験の中で、そのような過去を持った人はあまり知らないので、すごく興味を持ちました。
きっと僕のことを、息子のように思っているみたいでいろいろな話を教えてくれました。
それこそ僕も、親父のように感じることがあります。
実際、気持ちは真面目で経営のことをよく考えている人で、僕にもその考え方を教えてくれたりもしました。
人って、どうしても見かけで判断してしまうことが多くありますよね。
そういう意味では、この人は損するタイプかと思いますが人間的に尊敬できますし好感を持てます。
いつも思うのですが、結局、人は最終的にはここなんですよね。。。
好感を持てて、尊敬できる人かどうかが大切です。
そして、恩をお互い忘れぬ付き合いができるかどうかなんです。。。
この二つがどちらかでも滞ってしまうと、人間は離れていくのだと思います。
全ての局面で人間関係を構築するのに、これは大切なことだだと思います。
これは、患者さんにおいても当然ですが、医療者側が患者さん側に恩を与えていると考えているようでは、多分ダメなんですね。。。
医療者側だって患者さん側から恩を与えてもらっているのですからね。
もちろん、医療者側がキャンセル続きの患者さんに「ちゃんと来ないと、治りませんよ。」と注意したり、「これは当院では治せません。大学病院へ紹介します。」というような他院を紹介するのは、言わなければならないことだし、患者さんのことを思ってのことですからね、どうか誤解なさらずに。。。
こういう感じで全ての患者さんと付き合えれば、医療者として本当に幸せなんだろうなと思います。
物理的に不可能ではありますが。。。
でも、そういう関係が作れる人をプライベートでも増やしていけたら良いなと思います。