残根を残しても良いことはないです。

新潟駅から徒歩５分　「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。

先日、まだ５０代で若く綺麗な女性が当院に来られました。

その方は、義歯（入れ歯）の修理を主訴として来院しました。

僕は、口腔内を見る前までは、恐らく小さい部分入れ歯が壊れたのかな？と思っていましたが、その口腔内を見て愕然としました。

その方の口の中には総入れ歯が上下顎とも装着されておりました。

 しかも、歯が全て欠損しているというわけではなくほぼ全ての歯が残存していて、その歯は全て残根と呼ばれるようなものであって、重度虫歯により根っこだけになっていました。

上顎の入れ歯は、口蓋部分が完全に無い無口蓋床入れ歯で二つに割れていました。

 修理で簡単に直せるかと思っていましたが、修理したところで良い入れ歯にはなり得ないと歯科医師であれば誰でも解るような状態です。

 僕は、まず今の口腔内の状況を患者さんに説明しました。

 一つは、この入れ歯を応急的に直したとしても、良いものにはなり得ないし、過去にも何度か割れているようなので新製した方が良いということ。

 そしてもう一つは、どのタイミングが一番いいか検討しなければいけませんが、残根である残存歯は抜いた方が良いと思われることを説明しました。

 問題なのは、なかなか言いにくいことでもありますが、このような状態は歯科で言ったら最も重症と言えると思うのですが、本人はあまり自覚がないようでした。

 僕は、パノラマX線も撮影させてもらい、残根の状態と根っこの先に膿の袋を抱えている歯の説明をさせてもらいました。

 患者さんは、その時、「私の歯は良くないとは思っていましたが、凄い重症なのですね。。。」と解ってくれました。

 

治療計画としては、現在の修理した入れ歯の維持安定は悪く、急を要するため上下顎の入れ歯の製作を急ぎ、完成してセット後に何回かに分けて抜歯をしていこうかと思います。

そして、今からブラッシングをしっかり意識して行っていただき口腔衛生状態にも気を配っていただき、もし保存できるような歯があれば、それを入れ歯の維持安定のために使用させていただこうと思います。

 そして、抜歯操作は避けられないため、そう遠くない将来に上下顎の総入れ歯を作り直すことを説明し、同意を得ました。

 今後、最終的に良い入れ歯が装着されるまでは、少々時間はかかるでしょうが、良い入れ歯ができるように頑張っていきたいと思います。

 

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