下顎の入れ歯が痛い、もう一つの理由。-新潟市中央区の歯医者|りんご歯科医院

院長ブログ

新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

下顎の入れ歯が痛い、もう一つの理由。

CIMG1992.JPG
 下顎の入れ歯が粘膜に当たって痛いという理由で、他院から紹介された総入れ歯の患者さんが来られました。この患者さんの口腔内を見てみると、入れ歯が当たって傷になっているような様子は特に見当たりませんでした。しかしながら、入れ歯が乗っている歯茎はかなり痩せていました。その方は、入れ歯を入れているだけでもピリピリするような感覚があると仰っていました。
このようなケースで考えられるのは、普通に歯が十分に残存している場合はオトガイ孔という神経の開口部が下顎の4~5番目の歯の根尖の下にあります。しかし、歯がなくなることによって長時間経過すると歯槽骨という歯の根を取り囲む骨が吸収してしまいます。そうなると、神経の開口部が入れ歯が乗る粘膜直下に来てしまうことがあります。そうなると、その部位に入れ歯が乗っているだけで痛みを感じやすくなってしまいます。この場合、そのオトガイ孔の位置をレントゲンで特定し、入れ歯下に緩衝腔(強く当てないための空隙)を設け、極力当たらないようにするのがいいかと思います。しかしながら、歯茎がかなり痩せているので入れ歯の維持をしっかり図らないと入れ歯の横揺れでその部位を刺激してしまうため、今後入れ歯を新製し適合アップを図り、オトガイ孔直下の面に緩衝腔を設定する予定です。
入れ歯を長期間使用していて歯茎がやせた感じはあるものの、特に粘膜に強く当たって傷があるわけでもないのになんかピリピリした感じが常にある場合は、是非、ご相談ください。噛み合わせや、適合が問題じゃないものも考えられますから。。。
(写真は下顎の歯茎のミラー像です。相当歯茎がやせているのがわかります。)